06 どうにかしてタイプのキャラを
分からないことがあったら聞いてもいいとは言われたけれど、ゲームの中って話題が少ない。
プライベートの事とかを持ってくるのも、話したくない場合嫌われてしまう。
色々悩んだ末、引くべきキャラを訊いてみることにした。
ユ 「最近引くべきキャラっている?」
ゆ 「炎陽とか」
炎陽はちょっと見た目がタイプじゃないんだよな。
だけど、せっかく提案してもらったわけだし、もう少し話を聞いてから断るか。
ユ 「炎陽、どんな感じのキャラなの?」
ゆ 「炎属性だから緑属性に強く水属性に弱い。ただ、他の炎属性キャラよりは攻撃力も守備力も高い」
簡単な言葉で説明してくれているのは伝わるけれど、「だとどうなるの?」と思ってしまう。
好意的なメッセージを送っておいた方がいいとは思うものの、取りたくないという気持ちが遮る。
コインの枚数でも偽って断ろうかな。
ユ 「なるほど。炎陽強いんだね」
ゆ 「でも、今は貯めておいた方がいいかも。夏イベでもっと強いキャラが来る可能性が高いから」
ナイス。
でも、2回目は断れないから、そのキャラのビジュがマジでタイプなことを祈ろう。
ユ 「詳しいね」
ゆ 「調べれば出てくるよ。ぶっ壊れキャラとか言われてるから相当強いと思う」
少しは得意げになって欲しいんだけど、謙虚というか自信がないというか。
ユ 「なるほど。じゃあ、そこまで待とうかな」
翌日。
ゆ 「炎属性の煌炎がぶっ壊れキャラって言われたキャラだよ」
祈りが届いたらしく、煌炎はマジでドタイプだった。
ユ 「このキャラ、結構ドタイプ」
ゆ 「そうだね。ユズが持ってるキャラと似た系統だね」
確かに、私の陣容はクール系というか黒っぽい影っぽい雰囲気のキャラが多い。
ユ 「そうだね。煌炎取ろうかな」
ゆ 「いいと思うよ。俺も取るつもり」
ユ 「コイン7万なんだけど、取れるかな?」
ゆ 「運が良ければいけると思う。少し怪しい」
せっかく勧めてくれたし、ドタイプだし取りたい。
でも、相手を慰めで困らせないためには諦めるべきか。
ユ 「でも、取ろうかな」
今回はゲーム好きのゆうやがいるわけだし、きっと取れるだろう。
ユ 「ゆうやはコインどのくらいなの?」
ゆ 「俺も厳しい 同じくらいw」
ユ 「www」
wのオウム返しが刻まれる。
ゆ 「1日1回、無料があるから最後の方に引くのがいいと思う」
ユ 「そっか でも、毎日入れる自信ないから、水曜くらいに引いておきたいかな」
ゆ 「そっか ガチャアイテムもうまく使って回すといいよ」
ユ 「ありがと」
扉が開きそうな予感がして、急いでスタンプを押して逃げた。
予想通り扉が開いて、勉強をしているふりで凌いだ。