50話:デートの約束
更新遅れてすみません!
あれから数日が経過し今年も残り数日となった。
メッセージなどでやり取りはしているのだがお互いデートに誘う勇気がないのだ。
樹は現在どうやって天宮をデートに誘うか悩んでいた。
「どうしよう。付き合ってからとなると誘うのが思いのほか恥ずかしい……」
樹にとっては初めてできた彼女であり、天宮も同様で樹が初めての彼氏なのだ。
対する天宮はというと。
「樹くんと付き合うことはできたけど……で、デートしたいです……」
クッションに顔を埋める天宮であった。
どちらも初めての経験でありどうすれば良いかわからない。
「そうだ、いっそのこと思いきって真白に電話してみよう! 何とかなるだろう」
樹はスマホを手に取って天宮に電話をかけた。
天宮は手に持ったスマホが鳴ったことに気づき確認するとその相手は樹であった。
「い、樹くん!?」
スマホを落としそうになるも何とかキャッチして、画面に表示される応答のボタンをタッチして耳に当てて出るのだった。
樹は緊張しながらも天宮が通話に出るのを待っていた。
数秒して天宮が通話に出た。
『も、もしもし天宮です』
「もしもし。樹だ」
『は、はい。何でしょうか?』
まずは予定があるかを尋ねることに。
「……今年もあと少しだけど実家に戻る予定とかはあるのか?」
『いえ。その、私は前にも話した通り養子ですので、義父に「好きにしろ」と言われています』
樹は天宮の声のトーンが少し落ちたのに気づき、聞かなければ良かったと樹は後悔をし謝罪を口にした。
「ごめん」
『い、いえ! 樹くんが気にする事ではないですよ!』
「それでも、だ。ごめん」
『分かりました。その……何かありましたか?』
「そうだった」
樹は本来聞くはずだったことを尋ねた。
「真白さえよければだが、明日デートに行かないか?」
『ふぇっ!? で、デートですか!?』
予想外の理由に天宮は変な声を上げてしまう。
「嫌、だったか?」
『い、いえ! 嬉しいです! 私も誘おうとしていたので、その、緊張で……』
天宮の言葉に樹は内心で「真白も同じだったのか」と思った。
「ははっ」
『な、なんですか?』
「いや、真白も俺と同じで緊張していたんだなって思ってさ」
『樹さんも?』
「ああ。デートに誘うとか初めてだったからな」
『そうでしたか。ふふっ、一緒ですね』
だな、と返して二人は笑う。
そこから明日の予定を立てた二人。
『にしても一条さんと結花さんは行動力ありますね』
「本当だよ。正直凄いよ」
『はい。でも私は二人みたいには出来ない気がします』
一条と朝比奈みたいに積極的なのは恥ずかしい、と天宮は言う。
「別にいいんだよ」
『え?』
「俺達は俺たちなりに一歩ずつ、少しづつ前に進んで行けばいいんだ」
『そうですね。私たちなりに前に進めば良いと思います』
そうだ。一条と朝比奈の二人みたいじゃなくていい。樹と天宮、二人のペースで前に進めば良いのだから。
だって――まだ二人の物語は始まったばかりなのだから。
『面白い』『続きが気になる』『砂糖増加を!』って人は下の『評価ボタン』と『ブクマ』をお願いします。
作者の励みになります。
それと、諸事情により更新が遅くなる可能性がございます。
ご了承ください。




