第35話 チームワークと友情の試練
Dランク昇級試験、初日。冒険者ギルドの訓練場には、多くの受験者たちが集まっていた。
緊張した面持ちの新人冒険者、余裕の笑みを浮かべるベテラン冒険者、そして、不安げな表情の俺たち。様々な思いを胸に、受験者たちは、試験開始を待っていた。
最初の試験は、筆記試験だ。試験会場は、ギルドホールの一角に設けられた、広々とした部屋だった。
受験者たちは、指定された席に座り、試験官の指示に従って、試験用紙と、筆記用具を受け取った。
試験時間は、2時間。問題は、魔物に関する知識、魔界の法律や常識、冒険者としての心得など、幅広い分野から、出題された。
俺は、前世で錬金術師として培った知識と、メルカルの教えを頼りに、問題を解いていく。
しかし、中には、俺の知らない魔物や、魔界特有の法律に関する問題もあり、苦戦を強いられる場面もあった。それでも、俺は、諦めずに、最後まで、全力を尽くした。
2時間後、筆記試験が終了した。俺は、解答用紙を提出すると、フィンの元へと駆け寄った。
「…おい、フィン。どうだった?」
俺は、フィンに尋ねた。
「…ああ、なんとか、全部、解けたぜ」
フィンは、余裕の笑みを浮かべて、答えた。彼は、盗賊団時代に、様々な知識や、経験を積んでいるため、筆記試験は、得意なようだった。
「…よかった…」
俺は、安堵の息を吐いた。筆記試験の結果は、その日のうちに、発表された。俺は、なんとか、合格点に達していた。フィンも、もちろん、合格だった。
次の試験は、実技試験だ。実技試験は、ギルドの訓練場で行われた。試験内容は、魔物との模擬戦闘、罠の解除、救護活動など、多岐にわたる。
フィンは、持ち前の身体能力と、剣術の腕前で、実技試験を、難なく、クリアしていった。罠の解除も、盗賊団時代に、経験済みらしく、手際よく、こなしていた。
一方、俺は、魔物との模擬戦闘で、苦戦した。俺が召喚したスライムは、訓練用の魔物に、全く歯が立たず、あっという間に、倒されてしまった。
「…くそっ…俺の魔物たちは、まだまだ、弱すぎる…」
俺は、悔しさを噛み締めながら、呟いた。
「…セプティム、大丈夫だ。お前は、まだ、魔物メーカーとして、成長過程にある。焦ることはない」
フィンは、俺の肩を叩きながら、励ましてくれた。彼の言葉に、俺は、少しだけ、気持ちが楽になった。
実技試験の結果も、その日のうちに、発表された。フィンは、もちろん、合格。俺は、魔物との模擬戦闘で、減点されたものの、他の項目で、高得点を獲得し、なんとか、合格することができた。
そして、いよいよ、最後の試験、ダンジョンサバイバル試験だ。ダンジョンサバイバル試験は、翌日、早朝から、開始される。俺たちは、試験に向けて、最後の準備を行い、早めに、就寝した。
翌朝。俺たちは、ギルドの職員に連れられ、ダンジョンサバイバル試験の会場へと向かった。
会場は、ルナリアの街から馬車で半日ほど移動した、荒涼とした大地にぽっかりと口を開けた巨大な洞窟だった。洞窟の入り口は禍々しいオーラを放ち、中からは獣の唸り声や、金属がぶつかり合う音が、かすかに聞こえてくる。
「…ここが、呪われし迷宮…か…」
俺は、洞窟の奥から漂ってくる、瘴気のようなものに息苦しさを感じながら呟いた。
「…ああ。この迷宮は、一度入ったら、二度と、生きては戻れないと、噂されている…」
フィンは、真剣な表情で、言った。
「…制限時間内に、指定されたダンジョンを踏破し、生きて、帰還することです。今年の試験内容は…『呪われし迷宮』の2階に生息するフロストバットを倒し、その氷結翼膜を、3つ持ち帰ることです」
試験官のオーガは、重々しい口調で、試験内容を説明した。
「…フロストバットは、Dランク相当の魔物で、冷気を操る能力を持っています。油断すると、凍傷になる危険性もありますので、注意が必要です。さらに、迷宮内には、様々な罠が仕掛けられており、注意が必要です…」
オーガの説明に、俺たちは、緊張した面持ちで、顔を見合わせた。
俺は、ブルー、スカイ、そして、ガマと共に、呪われし迷宮へと、足を踏み入れた。Dランク昇級試験、最後の試練が、今、始まる。
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