第5話 相棒、誕生!?
「なぁ、フィン。お前、何が好きなんだ?」
俺は、フィンに尋ねた。
俺たちは、基地の中央にある、石造りのテーブルを囲んで、夕食をとっていた。
メニューは、俺が作った、魔界のキノコと、巨大ネズミの肉を煮込んだシチューだ。
味付けは、魔界産の香辛料をたっぷり使って、ピリ辛に仕上げた。
「んー、美味い! こいつは、なかなかやるじゃねぇか、セプティム」
フィンは、豪快にシチューをすすりながら、満足そうに言った。
彼の食べっぷりは、見ているだけで気持ちがいい。
「そうか? よかった。でも、魔界の食材って、クセが強くて、扱いが難しいんだよな…」
俺は、少しだけ不満そうに言った。
前世では、宮廷魔術師として、最高の食材と調味料を使って、料理を作っていた。
魔界の食材は、確かに栄養価は高いが、独特の臭みや苦味があり、なかなか俺の舌を満足させてくれない。
「まあ、魔界の飯なんて、こんなもんだろ。文句があるなら、自分で美味い食材を探してくるんだな」
フィンは、ニヤリと笑って、俺の肩を叩いた。
「で、何の話だっけ?」
「ああ、お前が、どんな魔物が好きなのかって聞いてたんだ」
「なんで、そんなこと聞くんだ?」
「だって、一緒に最強の魔物を目指すんだろ? フィンの好みも知っておきたいと思って」
俺は、真剣な顔で言った。
フィンは、少しだけ驚いたような顔をした後、目を細めて考え込んだ。
「最強の魔物か…。そうだな…やっぱり、強くて、カッコよくて、頼りになるやつがいいな」
「具体的には?」
「例えば…ドラゴンとか、グリフォンとか、ケルベロスとか…」
フィンは、目を輝かせながら、次々と魔物の名前を挙げた。
どれも、魔界では、かなり強力なランクの魔物ばかりだ。
「…おい、フィン。それ、今の俺には、ちょっとハードル高すぎないか?」
俺は、苦笑しながら言った。
スライムすらまともに作れない俺が、ドラゴンやグリフォンを作れるわけがない。
「まあまあ、焦るなよ。これから、一緒に練習すれば、きっと作れるようになるさ」
フィンは、俺の肩をポンと叩いて、励ましてくれた。
彼の言葉に、俺は少しだけ勇気が湧いてきた。
「よし、じゃあ、まずは、どんな魔物を作ってみるか、一緒に考えようぜ!」
俺は、意気揚々と立ち上がり、作業台へと向かった。
フィンの瞳にも、希望の光が灯っていた。
最強の魔物メーカーへの道は、まだまだ始まったばかりだ。