第二話 ピクニック【後編】
ママさんのご飯出て来たぁ。
今日は……
いつもと違う。
目玉焼き、ブロッコリー、お花のにんじん、たこさんウインナー、お味噌汁にご飯。家と同じ。ステーキを期待してた。
目玉焼きとブロッコリーにマヨネーズをたっぷりかけ頂きます。
ハム ハム
美味しい。ご飯をお味噌汁に入れズズズ。
これも美味しい。
「ご馳走様」
もももご馳走様した。
ピクニックの準備ができるまでもものお部屋で遊ぶ。
いつのまにか寝てた。
ママさんが呼びに来てももと一緒に起きた。
出発!
パパさんの車でブッブー。
牧場の横を通りちちぶ山の麓に。川が見えて来た。
車を川原に停めて、パパさんとママさんはBBQの用意。あたしとももは川原で石をどかし虫を袋いっぱい捕まえる。虫は袋の中でモゾモゾ。
ももは大喜び。
パパさんが来た。
「すみちゃん、もも。釣りをやるかい?」
「「釣り?」」
あたしともも、お互いを見て頭をちょこんと横に。
「この釣竿をシュッと投げるんだ。この釣り糸についているウキが沈んだりしたら、釣り竿を上げるとお魚が釣れるんだよ」
あたしもももも頭を反対側にちょこんと傾ける。
「一緒にやってみよう」
あたしはパパさんがやるように捕まえた虫をつけ、シュッと投げた。
「すみちゃん上手」
パパさんに褒められた。
ももは虫と遊んでいるだけ。
「ももの釣竿に虫を付けてあげる」
あたしはももの釣竿に虫を付けて、あたしの釣竿にも虫を付けた。
「もも、しゅって投げて」
あたしが先に投げるとももも同じように釣竿を投げた。
「ビュン」
音がしてあたしはびっくり!!
でもウキは近くに落ちた。
「もも、音がダメだよ。しゅっでないとダメだよ」
ももは何度やってもビュンと音がして、ウキは近くに。仕方なくあたしが投げることにした。
シュッと音と共にウキは遠くに飛んだ。
やっぱり。音がダメだった。
あたしはももに釣竿を渡しウキを睨むように見る。
なかなかウキが沈まない。
あたしうとうと。
「すみちゃん。つまらない」
まだウキが沈まない。
あたしももももうとうと。
ピュー ピュー ビュン
風吹いて来た。
「あっ!」
「ももの帽子…飛んでった」
もも泣き出した。
サッと音がして、たんぽぽ逃げた!
わ〜ん わ〜ん
あたしもももも泣きながらパパさん、ママさんのところに。
「すみちゃん、ももちゃんどうしたの?」
ママさん。
「すみちゃん、もも。何かあった?」
パパさん。
ももまだ泣いてる。
「ももの帽子飛んでった。たんぽぽどっか行った」
あたし更に悲しくなって、わ〜ん。泣いた。
「すみちゃん、もも。一緒に探そうか」
パパさん、ママさん声出してたんぽぽ呼んでる。
あたしパパさんとお手手繋いでついていくだけ。ももママさん抱っこで泣いてるだけ。
「手分けして探そうか」
「そうね。あたし河原探す」
「僕は森を探す。また後で」
ママさんともも河原を歩いて行った。
パパさんとあたし森の道歩く。パパさんたんぽぽ呼んでるけど出てこない。きっとちちぶの森に帰って行ったに違いない。
わ〜ん
ちちぶ山の麓の端っこでママさんとももとまた会った。
「いないわぁ。どうしよう」
「困ったなぁ」
すると、森の茂みからガサガサ音がした。どんどん近く付いてくる。
「みかん。すみちゃんとももを頼む」
ママさん、あたしとももを抱っこしてブルブルブル。何が近づいてくる。怖い動物?
あたしももももブルブル。
パパさん光って、お手手からビーム出た!
白いビーム。
ズババババー
ビームを避けて飛び上がった動物。
たんぽぽだ!
たんぽぽは着地してあたしともものとこらに来た。たんぽぽ帰って来た!帽子を口に咥えてた!
もも大喜び。
あたしももももたんぽぽ抱っこ。
帰り道、ママさん怒ってた。パパさん一人後ろを歩いてる。パパさんとママさん何かあった。
『あたし大人の世界知らない』
あたしの頭からパパさんとママさんの事忘れた。
その後、お肉や野菜を食べて美味しかった。
また今度来るって約束した!