34話:冬到来
24日は文フリですね。皆さんは行きますか?
私は行こうと考えております。
それから月日が経ち十二月になったが、樹と天宮の関係は未だ平行線のままであった。
どうにかして二人をくっつけようとする一条と朝比奈は諦めかけていた。
朝の誰もいない教室で、一条と朝比奈の二人は計画を練っていた。色々考えていたのだがどれもダメそうであった。
「結花、もうクリスマスでいんじゃないか?」
「……そうだね」
「樹は俺が」
「まっしーには私から」
「「──その名も、ダブルデートにして上手く二人にして告白させる作戦!」」
息ピッタリにそう言った二人の目は本気であった。
樹と天宮の焦れったい関係を見ていられない二人は、限界となっていた。
学校では他人なのに帰りは仲良し。
話を聞くと手料理までよく食べているそうなのだ。
こんなのを見せられて、「焦れったい」と思わない方がおかしいだろう。
少しして教室に生徒が入りだしてきて、そこに天宮の姿があった。
朝比奈は一条に目配せで「任せて」と告げた。
「まっしーおはよう!」
「結花さんおはようございます」
席に着いた天宮に朝比奈は尋ねる。
「まっしーはクリスマス暇?」
その言葉に、クラス中の男子の会話が途切れ静寂となる。
「……はい。特には」
「そっかぁ~、彼氏とはいないの?」
「いませんよ」
朝比奈はさらに続ける。
「気になっている人は?」
そう天宮に尋ねた瞬間、教室の扉が開かれ樹が入ってきた。
クラス中の視線が樹に集まった。それは天宮も例外ではない。
「え? なんなの?」
何があったか理解出来ていない樹は教室を見渡し、天宮と一緒目が合った。
それに気づいた朝比奈は答えを聞こうと急かす。
「それで? まっしーどうなの?」
「い、いませんから」
若干だが頬を朱色に染めた天宮を見て、朝比奈は口角を釣り上げた。バレバレだ、と。
ふぅ……と男子からは安堵のため息が聞こえた。
「だからなんなの?」
何が何だか理解出来ていない樹に、一条が声を掛けた。
「おはよう樹。お前は気にするな」
「あ、ああ、おはよう。ならいいのだが……」
そのまま席に着いた樹。それかれ再びクラスが騒がしくなりいつもの教室へと戻り始めた。
「それでまっしー、クリスマス出かけない?」
「……え? 一条さんとでは?」
「いいから答えて!」
「え、えっと、大丈夫ですけど……」
「やった! そうだ! ちょっと飲み物買いに行こうよ!」
「え、でも授業が……」
「すぐだって」
そう言って天宮を連れ出した朝比奈は、教室を出て行く瞬間に一条へとウィンクをし、確認した一条は無言で頷いた。
「樹いいか?」
「どうした?」
「クリスマス暇か?」
「お前は朝比奈とだろ?」
「色々あってな。それで暇か?」
考えるも特にすることない樹は、一条に「暇だが?」と答えた。
「よっし! なら決定だな」
「何をするんだ?」
「出かけようと思ってな。いいだろ?」
「まあ、やる事もなかったし別に構わないよ」
「予定は任せとけ」
その、任せとけ、がどうしても不安に聞こえてしまう樹であった。
そして、戻ってきた朝比奈に一条は目配せで「勧誘成功」と送るのであった。
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今日書籍の出荷日で胃が……




