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ト或ル、少女ノ之迄ノ人生。

んと、半分はウソですが、半分は事実を書いてますが・・・。


好きな小説家バレそうだな。

 昔々、ある日本海沿いの小さな町に一人の女の子が居ました。

 引っ込み思案で内向的でしたが、目立ちませんでしたが、普通の女の子でした。

 保育所のころは、よく入院していましたし、季節の変わり目や冬に風邪を引いていました。

 どこにでも居るような女の子でした。

 若干、小柄で目つきの鋭い女の子でしたが、心優しい少女です。



 ……ただ、彼女は、人には見えない存在が見えていたのです。

 ――例えば、昔死亡事故のあった電柱にぐちゃぐちゃに血まみれの女性を見たり。

 ――例えば、許されない恋をした二人が仲睦まじく利用していた図書館で半透明の男女を見たり。

 ――例えば、見えない誰かと「きゃっきゃっ」と遊んでいたり。

 それは、幽霊と言うものでしょう。

 人が人の世に此岸しがんに残した想いの成れの果てをそう呼ぶのなら。

 でも、少女はそれを小学生になって以降は誰にも言いませんでした。

 もちろん、見えなくなったわけではありません。

 親しくなった自然霊……九十九神や精霊に属する彼らからの忠告があったからです。

 ――『人はね、『違う』と言うことにとても、とても、残酷だ。』

 だから、誰にも言わなかったのです。

 それでも、人に見えない彼らは少女には、良き隣人でした。

 彼らにとっても、少女は大切な存在でした。

 誰かに認識してもらえて、そして、名前を呼んで貰えることが嬉しかったのです。

 ……だけど、やはりと言うべきでしょうか、彼らと少女の“認識”はずれていたのです。

 その認識の差ゆえに。







 少女が、小学校四年生になったある連休のことです。

 東京の伯父の家に泊まりに行った時のことです。

 ニ十三区内と言っても、ハズレの方でそれでも、昔は暴走族が騒がしかった地域です。

 今は、静かなもので、近くのコンビニに少女一人で行けるような地域なのです。

 何があったかは、語るは冗長でしょう。

 ただ、必要なのは、少女のこの晩、『マサキ』と名乗る年上の少年の幽霊と出会ったことだけ。

 少女は、自分が知らなかったことを彼からたくさん聞きました。

 それはとても、新鮮で……とてもとても楽しい日々でした。

 だけど、それは長くは持ちません。

 少女は『生者』で、マサキは『死者』なのです。

 段々と、生気を蝕まれ少女は寝付くようになりました。

 少女と親しい自然霊には、人には原因不明のそれも、原因がわかります。

 そう、です、私達は()()()のです。

 あくまでも、大切な少女の為に。

 彼らは、選んだのです。

 『なんでなんでよ、すず』 

 少女は、慟哭します。

 もう、マサキが帰らないことを解ってしまっていたから。 彼に対する気持ちには、名前どころか葉っぱさえ付いていない状態でした。

 かすかに芽吹きかけていた、というところです。

 もしも、もしもはないでしょうが、彼が存在していて。

 存在していて、少女が思春期を迎えていれば、それが『恋』になったかもしれません。

 それは、もう無いことですが、望むべく無いことですが、少女が嘆き悲しむ姿は、とても、自然霊の彼らに突き刺さりました。

 本来は、此処まで干渉しますのは約定に抵触しますが、彼らは少女の記憶を封じました。

 彼らとしても、あの嬉しそうな笑顔の記憶を消してしまうのは、出来なかったからです。

 


 それからの十年。

 少女は、女性になりました。

 地元の中学高校と進み、大学を名古屋の商業大学に進みました。

 出会いと別れもありましたが、ごく普通の女性です。

 人並みに男性との付き合いもありましたし、若干、腐女子から貴腐人にクラスチェンジしそうなところはありましたが。

時折、現金以外の対価で、霊視やそれに付属する除霊や浄霊を行ってはいましたが。

叔父が行方不明で遺産を受け継いだのも居なくはないでしょう?

 対価と言っても、ちょっと高めのマニアックな本や、食事やお菓子程度のものです。

 ええ、あの博物誌漫画の少年のような感じです。

そんな時です、ね。

少女が思い出したのは、少女を慕う彼らが、少女が慕ったマサキを抹殺したことを。

 ―『好き嫌いを100でどうにか出来る訳じゃない』

 ―『憎いし、だけど、好き。割り切れれば良かったのに。』

 ある意味で、彼らと少女の関係は変わりました。

 自身に扱えなくとも、家系であり、そっちで対価を得ているだけあって、自身に掛けられたら術がどういうものかを解っていたのでしょう。

 決して、彼らに解く気が無く、少女自身で解けないモノであったと言うことを。

 その頃に出会った東海林真幸しょうじ・まさきの影響もあったのでしょう。

 もしも、『マサキ』が死なずに数年歳を重ねていれば、あの青年のようになっていたようなそんな青年でした、真幸は。

 何を気に入ったのか、少女曰く、『あー、可愛げの無いのに口説いてくる。可愛いだけなら、茉希江のほうが女の子らしいとは思うんだが。』

 茶髪にゆるふわウェーブ、ピンクなどの淡色ミニスカワンピが、モテ女子と言うならば、真逆でしょう。

ドラム缶とは行きませんが、服の上からだと起伏に乏しい身体であり、女性らしい装いに興味のないので、控えめに言って、線の細い青年と言っても良いでしょう。

茉希江さんが高校時代に言ってた表現で言うなら、「部活が演劇部で、ボーイッシュなら、イトサンっぽい」と言うことでしょうね。

結果だけ、言うならば、その東海林真幸とは悲恋に終わりました。

 ラブコールを受けている間に、その前から付き合って居た遠恋の男性と別れ、しばらくした後に交通事故であっさり。

ちょうど、彼の影響で、『マサキ』を思い出してすぐのことでした。

 それからの彼女は死なないように生きているだけであったでしょう。

 夜科拓斗よるしなたくと求愛アタックもすり抜けるばかりです。




 恋愛からは程遠く、世捨て人には程近く。 

ただ、彼女はこうやって生きてきて。

ただ、こうやって生きていくのでしょう。




時折、私を昔と変わらす、『すず』と呼びながら。


途中で言い間違えしたのは、作者としてはともかく、すずとしては、未だに後悔してる故です。



とりあえず、書き掛けがあるので、次もこのシリーズです。

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