二度寝の夢こそ恐ろしい~本当にあった夢咄~
怖いですねーホラーですねー(白目)
これはある日の夜の出来事です。
時刻はちゃんと見ていなかったから、覚えていない。
お父さんと自分の家のリビングで、いつものような会話をしていた。その会話をしているうちに、ニコニコ動画に挙げられているホラーフラッシュ系の動画を見ることになった(これは多分実在する動画だった気がするが、動画の題名は覚えていない)。
内容は、複数本のアニメーション。
iPhoneで見ていた。
1本目は、アンパンマンのような姿をした薄暗いグレーの男と普通の人間の女の話。
アニメーションだったが、動きが妙にヌルヌルしているため、とても気色の悪いものだった。もっと詳しく内容を説明すると、アンパンマンのような姿をした男の顔が突然変形して、ぐちゃぐちゃした見た目になってしまい、人間の女を襲うという内容だ。思い出すだけでトラウマになってしまう。
以上の内容にあるように、元の外見がアンパンマンのような姿のため、最初はネタ動画に見えてしまう。これが更に怖く感じさせてしまうポイントなのだろう。
この一本目の動画を再生している途中で止めようかと思ったら、操作が全く効かなくなってしまった。再生停止も、ホームも、電源も、だ。
だが、動画だけは再生していて、指で上下に操作することだけは可能だった。
2本目は、大量の全く同じ姿をした少女が、ベルトコンベアで運ばれるだけ、というなんとも言えない奇妙な内容だった。
正直、こちらの方が恐ろしい。
私は耐えきれなくなり、二階の寝室に行く事にした。勿論、iPhoneはリビングに放置した。
流石に1人で行くのは恐かったし、お父さんになにか危害が合ったらと思うと恐ろしいため、2人で一緒に二階に行くとした。
階段を登ろうとして、玄関にきた。
何かがものすごい光を放っている。よく見たら、元々夜に置いてあった小さな5,6cm程の、可愛らしく、どこか奇妙さも感じるお面の表面が黄金に光っていた。二つのお団子結びの髪型をしていたお面の顔が、何故か計算機のような見た目になっていた。
もともと光るものではないし、元はちゃんと顔があるため、不思議で仕方がなかった。あまりにも気になったから触れてみた。
特に何も起こらなかったが、ただ、この光はお面自体が放っているものではないとわかった。お面を手で覆ってみると、その光が多少弱まっていた気がした。
…とすると一体、この光は何処から放たれているのだろう。
他にもいろいろ試してみたかったが、何処からか殺気がしたのでこれ以上搜索するのはやめにした。
階段を上っている最中は特に何も起こらず、異変は無かった。
二階についた。寝室に向かい、もう寝ようかと思った。寝たらこの現象は収まっているだろう、と。
寝室の窓際で、先程感じたさっきの正体がわかったため、慌ててふすまをあけ、寝室で寝ていたはずのお母さんをみた。
そしたら、お母さんはちゃんと普通に寝ていたので安心しそうになったが、掛け布団をどかしたらなんと、お母さんの首元には直径約5ミリ程の血だらけの縄がグルグルと巻かれていた。
「お母さん、大丈夫!?…もしかして、殺されそうになったの!!?」
「大丈夫だよ……」
「よかった……私達が来たから、殺すのをやめたとか…?」
「多分そうだと思う…ありがとう」
私は恐ろし過ぎて、汗も涙も出てこなかった。
本当に、本当によかった。全員生きていて―――――
目が覚めた。何だ、夢だったのか。
私は少しほっとしたが、もしこれが正夢だったとしたら、私の近くに幽霊がいるのかも…と思って、しばらく動けなかった。
その後、なんとか駆け足で階段を降りて、一階にいる母親の姿を確認した。
やっぱり夢だった。夢でよかった…本当に、本当に夢でよかった、そう思っているうちに、じわじわと涙が零れ落ちていった。
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