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紹介代わりのとある日常

一応、実在の場所をメイン舞台にしましたし、主人公含め私や周りのメンツをモデルにしてますが、別人です。


 


 私は、佐伯雪乃さえきゆきの

 アラサーの領域に達している彼氏居ない歴と年齢が一緒のどこにでもいる大卒。

 まぁ、アルバイトとコラムとかエッセイの稿料、叔父の遺産で食いつないでる辺りは普通ではないかもしれないが。

 髪も最低限の手入れはしているが、元々若干黒っぽくないせいもあって、染めたように見える渋皮色の髪は嫌いじゃない。

 客観的に見て、顔を含めて可愛くないと分類しても、だ。

 いわゆる、三白眼と言うのか、メンチを切っているような眼やスレンダーな体格を含めて、「可愛い」或いは「綺麗」とは、縁遠い。

 身長も、一般女性にしては、と冠がつくけれど高いほうではある・・・ただし、とても、運動は苦手だ。

 これで、運動ができているのなら、『お姉さま』候補辺りになるんだろうが。

残念ながら、運動音痴だ。

 私は今、叔父の遺産の一つである愛知県の名古屋、その多須観音の仁王通りと裏門前町通りが交差する辺りの四階建ての雑居ビル三階に住んでいる。

 近所に若者が好みそうな安価なパワーストーンの店が、二件ほどあったりする辺り・・・と言えばわかる人には、分かるだろう。

 片方の『クレピュスキュール』は、戦前から前身の店があるぐらいに古い店だ。

 若者向けの既製品で安価アクセからオーダーメイドまで、扱う店。

 名前どおりに、『昼と夜』の狭間の店だ。

 母方の叔父の一人・篠宮龍雄しのみやたつおが、同じビルの一階の喫茶店『キャサリン』のオ-ナーである高橋光太郎に大きな恩を売ったとかで、私が五十歳になるまでの四十年分の家賃がタダなのだ。

 ちなみに、叔父は霊能探偵とかいうものをやっていた。

 住居にしている三階の下の階の二階で。

 実家がイヤで逃げ出したくせに、それに近い仕事をやってた辺り謎だ。

 依頼される→調べる→依頼人に報告→どうするかを相談って感じだったらしいから、『探偵』を名乗っていたらしい。

 まぁ、免許ナシだし、基本的に依頼は紹介制だったから、そんなに依頼は多くなかったし、自演もやっていたとは聞いたことがある。

 十年ほど前に、その関係の仕事で帰らなくて、遺体も見つかっていない。

 七年の失踪宣告云々で、数年前に葬式はあげた。

 一応の覚悟はしていたのだろう、高橋さんに遺言書を預けていてその関係で、此処は私の名義になってるし、そこそこの金も貰ったなどの事情もあり、大学卒業後もこっちに留まることにした。

