表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/37

06 どうにかしてタイプのキャラを

 分からないことがあったら聞いてもいいとは言われたけれど、ゲームの中って話題が少ない。


 プライベートの事とかを持ってくるのも、話したくない場合嫌われてしまう。


 色々悩んだ末、引くべきキャラを訊いてみることにした。


 ユ 「最近引くべきキャラっている?」


 ゆ 「炎陽えんようとか」


 炎陽はちょっと見た目がタイプじゃないんだよな。


 だけど、せっかく提案してもらったわけだし、もう少し話を聞いてから断るか。


 ユ 「炎陽、どんな感じのキャラなの?」


 ゆ 「炎属性だから緑属性に強く水属性に弱い。ただ、他の炎属性キャラよりは攻撃力も守備力も高い」


 簡単な言葉で説明してくれているのは伝わるけれど、「だとどうなるの?」と思ってしまう。


 好意的なメッセージを送っておいた方がいいとは思うものの、取りたくないという気持ちが遮る。


 コインの枚数でも偽って断ろうかな。


 ユ 「なるほど。炎陽強いんだね」


 ゆ 「でも、今は貯めておいた方がいいかも。夏イベでもっと強いキャラが来る可能性が高いから」


 ナイス。


 でも、2回目は断れないから、そのキャラのビジュがマジでタイプなことを祈ろう。


 ユ 「詳しいね」


 ゆ 「調べれば出てくるよ。ぶっ壊れキャラとか言われてるから相当強いと思う」


 少しは得意げになって欲しいんだけど、謙虚というか自信がないというか。


 ユ 「なるほど。じゃあ、そこまで待とうかな」



 翌日。


 ゆ 「炎属性の煌炎こうえんがぶっ壊れキャラって言われたキャラだよ」


 祈りが届いたらしく、煌炎はマジでドタイプだった。


 ユ 「このキャラ、結構ドタイプ」


 ゆ 「そうだね。ユズが持ってるキャラと似た系統だね」


 確かに、私の陣容はクール系というか黒っぽい影っぽい雰囲気のキャラが多い。


 ユ 「そうだね。煌炎取ろうかな」


 ゆ 「いいと思うよ。俺も取るつもり」


 ユ 「コイン7万なんだけど、取れるかな?」


 ゆ 「運が良ければいけると思う。少し怪しい」


 せっかく勧めてくれたし、ドタイプだし取りたい。


 でも、相手を慰めで困らせないためには諦めるべきか。


 ユ 「でも、取ろうかな」


 今回はゲーム好きのゆうやがいるわけだし、きっと取れるだろう。


 ユ 「ゆうやはコインどのくらいなの?」


 ゆ 「俺も厳しい 同じくらいw」


 ユ 「www」


 wのオウム返しが刻まれる。


 ゆ 「1日1回、無料があるから最後の方に引くのがいいと思う」


 ユ 「そっか でも、毎日入れる自信ないから、水曜くらいに引いておきたいかな」


 ゆ 「そっか ガチャアイテムもうまく使って回すといいよ」


 ユ 「ありがと」


 扉が開きそうな予感がして、急いでスタンプを押して逃げた。


 予想通り扉が開いて、勉強をしているふりで凌いだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