第36話 Dランク昇級試験、最初の試練
ひんやりとした空気が肌を刺す。洞窟の奥から、獣の唸り声や、金属がぶつかり合う音が、不気味に響いてくる。俺は、ブルー、スカイ、そして、ガマと共に、「呪われし迷宮」の巨大な入り口の前に立っていた。フィンの表情は真剣そのものだ。彼もまた、このダンジョンが、ただの試練場ではないことを、本能的に感じ取っているのだろう。
「…行くぞ、セプティム」
フィンが低い声で言った。俺は大きく息を吸い込み、緊張を鎮めようと努めた。そして、フィンと共に、迷宮の闇の中へと足を踏み入れた。
洞窟内は、予想以上に広かった。天井は高く、見上げるほどの高さがあり、壁はゴツゴツとした岩肌で、ところどころに奇妙な模様が刻まれている。足元は湿った土で滑りやすく、歩くたびに足音が不気味に響き渡る。空気は冷たく、湿っぽく、カビ臭い。俺は、魔導書で読んだダンジョンの構造や、魔物の生態などを思い出しながら、慎重に進んでいた。
「…おい、セプティム。気をつけろ。この迷宮には、様々な罠が仕掛けられているらしい」
フィンが注意深く周囲を見渡しながら言った。
「…ああ、わかってる」
俺はフィンの言葉に頷いた。俺たちは、壁や、床、天井などを注意深く観察しながら、進んでいく。しばらくすると、フィンの足が止まった。
「…おい、セプティム。あれを見ろ」
フィンが指差した先には、床に小さな穴が開いていた。穴からは、かすかに風が吹き出ている。
「…あれは、落とし穴だな。落ちたら、ひとたまりもない」
フィンが低い声で言った。俺はフィンの言葉に、背筋がゾッとするのを感じた。落とし穴…。魔界のダンジョンでは、よくある罠の一つだ。油断すると、簡単に命を落とすことになる。
「…気をつけよう」
俺はフィンに言った。俺たちは落とし穴を慎重に迂回し、進んでいく。しばらくすると、今度は天井から何かがぶら下がっているのが見えた。
「…あれは…?」
俺は天井を見上げながら言った。
「…毒針の罠だ。触れると、毒針が飛び出してくる」
フィンが説明してくれた。毒針の罠…。これもまた、魔界のダンジョンではよくある罠の一つだ。毒針には、強力な麻痺毒が塗られており、刺されると体が動かなくなり、魔物の餌食になってしまう。
「…スカイ、頼む」
俺はスカイに指示を出した。
「キュイッ!」
スカイは俺の指示を理解すると、風魔法で毒針の罠を吹き飛ばした。毒針は壁に激突し、無力化された。
「…ありがとう、スカイ」
俺はスカイに感謝した。
俺たちは罠を警戒しながら、さらに迷宮の奥へと進んでいく。すると、前方から、カサカサと、何かが這いずり回る音が聞こえてきた。
「…おい、セプティム。何か来るぞ…」
フィンが剣を抜きながら身構えた。薄暗い通路の奥から、2体の骸骨がゆっくりと姿を現した。それは、白骨化した体で、ゆっくりと歩く、スケルトンだった。彼らの目は赤く不気味に光り、空洞の口からは凍てつくような息が吐き出されている。
「…スケルトンか…Eランクの魔物だな。油断は禁物だが、落ち着いて対処すれば、問題ない」
フィンは剣を抜きながら言った。
「ブルー、スカイ、行くぞ!」
俺はブルーとスカイに指示を出した。
「ぷるぷる!」
ブルーはフィンの指示で、スケルトンの足元へ、巨大な体で突進する。
「キュイッ!」
スカイは上空から、スケルトンに鋭い風刃を叩きつける。風刃はスケルトンの骨を砕き、彼らは一瞬、体勢を崩した。
「今だ、フィン!」
俺は叫んだ。
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