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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
誤謬学校篇
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武器屋で熟考する

 ベイケたちは、学校のある町に帰ると、怪物を倒して手に入れた素材を武器屋に売った。これらの素材から武器屋が新しい武器や防具を作ってくれるのだ。

 武器屋には、新しい武器や防具の開発計画や完成予想図がたくさんある。旅人たちが怪物を狩って手に入れた素材を売りに来てくれるのをとても喜ぶ。

 武器屋のイエニックは、魔術師のみの変則組の持ってきた素材を見て、とても喜んだ。重装戦闘熊の戦闘服があったからだ。この入荷はこの武器屋でも珍しく、おそらく、全国の武器屋でも二年ぶりに入荷された素材である。

 重装戦闘熊を倒したのがベイケであることを聞くと、武器屋のイエニックはにやにやと笑った。まだ学校に通っているという新しい旅人たちがこの先どのような旅をするのか。その旅を売りに来る素材から推理するのはとても楽しい。それは武器屋イエニックの無類の楽しみだ。

 この西洋合理主義高校の魔術師だけの四人がどのように世界政治の黒幕にたどりつくのか。多くの旅人を見てきたからわかる。高級素材を狩ることができる旅人とできない旅人がいるのだ。それは武器屋をやっていればわかる。

 武器屋は王族の装備を把握している。

 しかし、世界政治の黒幕の装備はまったくの未知のものである。

 ひょっとしたら、ベイケたちが世界政治の黒幕を倒して、その素材を売りに来たら、世界政治の黒幕がどんな装備をしていたか推測することができる。

 世界政治の黒幕か、世界政治の黒幕を倒した者たちか、どちらが優れた装備をしているのだろうか。おそらく、世界政治の黒幕の方だ。ベイケたちが勝つには想定外のオリジナル装備で勝つしかない。そのためには、武器屋イエニックは、ベイケたちの旅の通過地点を少しずつ誘導して、黒幕より強い装備を手に入れられるように開発計画を立てなければならないのだ。武器屋の仕事が大好きなイエニックにはそれはとんでもなく面白いことなのだ。


 ベイケは、素材を売ったお金でどんな武器を買うか悩んだ。

 ベイケは考える。魔術師ギルベキスタを倒せるくらいの武器って何になるのか。魔術で戦うつもりだといっても、武器の補助も欲しい。

「いちばん強い武器って何」

 ベイケが武器屋に質問した。

「どんな武器かね」

「魔術師が使う武器で」

 それを聞いて、武器屋のイエニックは頭を傾げて少し考え、答えた。

「どれがいちばん強い武器なのかは、武器屋でも激論になるからね。そう簡単にはいうことはできないよ。とりあえず、鋼の剣の鋼をぶった切れる剣の領域だね。そういう剣は、魔術師でも使えるんじゃないかな」

「値段高い?」

「とっても高いよ」

 武器屋イエニックの答えを聞いて、ベイケは軽く笑い、ギルベキスタと戦う時にどんな武器を手にするべきか考えた。杖には魔力の増幅効果があるという。魔法のナイフをギルベキスタに突き刺すには、魔法のナイフを自分で特殊に作り直すくらいしないとダメだろう。難しい。

 ベイケはミシアと相談して、どんな武器を狙うかを検討した。

 杖で斬撃(物理魔術)で戦うミシアは、もっと巨大で堅い杖を狙っているらしい。

 ベイケの毒魔術にふさわしい武器は何か。

「ベイケ、決まった?」

 ノアミーが聞いてきたので、

「いや、それが、もう武器じゃなくて、毒を研究する実験器具でも買おうかと思うんだよ。おれの特技は毒魔術だからさ」

「それは怖いからやめて」

 ノアミーに止められた。


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