彼と彼と
ハルトを半ば追い出すように見送って玄関のドアを閉めると、後ろからアラタが抱きついてきた。ガイアは体をよじってその抱擁から抜け出そうとしたが、アラタはその動きを利用して、逆にガイアを床に転がして馬乗りになる。
「さあ、これからの俺たちは、どうなるかな?」
「何考えてんだよ……。そりゃ、オレが招いたことだけど、でも、普通に話せば済んだことだろ? 何でこんなことしたんだ」
「ちょっとした復讐だって、言っただろ?」
アラタはスーツ姿で髪型を変え、いつもよりもさらにハルトと瓜二つだ。そのアラタが、自分に覆いかぶさって、いつものように誘うようなキスをしてくる。ガイアは逃れようと顔を横に背けた。
「やめてくれ、お願いだから……」
どんなに抵抗しても、彼は、ガイアを床に押さえつけつつ愛おしそうに触れるのを、やめなかった。彼はキスの合間合間に、囁いた。
「それと……これは、賭けなんだ。
もし、これで、ハルトがガイアの気持ちに応えたら、幼なじみが結ばれる幸せなハッピーエンド。俺は潔く身を引くよ。
ハルトがガイアから離れていくなら、俺にとってのハッピーエンド。ずっとずっと、俺がガイアのハルトになってあげる。
ガイアにとっては、どっちになってもハッピーエンドでしょ?
ま、ハルトが答えを出すまでは、こうやって幼なじみプレイを楽しもうよ。彼に二人の思い出も、色々聞いたんだ」
罰があたった。中途半端なことをして、誰とも真剣に向き合わなかったツケが、いま回ってきた。アラタを壊して、ハルトを巻き込んで、脆いかりそめの友情は崩れ去って。
今、目の前にあるのは、一体、何なんだろう。黄昏時の薄暗さにおおわれたように、何もかもが夜よりも黒くてはっきりと見えない。
──君は誰?
happy end?