人類は皆メンヘラである。
完全にネタ。
「なぁ、村人Cよ、そこんとこどうと思う?」
「突然どうしたんだ、モブA」
「だってさ、メンヘラって心に病を患うことだろ?」
「お前は厨二病という立派な病を患ってるな」
「それだよ!」
「なんだよいきなり」
「厨二病が病気ならば、少なくとも全人類の半分は心に病を患っていることになる!」
「なんで半分なんだよ」
「女の子は、厨二病にならない!」
「それは立派な偏見というやつだ、お前は清楚な女の子が好きだもんな。だがしかし、女の子にも厨二病になる権利はある。」
「お、俺はそれを認めないぞ…」
「残念、実は反例すら存在している」
「な、なんだと……グハァ」
「ふ、それはなぁ!このあたしが生きているということだぁ!」
「すみません、突然叫ぶのやめてください。社会の迷惑です。」
「なら、お前が一昨日の夜公園で大きな声で異世界への扉をひら」
「すまん俺が悪かったそれ以上は勘弁して」
「わかればよろしい。」
「ていうかそれお前も一緒に叫んでただろ」
「てへぺろ」
「うっわ」
「死ねよ」
「怖ぇよ」
「ふん」
「……しかし、そうなると人類皆メンヘラ理論は成立ということになるな。」
「少なくとも我々の知っている世界の人類は皆メンヘラということか。」
「いや、しかしまだ断言はできんな。この議題は突き詰めねばならん重大な問題だ。」
「ほう、そうか。ならば今日の我らの活動は人類皆メンヘラ理論の証明ということか。」
「面白そうだろ?」
「ふん、貴様の提案というのが癪だがのったァ」
「どこから手を付けたらいいだろうか」
「まずは周囲の人間から情報を整理していくといい」
「なるほど成歩堂」
「ではケースONE」
「ワンワン!」
「お、ついにあたしの犬になる準備が出来たか」
「言われずとも、我々は国家の犬です。」
「お前は野良犬だけどな」
「なんだとチワワ」
「あたしが幼児体型だとでもいうのか」
「鏡をみてこい、もしくは今見せてやろうか」
「や、やめろォその手鏡をこっちに向けるなァ」
「フッ、この俺を従えようたぁまだ千年早いぜ」
「話を戻していいか」
「なんだっけ、そうだ対象1番だ。」
「では、そこの外側だけ無駄にキラキラしている我がクラスの人気者の場合」
「あいつは相当努力してると思うぜ」
「何をだ?」
「同じ男からしてみても、やつの外見は相当の努力の元に成り立っているというわけだ。」
「お前と一緒にされたくないだろうな奴も」
「なんだとうるさい葛飾北斎」
「韜晦道中栗饅頭」
「それは十返舎一九だ」
「……あたしは地理選択なんだよ!」
「歴史選択者と地理選択者の溝はマリアナ海溝よりも深いな」
「残念ながらウチのクラスは余り物クラスだから半々だけどな」
「話を戻しても良きかな?」
「よ き か な (お面)」
「あのイケメンは造られているという話だ」
「造られている、とな。それは一体全体誰にだ?」
「他ならぬあいつ自身にだ。」
「ほう。その真理とはいかに」
「まずひとつ。彼はいい匂いがする」
「変態かな」
「まてまて。いい匂いとはな、お金がかかるんだ。」
「金の匂いか?ならあそこのボンボンのほうがプンプンしてるぞ」
「それはキラキラな見た目だ。人間の得ている情報の八割は視覚によるものだ。そしてそれは重要でありながら最も陳腐である。」
「ほう。八割も占めている情報を差し置いて陳腐とは」
「君はなにをもってしてイケメンとするかい?」
「あたしは、そうだな……顔もいいけど性格もいい、的な?」
「そう、中身だ。目には見えない中身だ。」
「目には見えない…」
「人はどこで判断する?目には見えないんだ。」
「なるほど、だから。」
「そう、発言は耳から、そして匂いは鼻から。」
「外見じゃない部分で1番変えやすい部分とはどこか。そう考えるといいんだな。」
「YES、その通りだよワトソンくん。彼はイケメンたるために努力している。物腰柔らかな発言であったり、いい匂いのする柔軟剤だの香水だの。言葉に金はかからないけれど、匂いにお金はかかるもんだ。」
「言葉は金になるのにな。」
「その議論はまた今度に、な。ともかく、彼はイケメンな自分を意図的に作ろうとする心に囚われてる訳だ。」
「そりぁまた随分けったいな心の病だ。」
「そうすりゃ、彼はメンヘラということになるぜ?」
「うーむ、あたしも別に異論はない。しかしだ。どうも奴のメンヘラは悪くないように思うんだが」
「病気にも色々あるだろ。腫瘍ひとつとってみても良性と悪性とあるじゃないか。自分磨きの努力の心は良性だ。たとえば外ヅラだけみて人を判断するような心は悪性なんじゃないか」
「ふむ、確かに。心情は癌みたいなもんだな。取り除かなければ鬱々と心に巣食っていくもんな。」
「というわけで。あのクラスの人気者とその外側だけをみている人間はメンヘラということがわかった。」
「ふむ、悪くない成果だ」
「ところで、君はあのイケメンくんについてどう思う?」
「はァ?なんだ突然。もしかして嫉妬か?あたいがアイツに惚れてんじゃないかなんてな」
「……そうだと言ったら?」
「バ、ばっかお前、やめろよそういうの。ちょっぴりドキドキしたじゃねぇか」
「更年期か?」
「あたしは1204歳だ」
「身体年齢は16だけどな」
「見た目は12ってか?舐めんな、みてろよ、毎日牛乳飲んでお前を見返してやんからな」
「結婚式までに胸デカくなるといいな」
「そうだ、あたしはないすぼでーになって純白のドレスを翻しながら教会でダーリンとキスするんだ」
「ダメだこの厨二、いやメンヘラ」
「なんだよ、お前も見たくないのか、あたいの華麗なる新婦姿を」
「新郎としてなら見てもいいぜ」
「わかっているじゃないか相棒」
「おい、またアイツらへんな話してるぞ」
「聞いても半分ぐらいしか理解できんからほっといた方がいいぜ」
「しかしなぁ…」
「うん」
「あいつらマジでリア充だなって」
「ラブラブだから?」
「いや、純粋に好きな子と好きなことできるってことが」
「ふむ、お前にしては珍しい。いつものように僻まないのか」
「じゃかぁしぃ!だってよ、あの厨二病女見た目めちゃ可愛いじゃねぇか」
「外見でしか判断出来ない人間はメンヘラ、だっけな」
「クソぉぉぉぉ!ならば俺はメンヘラでもいい!彼女をくれぇぇぇぇ!」
そして私はメンヘラ。