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9.タマゴとトルタとオクラホマ【2】
ニワトリに似ているが、柄が微妙にキジトラ猫みたいな鳥と、アヒルに似ているが、こっちはサバトラ猫みたいな柄の鳥がたくさんいる場所に、俺達は案内された。
「ホントにどうにかなるのかねぇ?」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ」
「ホントに、大丈夫なのか?」
ポムは安請け合いをしているが、後ろをついてきたスカーレットは懐疑的だ。
「そんじゃあ……」
俺は鳥小屋に手を当ててみた。
だが、なんのインスピレーションもない。
反応もない。
ただ、空白のような間があっただけで、なにも起きなかった。
「どうしたの、タイガ?」
「どうしたもなにも、アレは俺がしようと思ってするんじゃないからなぁ」
「鳥小屋じゃなくて、鳥じゃないとダメなのかなぁ?」
そういうポムにそそのかされて、俺はそれから小一時間、そこにいる鳥を全部一匹づつ、とっつかまえて抱き上げる作業をさせられた。