 友人のマキエもであるけど、私も元々は北陸北国の生まれだ。

寒さでは東北に譲るが、新潟と並び称されるぐらいには雪が降る地方の小さな町が出身地だ。

成績は、県下の普通科ありの高校の職業科に辛うじて進学できて、最終的に中の下から中の上辺りをうろちょろしていたぐらい。

偉大な先達のおかげで、指定校推薦を貰って名古屋の商科大に進んだ。

マキエも成績が多少下で素行がアレだった以外は同じく、ってトコ。

 そんな私の1日を紹介しようか。





   紹介代わりのとある日常。





 七時過ぎ、住居部分の三階の寝室で目を覚ます。

 学生時代のジャージでこそないが、ユニクロやその辺の店で上下セット千円とかのTシャツとパンツのパジャマにしてるんだ。

 うん、色気もくそも無いのは認めよう。

 ちなみに、住居部分はおおざっぱに言えば、「円」の形をしている。

 上の四角二つのうち右側が、ぷち廊下と三畳程度のクローゼットがくっついた十畳以上ある和室。

 左側の四角が、トイレと風呂に隣接した書庫兼倉庫になってる。

 下の四角部分が、所謂、リビングダイニングで和室と書庫から見て右側に台所がある。

 そんな造り。

 「円」を構成している線が、出窓だったり廊下だったりするつくりだ。

 和室の畳に、ほとんど木のベンチと言うか、長椅子寝椅子なベッドに布団を敷く形で寝ている。

 年上の同級生だった真幸から貰った一式で少なくとも、今のようにそれなりの収入があっても買うのは、控えめに言って躊躇するランクの布団であった。

 基本的に余り、モノに執着しないタチもあって本と商売道具以外の人間用雑貨は多くない。

 近くの古道具屋で買った文机と幅広な和風箪笥、後はケータイ充電器とスタンドライトを置くモダンな台ぐらいだ。

 まぁ、そこかしこに本は置いてあるけど。

 同衾こそしないが、山伏姿のお稲荷様の友人である霧雨きさめが入っているぬいぐるみも含めて、ぬいぐるみ・人形の類が知り合いでもドン引きする勢いで置いてある。

 預かった物も含めて、だ、弁解するならば。

 ・・・つまりは、中身入りということになる。

 とりあえず、起き出したら、湯沸かし器に水を入れ放置。

 その間に、着替えと洗顔だ。

 ほとんど何か無い限り、シンプルブラウスにパンツスーツの下パンツ、柄入りベストな感じだし迷うほどでもない。

 粉末のミルクコーヒーを飲んだら、散歩がてら近所を散策。

 ちなみに、下の喫茶店のコーヒーを飲んでから、ブラックでインスタントは飲まなくなった。

 愛飲している『dandy』と言うブランドのブラックも牛乳を少したらして飲むぐらいだし。

 近所・・・徒歩十分圏内だ・・・八百屋の方まで足を伸ばすと、つい、キャベツとトマトが瑞々しくて買ってしまった。

 夜、と言うか、晩酌に塩辛とチーズ合わせて、オーブンで焼くか。

 そのまま、一階の『キャサリン』に行く。

 いつも通り、コーヒーのモーニングを頼む。

 此処のは、トーストとゆで卵、サラダのモーニング。

 名古屋だと、最低限よりやや上程度のそれになる。

 ドリンク代+20円~50円で、ホットサンドや小倉トーストにしてくれる。

 今日は、ピザトーストにした。

 市販のピザソースとケチャップにサラミとピーマンスライス、たっぷりチーズと黒胡椒のシンプルな仕上がりだ。

 ちなみに此処のケチャップは、手作りだったりする辺り、マスターの道楽だろう。

 もちろん、四枚ぎりの厚切りで食べ応えも相応だ。

 ついでに、持ち帰りで関西風玉子サンドとBLTサンドを注文する。 今日は、コラムとかの方を片付けるから、昼飯用にだ。

 下手しなくとも、此処で買っとかないと抜くことになるだろうし?

 夕方には、一旦、夕飯兼ねて買い物には出る予定だ。

 何せ、しばらく、家を空けていてロクなモノがない。

 ついでに言うなら、旅行前の約一週間前にバイトもクビになってる。

 いや、つい、セクハラ店長殴っちゃって。

 そういや、定食屋・安曇庵でバイト募集してたっけ、まだしてるなら行くかな。

「おまちどうさま、雪乃ちゃん」

「うん、ありがとう、マスター。」

マスターに礼を言って、セットを受け取る。

 四つ切になってるそれは、とても良い匂いでものすごく好きだ。

 卵サンドとBLTサンドは、後かららしい。

 ちなみに、此処の持ち帰りと店で食べる場合、切り方もだけどマスタードが粒か練りか違ったりする。

 ついでに言うなら、玉子焼きサンドの玉子が半熟気味か堅焼きか、とか。

 どちらかと言えばになるけど、卵焼きサンドはタルタル状なら半熟が正義だが、焼きの場合は半熟が好きだ。

 その後は、二階の事務所に行って、ひたすら、コラムなりエッセイの書き溜めを行なった。

 『探偵』の依頼が無くとも、一応、いつ来るか解らないというのもあって家にいる時の昼間は、大概事務所に詰めている。

 バイトや依頼に出てる時は、その旨を書いて張り紙をすることにして。

 ついでに、大家でもあるマスターにも言付けていく。

 ・・・・・・一定数の狂のつく宗教家とか○チとかいないかって?

