67話:デート場所は・・・?
久しぶりの更新です!
一緒に登校していると、真白が樹に質問した。
「あの、今週末予定ってありますか?」
「予定はないけど、いつもゴロゴロしているだけだからね」
「ふふっ、そこは樹さんらしいです」
「それで、何かあるのか?」
「その、あの、何処かにお出かけしたいな、と……」
そう言って顔を赤くしてしまう真白。
そんな真白の顔を見て、思わず樹まで顔を赤くなてしまう。
「ひ、暇だし出かけようか」
「はいっ!」
行くと聞いた真白は喜びのあまり、そんな嬉しそうな声を出してしまう。
周りの通行人の視線が真白と樹に集まる。
「い、行こうか」
「……ですね」
羞恥の余り、二人は顔を俯かせてしまう。
しばらく歩いていると、樹が真白に聞く。
「何処に行きたいんだ?」
「そうですね、何処でもって言うと困りますので、そうですね……少し考えさせてもらっても?」
「ああ、ゆっくり決めてくれ」
「はい」
それから学校に着いた樹。教室では真白が朝比奈と話しているのが見えた。
真白は出かけるならどこが良いかと、聞いていたのだ。
「う~ん。そうだね~、デートで行くなら水族館、とか?」
「いいですね。候補としておきます。他にはあったりしますか?」
「なら遊園地は?」
「いいのですが混みそうですね」
「確かに週末は混むね~」
う~ん、と頭を捻らせる二人。
「シンプルに街中を散歩とか?」
「それは良いですね」
と、二人は楽しそうに会話をしていた。
一方、樹の方はというと。
「それで樹、昨日は何していたんだ?」
「昨日か? そうだな。真白の家で夕飯をご馳走してもらった」
「羨ましいな」
「妹も一緒だったがな」
「妹もって、そっか。樹は妹がいたんだったな」
「生意気だがな」
「でも仲良いんだろ?」
「まあな。真白の方も家族と打ち解けていて何よりだ」
一条とそんな他愛もない会話をしていた。
「週末はデートですかい」
「そういう一条こそ、土日は何をしているんだ?」
「俺と結花か?」
「そうだ」
「家でごろごろとゲームしてたりとか」
「それってデートではないんじゃ……」
「うっ……お、お家デートって言葉があるだろ」
お家デート。それは家でだらだらとゆっくりするデートの事だ。
(お家デートか。今度するか)
今度やってみよう。そう思う樹だった。
昼下がりの放課後。
樹は真白と一緒に帰っていた。
「あの、お出かけの件ですけど」
「行く場所は決まった?」
「はい。街中を散歩とか、どうでしょうか?」
それは教室で話していた内容だった。
「いいね。行ったことない道とかいったりとか、楽しみ方は色々あるからね」
「はい。では……」
「週末は街中デートにしようか」
「はいっ」
そう言って真白は樹に嬉しそうな、幸せそうな表情を向けるのだった。




