オタクは皆メンヘラである。
ちょっとむずかった。
「さてさて、3話めだ。」
「我々オタクは果たしてメンヘラか?」
「オタクにメンヘラって属性過多だねなんか」
「あたしは更にロリが追加されるがな」
「遂に自身の身体的特徴を誇れるようになったか、俺は嬉しい。」
「涙を流す貴様はみっともなくて随分嘆かわしい」
「安心しろ、ロリは正義だ」
「それはお前だけだ、生粋のロリコン」
「いや、ただ、俺は己のオタク魂に従ってるだけだ。何度でも言おう、ロリは正義だ。」
「なんだよその澱んだソウルは」
「カースソウルってか」
「どっちかというとカスソウルだろ」
「俺の魂はゴミとでも」
「安心しろ」
「何に安心すればいいんだよ」
「1寸某氏にも昆布の魂とかいうだろ」
「若干オタク語なのが草 あと一寸法師はコンビニのおにぎりではない。」
「あたしは理系なんだ。ことわざなんていうコマンドはしらん」
「ため技みたいにいうなよ」
「秘技、言技ッ 厄災輪廻福茄子 」
「……異世界で茄子が大暴れすんのか?」
「やだよそんななろう小説」
「リターントゥディベート」
「あいあいさー」
「のっけから話が進んでないな」
「のっけから貴様が飛ばしているだけだ」
「でもさ、自分が好きなものを好きだと誇って何が悪いんだ?」
「誇り方が気色悪いのがきっと良くないんだよ」
「でも、愛の形だって様々じゃないか。」
「愛と誇りはまた別ではないかね」
「愛していると公言出来ない愛とはそりゃいかに」
「ふーむ、確かに、真実の愛とは、と考えるとなると難しいな」
「ひとつのことに執着してどこまでも愛せる、なんて素晴らしいことじゃないか」
「それで生活が立ち行かんとかいう自体にならねばいいんだがな。」
「それは極端な例だ。何事にも程度は必要だろう?」
「その愛が抑えきれなくてッ となるのは別にいいけど実際に行動に起こしちゃダメな場合だってあるもんな」
「きっとオタク魂という心は誰しもが持っているはずだ、だって何かを好きになることに一体誰が抵抗するってんだい」
「だが一般的にオタクは敬遠されがちだよな」
「でもアイドルオタクの女子とアニメオタクの男子、敬遠され具合は大違いじゃないか」
「あたし的にもなんかちょっとアニメオタク男子は……って心が五毛ぐらいあった」
「厘以下はもはや誤差だろ」
「存在の有無の違いは大きいんじゃないか?オタクのあたしでさえほんのちょびっと疎う心があったんだぞ?」
「確かに一理あるな。厨二病女にさえも遠ざけられるアニオタニキ可哀想」
「でもよ。ドルオタだってかなりの熱狂的だろ?どこがどう違うんだろ」
「やっぱり2Dと3Dのちがいかな。世の風潮的には実在するものを信じることは当たり前で、実在しないものを信じることは非日常なんだよ。」
「我々の生きている三次元の世界ではアイドルはリアルでキャラクターは非リアってことか」
「リア充と非リアの違いはおそらくここにある。さっきの風潮にしたがうと、いるものを愛する事への理解は示しやすいけれど、いないものを愛する事への理解を示せない人は少なからずいるはずだ」
「そこにオタクの敬遠度の違いがでてくると」
「そういうことだ」
「ちょっとまて、我々は今オタクはメンヘラかどうか議論してたんだ。なんでオタクの細分化と比較をしているんだ?」
「ひとつはオタクにも色々あるってことを知るべきなんじゃないかなって」
「つまりはオタク魂を捧げる対象の違いってか?」
「オタクの多様さはそこにあると俺は思うね。宗教だって立派なオタク養成学校じゃないか」
「その議論は危ない!思想関連はかなりグレーだぞ」
「でもさ、長年かけてその存在を明確化してきた信仰先に思考だの時間だの金銭だのを投じることってつまりはアニメ2度見だのグッズ購入だのと何ら変わりなくね?」
「聖書と同人誌を同列にするな、燃えるぞ」
「さらにだ。好きな人に贈り物をしたり自分の時間をかけたりすることだってやってることは変わりないだろ?」
「あたしとのデートの時間とアニメ見ている時間は同列ってか?」
「ちがうぞ!大違いだ。見かけは同じでもその中身は大違いだよ?」
「どうだか。最近あたしのことほっといてアニメばっか見てるくせに」
「お前の好きなアニメを勉強してんだよ?というかイッキ見させてんのお前なんだからな?」
「……それは悪かった」
「もしかして寂しかった?自分から見てっていったのに?かまって欲しかった?かまちょ?」
「……ウザいけどそうだよ」
「……」
「ん、ん。照れてやんの。貴様も可愛いなぁ」
「お前も真っ赤だ。人のことは言えんぞ」
「んん!つまりだ。広義にオタク心と捉えられる場合は多くて、その本質とは自分の感情だの物品だの時間を対象に無条件に捧げることにあると」
「つまりはそういうことだよお前さん。この無条件に捧げてしまうという危うい心こそ病を患っていると言えるポイントではないかね?」
「つまりオタクはメンヘラだということか。」
「そうだな。」
「そして、あたしに時間と贈り物と愛をくれる貴様は重度のメンヘラだな。」
「言っててはずかしくない?」
「うっせ黙れ事実だろ受け入れろ天邪鬼」
「早口になってやんのオタクか」
「ああ、あたしは貴様オタクだよッ!」
「アイツらも痴話喧嘩すんのな」
「結局ノロケ話になるんだけどな」
「しかし、愛することすなわちオタクとも捉えられるなんて飛躍してんなぁ」
「結局はあいつらの話のネタだ。深く考えるなよ」
「ていうかお前も結局話聞いてんのな」
「あんな痴話喧嘩だれだって興味湧くだろ」
「つまり俺たちはあの2人の会話に時間を捧げたオタクだと」
「黙れメンヘラ」
「なんだとメンヘラ」
「しかし愛だの恋だの騒げるリア充はすげぇな」
「チクショー!俺もまだ見ぬ未来のお嫁さんオタクになるんだァァァァ!」
いや、なんもむずくなかった。(混乱)