 いる、私なんかが祓っても、心まで侵されちゃってるのがたまに。

 呼ばれるのか、引き寄せられるのか、たまに来る。

 その場合は、大概、トラブルになるから、多須観音のすぐ側にある交番までダッシュで全力疾走。

 だから、身長のこともあるけど、ヒールのある靴は好まない。

 かつ、ミュールのようなストラップのある靴も、走りやすさ優先で好まない。

 一キロは大袈裟だけど、結構距離あるからヤバイ。

 主に心臓が。

 だけど、大体、刃物か獲物持ってるから、ヤバイ。

 主に世間体が。

 どういう事情か知らんけど、警察は一応、理解というか同情はくれるけど、ご近所さんが。

 だから、うちの事務所、出入り口が鉄板入りでスリガラス部分も、ワイヤー入りかつ、強化ガラスになってる。

 一応、裏階段もあるけど、そっちの方はアスラン・・・エサをたかりに来るトラネコ・・・以外使わせないようにしてるわけだ。

 もしくは、ゴミ捨て以外。

とりあえず、時折コーヒー牛乳を冷蔵庫から取ってくるのとトイレに昼ご飯以外は、立たないで、書き溜め分も含めて 、30本以上のコラムやエッセイを書いてしまう。

姫月薫子きづきかおるこ』か、『皇樹すめらぎ辰夜ときや』と言う名前でだ。

メインターゲットが若年層や女性ならば、『姫月』で、男性ならば『皇樹』でだ。

 文章が似てるから、同一人物じゃね?とは言われてるが、覆面作家にしてる。

 たまに、インタビュなんかもうけるけど、顔出したりされたら、拓真に連絡して抹殺してもらうことになるね。

 拓真と言うのは、HかKかCのつくパソコンオタクで、フルネームは夜科拓真よるしなたくまと言う。

 小学校中学校の同級生で、中学二年の時に名古屋へ転校して行った友人である。

 基本的に、時事ネタの依頼は知り合いの拓真のお父さんからか彼の仲介でしか受けないことにしてるし、普段の文章から『私』を連想するのはいない・・・と思いたい。

 そんなこんなで、書き溜める。

 五時間ほど前に食べたサンドイッチも程良く消化されてる頃合いになった頃、日が暮れた。

あた卯辺りで食べて、コンビニでなんか買ってくるかな。

あ~、天使の庭園、しばらく行ってないし、ついでに大洋堂も寄るかな、あのマンガ発売されてるし。

そんなことを考え始めたなら、今日の分は終わる。

 元々、雑誌に合わせた代わり映えのしない時期ネタ・・・ハロウィンとかそういうのを想像してもらえればいいだろう・・・だけだし。

 或いは、時節に合わせた行事系以外のネタ・・・その季節ごろに咲く花とか・・・だから、そんなには季節に左右されない。

営業時間の関係上、先に、天使の庭園・・・スーパードールズ、所謂、SDと呼ばれる人形のショップから見ることにした。

ちなみに、人形本体はオーダーメイドか、コプセントメイドになるし、相応に値段もする。

 服も人間が着るのと遜色ない値段だ。

『初○ミク』とか『○イバー』とかのがコプセントメイド、そう言うセットで売ってる奴って言うのかな、何年か前に、『らいおんはーと』の制服だけ売り出して、「オーダーメイドで自分だけのひめにゃんを作ろう」みたいなこともしたみたい。

オーダーメイドも、ひとつひとつ選ぶフルカスタムなら結構、イメージに近づけられるし?

 テンプレカスタムってのもあるみたいだ。

 『清楚な穏やか娘』『快活体育会系娘』とかそういうのが、テンプレカスタム。

 うちにも、諸事情でSDサイズ一人、SD13が一人、SD13boyが一人、MSDと幼MSDが二人づつ、SD17の男女が一組、他社のでSD相当が一人と、計十人の割と大所帯だ。

