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四十八章
次の日の夕方、彩夏と谷中銀座を散歩していたら、また谷中銀座のおばちゃんたちに掴まって、コロッケやらメンチカツやらさつま揚げやら唐揚げやらポテトサラダやら、店の売れ残りを山ほど頂いた。ありがたかった。親切が身に染みた。彩夏と谷中銀座の端まで行って、「占いの館 魔鈴」の前で止まった。けれども、そこにあるはずの「占いの館 魔鈴」はなかった。あるのは大正十一年創業の老舗、伊藤の飴屋さんだった。
僕は夢を見ていたのだろうか? 長い長い夢を……。夢ならば夢でいい。僕は最高に素敵な夢を見たのだから。
二十三章から二十六章までデータが失われたままにもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。データが復旧しだい投稿したいと思います。
この小説は2012年に書いたもので、文章的にも稚拙な部分が多々あり、今後も推敲し直したいと思っています。