64話:妹、参戦!?
すんません!(土下座)
長らくお待たせいたしました!
電話相手が女の子、しかも飛び切りの美少女であったなら、誰でもそのお風呂姿を想像してしまうだろう。
かく言う樹だって男なのだ。想像するに決まっている。
授業が始まるも先程の会話のせいか、樹は集中できないでいた。
(ダメだ。授業に集中しよう)
樹はそんな邪な考えを捨て、授業に集中するのであった。
授業が終わって昼休みの時間となった。
「つっちー一緒にお昼食べよう!」
「そうだね」
「つっきーとまっしーもだよ」
朝比奈の言葉に、樹と真白は……
「お言葉に甘えさせていただきますね」
「んじゃ俺もお言葉に甘えて」
机をくっ付け四人は弁当を広げる。
「あれ? 樹も弁当?」
「ああ。そうだよ」
一条にそう返す樹。樹の弁当は真白の手作り弁当なのである。一条の言葉に朝比奈も反応する。
「珍しいね! それに美味しそう!」
「ああ、とっても美味しいぞ」
「誰が作ってるの? まさかつっきーが作ったの?」
ここで樹は、真白が作ったとは言えない。それはクラスメイトに殺されかねないからである。
「それはだな……」
樹は誰がこの弁当を作ったのか、そこで言い淀んでしまった。そんな樹の姿に、一条と朝比奈は「ふふ~ん」と笑みを浮かべこちらを見ていた。
「誰なのかな~、樹~?」
「そうだよつっき~?」
「お、お前等……」
対面に座る真白をチラリと見やった樹。そこには若干顔を赤らめた真白の姿が。
「おい二人とも。分かってるならそれくらいにしておけって……」
「はいはい」
「は~い」
樹の言葉に二人はふざけた返事を返し、それ以降、弁当の事に関しては何も言わなくなった。
それからは他愛もない話などをし、昼休みが過ぎていったのだった。
――放課後。
樹のスマホにメッセージの着信音が入った。スマホを手に確認をすると、どうやら真白の様であった。
『今日、私の家でお夕飯を食べて行きませんか?』
そう書いてあった。
樹も真白もまだ教室におり振り返ると、真白と目が合った。
真白の表情は、「どうでしょうか?」と物語っていた。
樹はすぐにスマホに視線を戻し返信を返す。
『お言葉に甘えるよ』
そう返信をすると、すぐに返信が返ってきた。
『良かったです! ではいつもの公園で待ち合わせで。食材の買い出しに行きましょう』
『了解だ』
待ち合わせ場所の公園に到着し、樹は妹にメッセージを送る。
『今日の夕飯は真白の家で食べて帰るよ』
スマホをポケットにしまおうとすると、返信ではなく、電話がかかってきた。
電話の相手は――樹の妹、菜月であった。
仕方なしに電話を取る。
『なんだよ』
『私も行きたい! 連れてって!』
どうやら菜月は真白の家に行きたいようだった。だが真白が良いというかわからない。いや、殆どと言っていいほど、真白なら歓迎してくれるだろう。
そのまま歩いていると待ち合わせの公園に到着した。
しばらく菜月と会話をしていると、そこに真白が到着した。
「おまたせしました樹くん、ってあれ? 電話中でした?」
「ああ真白。菜月がな」
「菜月ちゃん? どうかしました?」
「それが――」
樹は真白に事情を説明すると……
「是非菜月ちゃんもいらしてください」
「だって。良かったな菜月」
『やったぁぁぁぁぁぁぁ!』
「うるさ!!」
思わず顔からスマホを遠ざける。
「それじゃあこれから買い出しだから、いつものスーパーに来てくれ」
『わかった!』
電話を切った樹はスマホをポケットにしまう。
「真白、菜月もスーパーに呼んだよ」
「分かりました。今から行けば丁度合流できそうですね」
「だな」
こうして今夜の夕飯には、菜月が参戦することになるのだった。
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