ちなみに、自分の意志で買ったのはSD17の二人だけなのは名言しておく。

 わざわざそういうイベントに、行ってゲットした二人なのだ。

他は、色々あって買わざるえなかったり、引き取った子だ。

まぁ、妄執歴女と内向的厨二病恐るべし、ってとこ。

 というか、他の誰かと同じに見られて病まない子の方が多いんだけど、薔薇乙女系は本当、地雷だ。

体質的に子どもが難しい私にとって、中身がなくとも我が子に近い子達だ。

・・・食がかからない分じゃないけど、月々生活費と決めた額の半分は彼らの服に費やされる。

 と言っても、一人二着ぐらいだけども。

 今日も、懇意にしてるハンドメイド作家さんの新作は元より、メーカーメイドの新作も出たらしいからそれも見たい。

 名古屋のショップは、「天使の庭園」と某連邦の白い悪魔だったか、そういう男子系オタク趣味と一緒になってる。

ええと、とりあえず、音声のみ記す。

「いゃん、niki様のドレス2パタン!買いね!」

「きゃぁ~ん、スチームパンクなboyって珍しいわ~」

「うっそ~、SD17boyとSD13で、コプセント衣装!?」

「千鶴ちゃんとやっぱり、斎藤さんよね!」

「うっそん、薔薇乙女モデルのSDサイズ一人掛けソファ、うにゅ~。

 え?入荷待ちになるんの?予約可能でしょうか、お姉さん!!」

「しかも、MSDサイズで二人掛けの薔薇乙女スタイルのも発売?」

等々、そんな感じである。

 ・・・引かれるのはわかってる。

 けど、何というか、親バカのヒドいのと思って貰ってもいい。

私は、体質的に子どもが出来にくい、そして、無事に生んで育てれる率が異常に低いんだ。

煙草も酒も嗜む程度、 むしろ、カフェイン中毒を心配した方がよほど有意義なぐらいに、コーヒーと紅茶を好む。

作るのが手間なミルクゼリーとコーヒー(紅茶ゼリー)の二層ゼリーを最低で週一回は作るし、コーヒーを1日、最低2リットルは(dandyと言うブランドの無糖1リットルを二本は)飲むから、まぁ、推して知るべし。

 話はズレたが、とりあえず、そう不健康な生活はあまりしていないのだが、子どもは出来にくいわ、相手を作るアテはないわで、人形達が我が子に近い。  

 ・・・例え、中身がワケアリだとしても、可愛い子だ。

 そんなこんなで、買い物を終わった後、軽く本を見てあた卯で夕食にした。

 カツどんとみそ汁という色気もくそも無い夕食だけど、自炊じゃないならこんなもんだ。

 ちょっと戻って、エイトトェルヴってコンビニでおつまみを買う。

 ついでにあんころ餅も二つ買う。結構、好きなのだ。

 最近のコンビニスィーツも、中々に侮れない。

 その帰り道・・・行きは、反対側の道を使ったせいか気づかなかったが、小さな子どもがいた。

 黄色い帽子に黒い髪に、水色のスモッグ、短パンに小さなスニーカー。

 園児だとしても、小さいから四歳か其処からかもしれない。

 ・・・?夕方の五時ぐらいに出て、いろいろ寄った後だから、七時過ぎじゃないかって?

 うん、もうすぐ、七時半だ。

 そして、その子が半透明でなければ、警察に引き渡しているところだ。

 つまりは、幽霊なわけだ、その子。

 ・・・・・・そういえば、あた卯で若い店員がなんか話してたっけ。

 事故で、親子が巻き込まれて、親は助かったけど子どもが死んだって。

 『おねえさん、ぼくのことみえるの?』

 「・・・・・・」

 『むししないでよう。』

 「(・・・帰ってきて早々、これって)

  しょうがない、話は聞くから、おとなしくしてなさいね。」

 私は、その園児を抱え上げた。

条件付ではあるけど、触れるのだ、幽霊・・・肉体を持たないもの・・・に触れる。

 小さい頃から、下手すれば家族よりも近い隣人だった彼らに触りたかったから、戦闘しない・害意を持って触らないぐらいの条件で触れるように努力をしたのだ。

 まぁ、人から見れば、何もいないところで誰かを抱っこしているかのように、腕を曲げているようには見えるだろう。

 夜でなければまずしないが。

「・・・・・・相変わらず、君は優しいね。」

「・・・・・・変わらずに、君は甘いわね。」

 途中で、後ろから声を掛けられた。

 知り合いの双子だ、男女の違いとメインカラーが違うせいか、見分けやすいが、『○イニング』の双子並みにそっくりな変人双子だ。

 前に、シャレで同じウィッグに仮面、服も揃えた写真を見せて貰ったことがあるが、悪夢な位にそっくりだった。

 『優しい』と言ったのは、男のほう。

 弟にあたり、白茶に近い淡い色合いのふわふわの髪を肩辺りで切った髪型で、黒地に白でアゲハチョウの書かれた鼻から上を隠す仮面、白と灰色の執事のお仕着せっぽい服装の二十歳ぐらいの社交的な奴。

 『甘い』と言ったのは、女のほう。

 姉にあたり、射干玉ぬばたまのサラサラロングヘアに、白地に黒でアゲハチョウの描かれた仮面と白いブラウスに脇に柄が入ってるものの黒いベストと踝丈のロングスカートと言う同じく二十歳ぐらいの無口で皮肉屋な奴。

