表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生インプ、異世界で最強魔物メーカーへの道  作者: エピファネス
第一章 魔物メーカー、ルナリアに立つ
53/57

第53話 魔法道具屋の店主

図書館の司書に教えてもらった魔法道具屋は、ギルドから少し離れた、裏通りにひっそりと佇んでいた。店の外観は古びていて、一見、普通の民家のように見える。しかし、よく見ると、窓ガラスに、かすかに魔力が込められているのがわかった。


「ここが、魔法道具屋……?」


 俺は、少し不安を感じながら、フィンの背中を押して、店の中へと入った。


店の中は、薄暗く、埃っぽい匂いがした。壁際には、所狭しと、棚が並べられており、様々な魔法道具が、雑然と置かれている。奇妙な形の杖、光る水晶玉、怪しげな薬瓶……どれもこれも、不思議な魔力を放っている。


「いらっしゃい……」


 カウンターの奥から、嗄れた声が聞こえた。


 カウンター越しに、店主の顔が見えた。


 店主は、小柄で痩せた老人で、顔には深い皺が刻まれている。鋭い眼光と、長い白髭が、印象的だ。その目は、まるで、客の心を見透かすかのようだった。


「何か、探しているものは、あるかね……?」


 店主は、鋭い眼光で、俺たちを見つめた。


「あの……Bランク昇格試験に向けて、魔法道具を探しているんですが……」


 俺は、少し緊張しながら、店主言った。


「Bランク昇格試験か……なかなか、骨が折れる試験じゃな…」


 店主は、小さく、頷いた。


「実技試験では、どんな魔物が、出てくるんでしょうか……?」


 俺は、恐る恐る、店主尋ねた。


「それは、毎年、違うんじゃよ。だが、強力な魔物が、出てくることは、間違いない。上位オーク、吸血鬼、狼男……そういった魔物にも、対応できる、魔法道具が、必要じゃろう」


 店主の言葉に、俺は、改めて、Bランク昇格試験の、難しさを、実感した。


「何か、オススメの魔法道具は、ありますか?」


 俺は、店主の知識に、期待を込めて、尋ねた。


「そうじゃな……君には、これが、オススメじゃ」


 店主は、カウンターの下から、小さな箱を取り出した。木製の箱は、年季が入っており、細かい彫刻が施されている。


 箱を開けると、中には、銀色に輝く、指輪が、入っていた。指輪からは、かすかに魔力が感じられ、俺は思わず息を呑んだ。


「これは?」


「『魔力増幅指輪マナブーストリング』じゃ。これを、はめると、魔力が、増幅され、魔法の威力も、上がる。使いこなせれば、Bランク昇格試験でも、強力な武器になるじゃろう」


 店主は、指輪の効果を、説明してくれた。


「すごい……!」


 俺は、指輪に、目を輝かせた。しかし、同時に、不安も感じていた。こんな強力な指輪、本当に俺が使いこなせるのだろうか……?


「でも、魔力増幅ってことは、魔力の消耗も激しくなるってことですよね?使いこなせなかったら、逆に、危険なんじゃ……」


 俺は、不安を口にした。


「その通りじゃ。魔力増幅指輪は、諸刃の剣。扱いを間違えると、命を落とすこともある」


 店主は、真剣な表情で言った。


「セプティム、でも、この指輪があれば、もっと強力な魔法が使えるようになるんだよ!試してみようぜ!」


 フィンは、目を輝かせて言った。


「スカイ、他の魔法道具も見てきてくれないか?もしかしたら、もっと、セプティムに合うものがあるかもしれない」


 俺は、スカイに頼んだ。


「キュイ!」


 スカイは、元気よく返事をして、店内を飛び回って、他の魔法道具を探し始めた。


「ガマ、お前は、店主の匂いを嗅いでみてくれ。何か、手がかりになるものがあるかもしれない」


 俺は、ガマに指示を出した。


「クゥ……」


 ガマは、頷くと、カウンターの奥へ、鼻をくんくんさせながら近づいていった。


「フィン、お前はどう思う?この指輪、俺に合うかな…?」


 俺は、フィンに意見を求めた。


「確かに、強力な魔法道具だけど……セプティム、お前は、もっと慎重になった方がいい。この指輪は、リスクも大きい。他に、何か、もっと安全な魔法道具があるかもしれない」


 フィンは、心配そうに言った。


 その時、スカイが、興奮した様子で、戻ってきた。


「…キュイ!キュイ〜!」


 スカイが持ってきたのは、先端に大きなルビーがついた、銀色の杖だった。


「…これは…?」


「『火炎増幅杖フレイムブーストロッド』だって!火炎魔法の威力を、大幅に上げてくれるらしいよ!」


 フィンの説明に、俺は、興味を持った。


「確かに、魅力的な杖だな……でも、俺は、火炎魔法だけじゃなく、他の属性の魔法も使いたいんだ……」


 俺は、悩んでいた。


 その時、ガマが、俺の足元にすり寄ってきた。


「…クゥ…クゥ…」


 ガマは、何かを伝えようとしているようだ。


「ガマ、どうしたんだ?」


 俺は、ガマに尋ねた。


「ガマは、店主の匂いから、彼がかつて、強力な魔物使いだったことを感じ取ったようだ。そして…彼は、その力を制御できずに、多くのものを失ってしまったらしい…」


 フィンの説明に、俺は、驚いた。


「店主は……その過去を、後悔しているようだ。だから、君には、同じ過ちを、繰り返してほしくないと思っている…そう、ガマは言っている」


 フィンの言葉に、俺は、店主の鋭い眼光の意味を、理解した。


「君には、試練を与えよう。もし、君が、その試練を、乗り越えることができたら……この指輪を、譲ってやろう」


 店主は、真剣な表情で、言った。


「試練?」


「ああ。店の奥に、私が作った、特別な訓練場がある。そこで、君の実力を見せてくれ。もし、君が、魔力増幅指輪を使いこなせるだけの、力と、心の強さを持っていると、私が認めたら…この指輪を、譲ってやろう」


 店主の言葉に、俺は、身が引き締まる思いがした。


 試練……


 一体、どんな試練なんだ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