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やわらかな気持ちーバレンタイン企画ー

他サイトより移動したものです。

加筆したかったですがしていません・・・


こちら伽羅兄の小話です。

「はぁ~っ」

目の前で肩を落とし大きなため息を吐く彼

「賢吾さん?」

どうしたのだろう・・・

何かあったのかな?

ここの料理美味しくなかったのかな?

・・・もしかして私といるのが・・・

「待て、早まるな。

勝手に憶測を進めるな、千明。

お前といるのがいやなワケじゃない。」

まるで私の心を読んでいるかのように慌てて口を開いた彼。

「いきなり青い顔しだしたら誰だってわかるよ。」

なんでわかったのだろうと軽く首を傾げれば、彼は少し困ったように微笑み答えた。

「ちょっと家に帰った後のことを考えてただけだよ。」

心配いらないよ。

まるでそう囁くように私の頭を撫でる彼

「・・・?」

彼の言葉の意図がわからず結局は不満となり彼をじぃーっと見つめた。

「・・・妹がな、「妹さん?

賢吾さんには妹さんがいるの?」

初めて聞いた彼の家族の話に私は興味津々に耳を傾けた。

「弟もいるよ。

そうだね、千明には話してなかったんだったね。」

苦笑いを浮かべる彼

その言葉に私は彼のことをまったく知らないことに気付いた。

が、今はそんなことをまったく気にせずに初めて聞く家族の話を彼に続きをせがんだ。

しかし

「たいしたことないよ。」

さらりっとかわされてしまった。

「で、生徒達に合格祈願でチョコをあげるのはいいけど「ちゃんとありますよ。」

もぅとちょっと拗ねたふうに言った。

「ほら、誰とは言わないけど忘れたとか言うオチがあったりしたからさぁ~」

ニヤニヤと私がほほを赤らめるのを楽しそうに見ている彼

「意地悪言う人にはあげません!!」

ぷぅ~と頬を膨らまし怒る仕草をしてみるものの彼はまったく気にしていない様子で表情を変えることはなかった。

「・・・はい。

初めて作ったから味は保証できませんけど」

そう言って彼の前に差し出した小さな包み箱

「作ったの?

千明が??」

彼の反応に怪訝そうに眉を潜め包み箱を持つ手を引っ込めようとした。

「たんまっ、悪かったよ。

それは俺用なんだろう?」

ニコニコと顔を綻ばせる彼

この表情を見てしまうと怒りたい気持ちが縮んでしまいこっちまでついつい顔が綻んでしまいそうになる。

「甘いのが苦手だといけないと思って普通のより少しだけビターにしてます。

ほら、賢吾さんもうランチタイム終わっちゃいますよ。」

腕時計に目をやり彼を急かした。

「少しぐらい大丈夫だよ。」

焦り出した私を余所にのんびりと食後のコーヒーを口に運ぶ彼

「ダメです。

それに私も今から授業なんです。」

持っていたバッグを持ち上げ言った。

「そうか、じゃぁ、途中まで一緒に行くか。」

私の言葉に納得した彼はチョコを開けようとしていた手を止め、よいっしょと腰をあげた。

「チョコの感想、後で教えて下さいね。」

彼の会社の前で私はそう言い、大学へと足を進めた。

ちょっとしたイタズラを思い出しながら口元が緩むのを我慢しながら・・・


★おまけ★


就業ベルがなったと同時に俺は会社から出てまず一人暮らしをしている自分のマンションに向かった。

そして、楽しみに昼間千明にもらった小さな包み箱を開けた。

そこには、ピンクのかわいらしい花柄のカードに千明の女の子らしい文字で『大好きだよ』と綴られていた。

「・・・会社で開けなくてよかった・・・・・」

はぁーっと千明の小さなイタズラすら愛おしく思えてきた。

「・・ったく、結構重症だな・・・」

千明が作ったトリュフを口に頬張りスーツから着替え実家に帰る準備をした。

「ただいま」

リビングに入るなり、母親が怪訝そうに無言で何かを訴えていた。

「なんだよ。」

何を言いたいかは毎回のことだわかっている。

だが、今年は違う・・・

かと、言って自分からそのことを言うつもりはなかった。

「なんでこんな日にまっすぐ帰ってくるの?

こんなにハンサムに産んであげたのに・・・」

はぁ~と大げさに息を吐く母親

「それは関係ないだろ?

・・・なんだよ、その山は・・・・」

キッチンの奥に見える大皿の上に山積みの黒い物体

「さっき、伽羅が帰ってきて3人にだって

今年は、ブラウニーに挑戦したそうよ。」

他人事のように楽しそうにケラケラ笑う母親

「・・・・まじかよ」

たったいま帰ってきた父親と顔を見合わせ加減の知らない妹に絶句した。


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