 男が、珀陽はくよう

 女が、琥月こつきと言う名前だ。

 【クレピュスキュール】の若き店主達・・・正確には、そういう触れ込みの隣人だ。

 詳しくは、別途話すことにしよう。

 多分、今は今立っている場所のすぐ側にある栖垣屋すがきやから出てきたのだろうね、二人とも好きだから。

「ふふ、短時間で変われないからこその人間だよ。

 そして、子どもに甘いのは今に始まっちゃ事じゃない。」

「君は、それでいいね。」

「君は、それがいいわ。」

「明後日にでも、新しいブレスを取りに来てください。」

「明後日までに、新しいブレスを作っておくから来て欲しいわ。」

 それだけ言うと、二人は去っていく。

 ホント、多少奇矯な事を除けば、人間みたい・・・・・だ。

『あのおねえちゃんたち、こわかった。』

「大丈夫大丈夫、何もしなければ、あの二人も何もしないから。」

『なの?』

「うん、なの。」

 そんなこんなで、私は園児を抱えたまま、事務所として使っている二階のほうへ入る。

 応接セットのソファにその子を座らせてから、話をする為の状況へ持ってく為の準備をする。

 一定の作法というか、方法で幽霊にも味わえるようにしたあんころ餅と緑茶を出した。  

「お姉ちゃんは、佐伯雪乃って言うの、貴方は?」

『ううんと、はぎわら けいた。』

「今の自分の状況、わかってる?」

『・・・・・・ばぁばといっしょ?』

 疑問になって、詠んでみたらしばらく前に、けいたくんのおばあちゃんは亡くなっているらしい。

 なるほど、さっきから、迎えに来てるの、そのおばあちゃんか。

 楽と言うか、すんなり行きそうな案件で良かった、と言うべきなんだろうかね。

「どうすればいいか、わかるかな?」

『・・・・・・・・・』

「いまね、けいたくんのおばあちゃんかな。

 ・・・いつも、けいたくんを見てて、こうなったことを後悔してるわ。

 だけどね、このままだと、行けないのはわかる?」

『・・・うん、ままがしんぱいだけど、だめなのわかる。』

「会ったのも、何かの縁ね。

 伝えたいことあるなら、夢を介して伝えてあげる。」

 努めて優しい声と言葉を維持して、そう伝える。

子どもに縁がない以上、どうにもやりにくいけれど。







 それからのことは、詳しく話すことは無い。

 ただ、やりきれないだけだ。

 よくあることではある。

 運転がクソ荒い名古屋だろうと、比較的ユルイ地元だろうと、交通事故じゃなかろうと、子どもはあっさり死ぬ。

 遥か昔に、知り合いに教えてもらった呪言・・・つか、歌だな。

 どこぞのアトランティスとか言う雑誌にも影響出したとある漫画にあった歌に似てる歌だ。

 内容的には、『故郷を追放された流浪の民が、夢に安堵を求める歌』と言えば、合唱曲のようだしわかる人はわかるだろう。

 一種の祝詞だと、知り合いは言っていた。

 歌いながら、けいたくんの伝言をそのお母さんが寝た頃に、自動再生されるようにセットする。

 酒は、そんなに強くは無いが、今日は飲もう。

 揚げる直前まで仕込んだ一口カツとエビフライを揚げて、キャベツをざく切りにして、ラザニアの容量でイカの塩辛とチーズとで層を作ったデカイ耐熱皿を焼く。

 もちろん、塩辛チーズ焼きには最後にパルメザンチーズを別に振り掛ける。

 冷凍ご飯を解凍したら、それに梅じゃこを混ぜておにぎりにする。

 大根やジャガイモにんじんの根菜とウィンナー、コンソメ顆粒を鍋に入れ弱火にして放置。

 カラスの行水じゃないけど、その間にさっと風呂に入る。

 貰い物のワインや、この前買って開けてない日本酒なんかをアイスペールに入れ、呑む。

 ・・・ほぼ全部食べた後、食べた食器をシンクに出してから寝た。

 言うまでも無く、次の日に二日酔いで午前中を潰した。






 まぁ、こんな日常。




※基本的に、実在の人物・事件・団体などと関係ありません。

 一応、フィクションです。

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