70話:デートのお礼
一ヶ月待たせてしまい申し訳ないです!!!!
帰宅途中、真白は樹へとお礼を告げた。
「樹くん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「気にするな。俺だって楽しかったんだ。たまにはこうのんびりするのも悪くは無いな」
「ですね。ゆっくりな一日でした。また行きましょう」
「……猫カフェにか?」
「それも、です」
あのモフモフな感触が忘れられない真白だが、それは樹も同じであった。
「もふもふ……」
「ああ、もふもふだった。必ずまた行こう」
「はいっ」
そうして手を繋ぎながら帰る二人に、後ろから声がかけられた。
「あっ! お兄ちゃんに真白さんだ!」
振り返りそこにいたのは――菜月であった。
「ん? 菜月か」
「あ、菜月ちゃんですね」
そしてジーっと樹と真白の繋いでいる手を見る菜月。
「な、何だよ……?」
「な、なにか?」
菜月はニヤニヤしながら答えた。
「別に~。手なんか繋いで歩いちゃって」
菜月に言葉に樹は口を開いた。
「べ、別にいいだろ!?」
「そ、そうですよ!」
樹と真白の二人は顔を赤くさせながらも菜月にそう言葉を返す。
「照れなくてもいいのに」
ニヤニヤとしてくる菜月。
「それよりもなんで菜月がここに居るんだよ?」
樹は菜月がここに居る理由を尋ねた。
「私だって友達と遊んでたんだよ」
「そうなのか?」
「そうだよ。それよりも夕飯はどうするの?」
「夕飯か。考えてなかったな。真白は?」
「私も考えてなかったですね」
そこで菜月が提案をしてきた。
「ならウチで食べて行けば? きっとお父さんとお母さんも良いって言うし」
それが良いよ! と真白を誘う菜月。そんな真白は樹の方をチラッと確認する。
真白が嫌じゃなければ全然問題なないので、寧ろ来てほしいくらいだ。
なので樹は頷いて「来ないか?」と誘ってみる。
「ではお邪魔させていただきますね」
「やったぁ! そう来なくっちゃね! さあ真白さん、行こう!」
「え、あっ!」
菜月に手を引かれ連れていかれる真白は離れた樹の手を咄嗟に再び繋いだ。
こうして家まで三人で手を繋ぎながら帰るのであった。
帰って真白を連れてきたことを言うと、父の東と母の楓は喜んで迎えてくれた。
寧ろ「食べて行って」と誘うくらいだ。
「楓さん、私も手伝います」
手伝おうとする真白。
「あら、真白ちゃんは疲れてないの?」
「はい」
「ならお願いしようかしら」
「私も手伝う!」
こうして菜月も参加し、三人で料理を作ることとなった。
樹はと言うと、東と一緒にソファーに座りキッチンを眺めていた。
「良い光景だな、樹?」
「俺に話を振るなよ。でもまあ、確かにそうだな」
そう呟く樹と東。
しばらくして夕飯が出来上がり、五人で食べるのであった。
夕食が食べ終わって少しして、夜も良い感じとなり樹は真白を家まで送っていった。
そしてマンションの前まで来て、真白は改めて樹へとお礼を言った。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそだ。今日は本当に楽しかったよ」
「はい」
「じゃあ、俺は帰るよ」
「あ、少し待ってください!」
帰ろうとする樹を呼び止める真白。
「どうした?」
「少し目を瞑っていただいてもいいですか?」
「ん? いいけど……こうか?」
「はい。そのままじっとしていてくださいね。デートのお礼があるので」
「え? あ、ああ」
そしてどんなお礼かなと思っていると、唇に柔らかな感触とふわっと花の様な良い香りが鼻孔をついた。
「――っ!?」
思わず目を開ける樹。
「こ、これがお礼ですから! ではまた! それと樹くん、大好きです♡」
顔を真っ赤にしながら小走りで去って行く真白に、ただ一人残された樹は呆然とするのであった。
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