42話:ショッピングモールで遭遇
昨日は更新おやすみしてました。
ショッピングモールを見て回る樹と一条。
一条は朝比奈に渡すクリスマスプレゼントには、ある程度の目星を付け終わったようだった。
「樹はどう? 何か目星は付いた?」
一条の問に樹は答える。
「大体だけど……元々クリスマスプレゼントはぬいぐるみを渡そうと思っていたところだったし」
「ぬ、ぬいぐるみか」
それを聞いた一条は、口元に手を当てて笑いを堪えていた。
「お、おい笑うなよ!? こっちは真剣なんだからな!?」
「わ、悪い悪い」
樹と一条の二人が見回っていると、何処からか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「まっしー、この服なんてどうかな?」
「とっても似合いますよ。ピンクのワンポイントが可愛らしいです♪」
「やっぱりこれ可愛いよね!」
「はい」
そんな会話が樹と一条の耳に入ってきた。
声が聞こえた方を振り返った二人。その視線の先には――聖女様もとい、天宮真白がいた。そしてもう一人は一条の彼女である朝比奈結花であった。
美少女の二人に、近くを歩く客の視線が集まる。
それもとびっきりの美少女だ。見なきゃ損てものだ。
天宮と朝比奈はそんな視線をものともせず、二人仲良くお洋服を見ていた。
二人の周りにお花畑がある幻覚が見えるようだった。
「なあ樹……」
「……どうした?」
「尊い」
「ああ、だな……」
一条の言葉に頷く樹。
「「尊い……」」
樹と一条の二人は同時に呟くのだった。
「まっしー、そろそろ次の場所に行く?」
「そうですね。行きましょうか」
店を出て移動する二人であったがその進路方向で、見知った二人の男性が幸せそうな表情で浄化されかけていた。
「あれ? つっちーじゃん」
「あ、桐生さんも」
浄化されかけていたのは樹と一条であった。
天宮と朝比奈は声をかけるか迷っていた。元々天宮と朝比奈は、互いに樹と一条に渡すクリスマスプレゼントを買いに来ていたのだから。
「また今度まっしーと二人で買いに来ればいっか。つっちーとつっきーと一緒に回ってれば何か欲しい物が見つかるかもしれないしね」
「そうですね。また二人で買いにきましょう」
決めた二人は樹と一条に声をかけた。
「やっほーつっちー☆」
「こんにちは桐生さん」
「「……はっ!?」」
その言葉で我に返った樹と一条は、慌てて口を開いた。
「や、やあ結花様。奇遇ですね?」
「ご、ご機嫌麗しゅう天宮様」
何故か変な返答をしてしまった一条と樹。そんな二人の返答に、天宮と朝比奈は頭上に疑問符を浮かべていた。
「い、いや何でもない。忘れてくれ」
訂正した樹に一条も隣でコクコクと頷いていた。
「は、はい。それで……桐生さんと一条さんはどうしてここに?」
「うんうん。私も気になったんだ~」
天宮と朝比奈の質問にビクッとする樹と一条。
「そ、それは……」
「実は二人で出かけるかってなってここに来たら、たまたま買い物をしていた二人を見つけてな」
言い訳が思いつかなかった樹のフォローをしてくれた一条に、樹はコソッと礼を伝えた。
「助かった」
「お互いバレたら不味いからね」
ニッとイケメンスマイルを浮かべる一条。
(い、イケメン過ぎる。俺が女だったら惚れていたな……)
「それで、これから予定とかあるの?」
「いや、特には無いかな。ブラブラしていただけだしね」
朝比奈の問いに答える一条。それを聞いた朝比奈はある提案をした。
「なら私とつっちー。まっしーと樹で別行動ってはどうかな?」
朝比奈は樹と天宮をくっ付けるために提案した。一条もそれが分かったのか、僕は結花の案に賛成するよ、と言ってこちらを見た。
「ならそうするか。天宮は?」
「わ、私も構いません」
天宮は顔を赤くして頷くのだった。
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