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[春は出会いの季節]  作者: ラティオ
2/7

出会い

プロローグの後、ついに本編に入っていきます。

先日、自己紹介に預かりました恋愛未経験・関 春菜です。

悩みは低身長で、本棚が高いということが私のストレスに当たります。


前回にも紹介したとおり、趣味は読書であり、学校のない時間や休み時間は必ず図書館に顔を出している物好きです。


しかしながら、好きな本のジャンルは恋愛小説だけど、別に拘ってそれだけを読んでいる訳でもなく、多種多様に様々な種類の本を毎日読みふけっています。

いわゆる読書オタクです。

そんな私の休日と言えばやっぱり図書館で読書な訳でして、今日も高い棚と格闘しています。


(くっ!届かない!)


私は現在、目当ての本が目の前にあるというのに、本棚が高すぎて手が届かないという低身長特有の残念な状況下にあります。

精一杯に手を伸ばしても、指先が本の末端に届く程度。

とてもじゃないが取れるわけがない。


いつものように踏み台があれば余裕で届く高さなのだが、生憎、隣の棚にいる小さな子供が踏み台を使用中。

小さな子供を押しのけてまで、私は本を欲しようとは思わない。

…思わない、思わないよ(大事だから二度言いm


「…。」


少し待てばいいだけの話。

そう思って待っていたのだが、どうにも子供は本を探す所から初めて居るようで、中々本を見つけられない様子。

本来なら検索機で本の場所を見つけてから本を探すものなのだが、どうやらこの子供は検索機を使っていないようだ。

付近に保護者も居ない。


(今時の小学生でも、保護者なしで検索機は使えないのか。)


「ね、何の本を探しているの?一緒に探してあげるよ。」

私は待ちくたびれて子供に声をかける。

子供はきょとんとした顔をして、首を横に振る。


「ううん、大丈夫。読みたい本を探しているだけ。」

「そっか。良い本が見つかるといいね。」

必要ないと言われればそれまでで、私は再び待つことにした。



30分後。

無駄な抵抗かと言いたくなる程に、子供の探索時間は長かった。


(こうなったら従業員さん呼ぼうかな。)


あんまり人の手を借りる事が好きでない私にとって、従業員さんを呼ぶのには気が引けた。

しかし、このままだと後一時間でも余裕で立ち読みをするはめになりそうな気がしてならなかった。


もう一回目当ての本に手を伸ばしてみる。

やはり、届かない。

私は諦めの決心をした。


(仕方ないか。)


その場を離れようとして、もう一度子供の方を見る。

まだ頑張って本を探している。

ある意味微笑ましいその様子は、私にとっては癒し系でもあった。

それでも、目の前の本に対する欲望に耐えかねて、私はその場を離れようとする。


と、その時。

目の前にやたら体格のいい男性に邪魔された。


「わっ」

「おっと、悪い。」


肩がぶつかり、私は握っていた検索チケットを落としてしまう。

男性はすかさず拾ってくれた。


「はい、落としたよ。」

「ありがとうございます。」


私はお礼を言い、再びその場を離れようとする。


「あれ、その本ここだよね?探していたんじゃないの?」

「え?」


男性が検索チケットを見たのは一瞬である。

その一瞬で本の場所を理解した?

私は素直に驚いた。


余程の図書館通いか、または従業員さんでもない限り、本の位置把握など、出来ている筈もない。


「…ね、チケット見せて?」

「あ、はい。」


驚いたあまりに反射的にチケットを手渡す。

男性は、今度はじっくりチケットを見て、何の躊躇もなしに本棚に手を掛ける。

そして、私の目当ての本を手に取った。


「捜し物は、これ?」

「そ、そうです!」


手渡された本をすかさず受け取る。

嬉しさで一杯だった。


心の中ではまさに絶頂と言える叫び声が駆け巡る。

しかし、あくまで心の中の話。


「届かなかったので助かりました。ありがとうございます。」

「いいよ、たまたまだし。」


現実の私は男性に丁寧にお礼を言う。

しかし、その男性は自分の欲しい本をさっさと手にとって直ぐにカウンターへと行ってしまった。


(素早い人だなぁ。また会えないかな。)


本を見つけるスピードや、チケットを見る際の動体視力は人並み以上(言いすぎ)だと思えた。

その手際の良さが、私の中では非常に興味の沸く人物であったのには間違いない。


私はこの日、本の中の恋愛などではなく、初めて現実の人に興味を示した。



はい、第1話、どうでしたでしょうか?

ここは直したほうがいい、と思う部分などは随時受け付けていますコメント欄からお願いいたします。

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