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〇〇したくないという抗いたくない考え  作者: ネコパンチ三世
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仕事をしたくない

朝日に照らされ目が覚める。

 鳥の声が聞こえ、天気もいい。

 横になったまま伸びをする、今まで眠っていた体が少しずつ動き出す。

 動き出した、脳が最初に考える事それは……「仕事に行きたくない」という事だ。


 毎朝それを考える、行かなければならないという事は頭ではわかっている。

 働かなければ、食費や家賃等の生活が成り立たなくなる。

 頭ではわかっていても心が叫んでいるのだ、仕事に行きたくないと。

 なぜ人は働くのか?そんな答えをいくら考えても出るわけがない。


 なぜ自分は働いているのか?なぜ……何故……NAZE……

 スーパー哲学タイムが始まる前に、考えることをやめた。 


 差し込む朝日がうっとおしく感じる。

 おい、すずめ……チュンチュンうるせえよ!

 布団の中で体をくねらせる……行きたくない、行きたくない……


 何とか犬の糞をリアルに踏んだような感情を引きずって体を起こす。

 足裏に弱電流が流れているようだ。だるい……


 朝の最初の関門それは朝食の準備である。

 ああ……朝昼晩とオートで食事が出てきた頃が懐かしい……帰りたいあの頃に……


 朝食を用意している内は頭に味の事など微塵もない。

 ただ腹を膨らませる物体を作っているだけだ、ヘリウムガスでも吸ったろか……

 ヘリウムガス系の朝食を体に押し込みながらテレビをつける。


 ……ろくなニュースがない。

 何故あさからこんなニュースを見なければならないのか。

 〇億円の不正受け取りだのなんだのと……額がでかすぎてどうにも響かない。

 欲しいなぁ……何億って大金。

 一生働いてももらえねえよこんな額。

 

 てかこいつらどんだけ金が欲しいんだよ?諭吉を食料にしてるってくらい金を使ってんのかね?

 ……何をとんちんかんな事を考えているのだろうか……なに言ってっか分からんし。


 朝食を食べ終えると片付けがある、めんどいなぁ……。

 食器を洗っている最中に泡が飛ぶ。服に着く。ああ皿をたたき割って走り出したい。


 片付けが終わると次は歯を磨き着替える、この辺りまでくるとなんかもうどうでもよくなる。

 そして、部屋を軽く片付けて扉の前に立つ。


 開けたくねえええええええええええええ!

 地獄に続く門を自ら開けなくてはならないという試練、おお神よ……。


 ドアノブにゆっくりと手を伸ばす、ひんやりとした感触が体の熱をすべて奪っていく。

 まじで?まじで、行くの?ほんとに?


 行きたくない……行きたくない……行きたくないんだああああああああああああ!



 そんな感情を捨てきれないままドアを開けた。



 通勤がだるすぎる……駅まで歩く間に100回は帰りたい衝動に駆られている。

 駅の改札にカードを当てる……なんで自分の番に限って読み取りエラー?ほら改札も行くなってさ。


 電車は一分ほど遅れてやって来た。

 「電車は一分遅れで到着いたします、ご迷惑をおかけして申し訳」

 なくないよ?大丈夫そんなに慌てないで?あんたがたはもう十分がんばってるよ。


 一分遅れで切れてる奴いたら歯茎にじゃがりこ刺され。馬鹿め。


 というか逆にそこまで気を使われるとなんか……やだなぁ。



 電車の中は、人、人、人。

 きっちいなあ、帰りたいなあ。

 おいおいそれはあなたのつり革じゃないよ……なんで無理に隣のつかむの……

 足を大股開きでシートにすわっちゃいけないよおじさん、あんたは香水強すぎだよ、鼻が曲がって取れちまうよ。


 電話でそんな大声出さなくても聞こえるってば~。


 電車を降りて会社に向かう、足が重くなって、お腹が痛くなってきた……。


 仕事場に到着、ああ神よ……


 とりあえず仕事を始める、上司に早速呼ばれる人気者は辛いよほんと。

 昨日の仕事についての文句が始まった、いやいやあんたがそう言ったからそうしたんでしょ。

 言ってないの一点張り一丁入りまーす、まじかいな。

 そんでもってすぐに最近の若い奴は……だまりゃあこのジジイが。

 

 やっと解放された……また仕事を始める、いやいやこれどう考えても終わらんでしょ。

 どう考えればこんな量を一人に任せられるんだ?数字じゃなくて人を見てください経営者の皆さん。


 やっとお昼だ……長かった……が安息はここにはない。

 

 食堂で大騒ぎすんなよ……アッ割り込んだなこいつ。

 マナーもへったくれもない、人はルールをまもって社会を作ってんでしょうが動物にだってルールがあるんだ、ルールを守れない奴はなぁ……動物以下じゃ!


 午後……眠い……ああ眠い……勝てねえこいつには……。


 定時になった、よし帰ろうか……な……?

 おいおいこっちくんなよ嘘だろおいおいお……


 目の間の仕事に呆然とする。

 残業をさも当然にさせんじゃねえっての、みんな残ってるからってお前帰んのかい!


 残業が終わり、家に帰る間の記憶は無い。


 布団に入ってまた考える、なんで働いてんのかな……?


 答えは出ない、もう答えを探すのが答えなのだろうか?


 そうこう考えていると眠ってしまった。


 そして来る朝。


 ドアの前で考える、なぜ働くのか?


 答えはやっぱりでない、あー仕事行きたくないな……。


 仕事に行きたくない感情は変わらない、でもいつか働いてきた意味が分かったら少しは変わるのだろうか?


 そんな感情と一ミリの期待を胸に今日も仕事に行く。
















 やっぱ行きたくないなぁ!おい!働きたくないわボケぇ!

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