57話:初詣
更新遅れて申し訳ございません!!
原稿があったのでそちらの方に気を取られていて更新が出来ない状況でした。
ほんとすんません(土下座)
朝食が済んで少し。
「真白ちゃん、初詣行く?」
「初詣、ですか?」
楓の問いに天宮は疑問符を浮かべていた。
「そうよ。折角なんだから着物来て二人で行ってきなさいよ」
「いいのですか? 私母が亡くなってからは行った事が無くて……」
「そう、ごめんね」
楓は申し訳なくて天宮に謝った。そんな楓を見て天宮は慌てて口を開いた。
「いえいえ! 気にしないでください。誘ってくださって嬉しいです」
そんな天宮に樹は声をかける。
「行ってみるか? 無理はしなくてもいいんだぞ?」
「いえ。折角ですので行こうと思います」
「そうか」
樹は笑みを受けべた。
「さ、早く着替えましょ! 丁度真白ちゃんが着れるのがあるから!」
「え? えぇぇぇ!?」
そんな声と共に天宮は楓によって部屋の奥へと連れていかれるのであった。
しばらくして部屋の扉が開かれた。顔を向けた俺の思考は停止した。だって――
「あ、あの樹くん、どう、ですか?」
「……」
「あの、樹くん……?」
「はっ!」
俺は意識を取り戻した。
「とっても似合ってるよ」
俺のその言葉に天宮は頬を赤く染め、「よかったです」と言葉を零した。
天宮はの恰好だが、桃色の着物には花模様が描かれており髪の毛は三つ編みになって纏まっていた。
「樹どう? 髪はそのままにしてみたのだけど」
「さすが母さんだな」
「うんうん。さすが楓さんだ。天宮さんもとても似合ってる」
「お母さん凄い! それに真白さんも似合ってて可愛いよ!」
東に菜月もべた褒めである。
「さあ、早く行ってきなさい」
「お兄ちゃん、私も付いて行っていい、かな?」
菜月が樹に尋ねた。
樹はどちらでも良いのだが、ここは一緒に行く天宮に任せた方が適切だろうと思って天宮に尋ねた。
「俺は別に構わないが、真白はどうする?」
「私も構いませんよ」
「やった! 真白さんありがとう!」
菜月は天宮に飛びついた。
そこに楓が。
「菜月も行くなら着物に着替える?」
「いいの?!」
「ええ」
菜月は楓に釣られて着替えに向かった。少しして菜月が戻ってきた。髪はショートなのでそのままだが、着物は水色に花柄でとても似合っていた。
こうして樹と天宮、菜月の三人は地元に神社へと初詣の参拝をしに向かった。
神社に到着すると人でごった返していた。
「結構多いな」
「ですね」
「これはなかなか多くてお兄ちゃんと逸れそう……あっ、そうだ!」
菜月は何かを閃き俺に提案してきた。
「手をつなげば逸れないじゃん! 名案だよ!」
「「……え? 手を?」」
樹と天宮は顔を見合わせて少し恥ずかしく頬を染める。そんな二人に見飽きたのか、菜月が樹と天宮の手を掴み握らせた。
「あっ、おい菜月! 何するんだ!」
「そ、そうですよ菜月ちゃん」
少し赤かった顔がさらに赤く染まり菜月を見た。
「はぁ……、二人とも付き合っているならそれくらい普通でしょ? もう、早く行こう!」
そう言って菜月はもう片方の俺の手を取って歩き出してしまった。
「って、おい!」
「菜月ちゃん!」
「ほら! 行くよ!」
樹と天宮は顔を見合わせてクスッと笑った。
こんな初詣も悪くないな、と。
それから列に並んで参拝の順番を待っていた。
「お兄ちゃんは何か願うこと決めたの?」
「俺か? 俺はそうだな……内緒だ」
「なにそれ! ずるい! そうだ、真白さんは?」
「え? 私ですか? ……私も内緒です♪」
「もう二人して……」
しばらくして参拝の順番が回ってきた。
神社での参拝は二礼二拍手一礼となっている。三人は賽銭を入れ、二礼二拍手一礼をして願い事――いや、神様だ。頼み事といった方が適切だろう。
しばらくして終わった三人。
「やっぱり二人ともなにを言ったのか気になる」
そんな問いに樹と天宮は顔を見合わせてから菜月に向き直って答えた。
「「内緒だ(です)」」
「もう~!」
こうして神社で出ている屋台に寄っていき帰るのであった。
樹と天宮の手はしっかりと握られていた。
「もう妬けちゃうじゃない……」
菜月が小さく呟いたその声は、空へと溶けるように消えていくのであった。
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現在新作のラブコメを書いておりますので、気長にお待ちください!




