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勇敢な追跡者の物語  作者: tori
王都編
35/88

ノーラスの歴史紹介 前編

今回はノーラスの歴史をご紹介したいと思います。前編と後編にわけてお話しする予定です。

今回は趣向を少し変えてノーラスの歴史についてお話しましょう。

ノーラス大陸は南北アメリカ大陸を合わせたくらいの大きさがあります。地形もよく似ています。南北に大きな陸塊があり、狭い地峡によって結ばれているのです。


実はこの大陸、昔は亜人の大陸だったのです。エルフやウッドエルフ、ドワーフたちが住んでいました。本編に出てきたオークやリュロスといった魔獣たちは亜人と召喚された魔獣が交配した結果生まれたのです。

この亜人の大陸に人間がやって来たのは四千年前のことです。ではどこからやって来たのかというと、ノーラスよりはるかに大きな東にある大陸からでした。

最初に移住した人たちは亜人たちと友好関係を保ちながら、やがてカザルスという王国を作りました。カザルスはエルフの文化や学問を取り入れて次第に繁栄していきました。都にはエルフをはじめ多くの亜人たちが住んでいたと言われています。


ところが二千年くらい前にカザルスの富に目を付けた東の大陸の海賊たちが盛んに沿岸を荒らすようになりました。カザルスの人々は平和を愛好する民だったので治安を維持できる程度の軍事力しかなかったのです。

海賊たちは沿岸に拠点を築くと、どんどん内陸部に攻め入りました。カザルスの都が陥落したのは今から千六百年前のことでした。


海賊たちはノーラスの各地に国を建てました。やがてその国々が争うようになり、平和な大陸はたちまち戦乱の地となりました。彼らは亜人たちを捕らえて、奴隷にし東の大陸に売りました。もちろん亜人たちも抵抗しました。特にエルフには偉大な魔導師たちがたくさんいたのです。しかし彼らの魔法も数の前には無力でした。野蛮人たちはいくら魔法で焼かれようが、雷に打たれようが、侵略をあきらめませんでした。エルフたちは人間との戦いに疲れ果て、大陸の奥地へと去って行きました。残った亜人たちは人間の支配を受け入れざるを得ませんでした。彼らは奴隷や下層市民として人間社会の中に溶け込んでいきます。本編にでてきたウッドエルフのララノアたちはその子孫なのです。

戦乱は二百年間続き小国が興亡を繰り返しました。この時代にエルフの偉大な知識や建造物、工芸品の大半が失われました。夏美さんがアマイモンを倒したエルフの廃墟もそういったものの一つです。


しかし、海賊たちの王朝が乱立した時代も長くは続きませんでした。

東からさらに強力な侵略者がやってきたからです。今から千四百年前、東の大陸の中央部にエンガイアという大帝国が誕生しました。このエンガイア帝国の西の辺境アンダス地方にダレルという傭兵がいました。この男は野心家でした。そしてその野心を実現させるだけの知恵と胆力も持っていました。彼はアンダスの総督から船と兵士を借りることに成功し、海の向こうのノーラスに遠征しました。ダレルは二十年かけて海賊の建てた諸王国を打ち破り、ノーラスの平定に成功します。

彼はこの功績により、エンガイアの皇帝からノーラスの総督に任命されます。ダレルが総督に就任して数年後、エンガイア帝国は後継者を巡る争いを発端に分裂します。もはやノーラスのような辺境のさらに向こうの土地のことに関心を持つものは居なくなりました。

ダレルはこの機会を逃さず王を名乗りました。ノーラス古王国の誕生です。


随分長くなりましたので今回はこの辺りまでにしておきます。


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