第49話 賢者の遺産
「罪の器…それは、七つの大罪の力を吸収し、封印する力を持っているらしい。ただし…」
フィンは、古代魔文字で書かれた記述を、真剣な表情で読み解きながら、言葉を濁した。
「…ただし?」
俺は、フィンの様子に、一抹の不安を覚える。
「…ただし、罪の器は、それ自体が強大な魔力を持つため、扱い方を間違えると、逆に、危険な存在になり得るとも書かれている」
フィンの言葉に、俺は、背筋が、ゾッとするのを感じた。
罪の器…それは、確かに、冥府の使徒を倒すための、希望となり得る。
しかし、同時に、大きなリスクも、孕んでいるのだ。
「…それでも…俺たちは、罪の器を見つけ出すしかないんだ…」
俺は、決意を込めて、言った。
冥府の使徒の野望を阻止するためには、リスクを承知の上で、罪の器の力に頼るしかない。
「…ああ、わかっている」
フィンも、真剣な表情で、頷いた。
「…で、この本には、罪の器のありかまでは、書かれていないのか…?」
俺は、少しがっかりしながら、フィンに尋ねた。
「…いや…待てよ…」
フィンは、ページを戻し、何かを探しているようだ。
「…あった!ここに、こう書かれている…」
フィンは、指差した部分の古代魔文字を、ゆっくりと読み上げた。
「…『七つの罪の器…その在り処を知る鍵は…『賢者の遺産』…それは、七賢者が残した、七つの秘宝の中に…』」
「…賢者の遺産…?七つの秘宝…?」
新たな謎の登場に、俺は、ますます、この本に、引き込まれていくのを感じた。
一体、「賢者の遺産」とは、何なのか…?
そして、それは、どこにあるのか…?
「…セプティム、これは、大発見だ!もしかしたら、この『賢者の遺産』に関する情報なら、ギルドマスターが、知っているかもしれないぞ!」
フィンの言葉に、俺は、ハッとした。
そうだ!ギルドマスターなら、何か知っているかもしれない!
俺たちは、急いで、本を閉じると、冒険者ギルドへと、向かった。




