第21話 旅立ちの決意
「セプティム君、次は、小サイズのソウルストーンの生成に挑戦してみよう」
メルカルは、そう言って、俺に、松ぼっくりほどの大きさの、一般的なソウルストーンを見せた。
「このソウルストーンは、君が作り出した極小サイズのソウルストーンよりも、はるかに強力な魔力を秘めている。そして、より高ランクの魔物を創造することができる」
俺は、メルカルの言葉に、期待と不安が入り混じる気持ちで、そのソウルストーンを見つめた。
確かに、このソウルストーンは、俺が作り出したものとは、比べ物にならないほど、強い光を放っている。
まるで、中に、燃え盛る炎が閉じ込められているかのようだ。
「…でも、メルカルさん…俺に、そんなことができるでしょうか…?」
俺は、不安そうに尋ねた。
極小サイズのソウルストーン生成でさえ、あれほど苦労したのに、 小サイズのソウルストーン生成なんて、できるわけがない…。
「セプティム君、自分を信じなさい。君には、その力がある。そして、私は、君を導く」
メルカルは、俺の肩に手を置き、優しく言った。
彼の言葉に、俺は、勇気を奮い立たせた。
「…はい! メルカルさん、俺、やってみます!」
俺は、決意を込めて、答えた。
最強の魔物メーカーになるためには、どんな困難にも立ち向かわなければならない。
俺は、メルカルの指導のもと、小サイズのソウルストーン生成の修行を開始した。
作業台の上には、複雑な魔法陣が描かれ、その周りには、ゴブリンとコボルトの素材が並べられている。
俺は、深呼吸をして、心を落ち着かせた。
そして、魂石の力、素材の魂、そして、自らの魂を、一つに融合させようと、意識を集中させた。
しかし…。
「…くそっ…!」
何度試みても、ソウルストーン生成は失敗に終わる。
素材の魂は、俺の呼びかけに応えず、魂石の力は、暴走し、魔法陣は、制御不能な光を放つ。
額から、冷や汗が流れ落ち、魔力の枯渇と、精神的な疲労が、俺を襲う。
小サイズのソウルストーン生成は、極小サイズとは比べ物にならないほど、難しい。
まるで、巨大な岩を、素手で動かそうとするような、無謀な挑戦だった。
「…ダメだ…全然、うまくいかない…」
俺は、力なく、呟いた。
メルカルは、俺の様子を、静かに見守っていた。
「セプティム君、焦ってはいけない。魔物創造は、一朝一夕にできるものではない。君はまだ、修行を始めたばかりだ」
メルカルは、優しく、俺を励ました。
「…でも、メルカルさん…俺は、いつになったら、もっと強力な魔物を創造できるようになるんですか…?」
俺は、不安な気持ちを、メルカルにぶつけた。
「セプティム君、最強の魔物メーカーになるための道は、長く、険しい。だが、決して諦めてはいけない。君には、その才能がある」
メルカルは、俺の肩に手を置き、力強く言った。
「…はい…」
俺は、メルカルの言葉に、わずかな希望を感じた。
しかし、同時に、自分の未熟さを、改めて痛感した。
俺は、まだまだ、最強の魔物メーカーには、程遠い存在だ。
もっと、もっと、強くなりたい。
もっと、もっと、多くのことを学びたい。
そのために、俺は…。
「セプティム君、そろそろ、次の段階に進もう」
メルカルは、静かに言った。
「次の段階…?」
「ああ。セプティム君、私は、君に、冒険者都市ルナリアへ行くことを勧める」
ルナリア…。
それは、アルカナディア大陸の中央に位置する、人間界と魔界の境界に築かれた都市。
様々な種族の魔物や人間たちが集い、活気と混沌に満ち溢れた場所だと、フィンから聞いたことがある。
「ルナリアには、冒険者ギルドの本部があり、様々な種族の冒険者たちが、日夜、クエストに挑戦している。君も、そこで、多くの魔物と出会い、新たな知識や技術を学ぶことができるだろう。そして…人間との関係についても、学ぶことができる」
メルカルの説明に、俺は、ワクワクする気持ちを抑えきれなかった。
ルナリア…。
それは、最強の魔物メーカーを目指す俺にとって、まさに、憧れの場所だった。
そして、人間…。
前世では、人間として生きていた俺だが、魔界に転生してからは、まだ、人間と出会ったことがない。
魔族であるフィンからは、人間は恐ろしい存在だと聞かされていたが、本当にそうなのだろうか…?
俺は、自分の目で、人間を見て、確かめてみたいという気持ちもあった。
「…でも、メルカルさん、俺はまだ…」
俺は、少し不安そうに言った。
まだ、スライムとウィンドスネークしか作ったことがない俺が、ルナリアで、やっていけるのだろうか…?
「心配するな、セプティム君。君には、ブルーとスカイがいる。そして…君自身の力も、着実に成長している」
メルカルは、俺の肩に手を置き、優しく言った。
「…はい! メルカルさん、俺、頑張ります!」
俺は、決意を込めて、答えた。
最強の魔物メーカーへの道は、まだ、始まったばかりだ。
だが、俺は、ブルーとスカイと共に、どんな困難にも立ち向かう覚悟だった。
俺たちの冒険は、新たな章へと突入する。
ルナリア…未知なる世界への、期待と不安を胸に、俺は、旅立ちの準備を始めた。
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