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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
異端裁判篇
39/56

芝草の都へ向かう

 抵抗軍は、攻めてきた異端討伐隊を迎え撃ち、撃退しつつ、そのまま、芝草の都に向かって進んだ。この戦いの勝ちの勢いのまま、芝草の都を攻め落とすのだ。

 ベイケたち四人も、抵抗軍に同行しながら、芝草の都へ向かった。

 たくさんの芝草兵士と戦った。槍を突き出してくる芝草兵士をベイケが毒魔術で倒す。ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で倒す。ノアミーが雷撃で倒す。ウォブルが重力操作で倒す。

 時を毒で浸食するベイケという魔術師。

 ベイケは、空間を毒で浸食することを考える。

 相手の空間を毒で浸食した場合、相手の体はベイケによって崩される。距離は縮まるので速くなる。

 自分の空間を毒で浸食した場合、自分の体の動く距離は縮まるので速くなる。

 さらにベイケは考える。

 自分の体の時間を毒で浸食するのは危険だ。だから、相手の時間を毒で拡大するように壊す必要がある。毒によって、相手の体の動く時間に毒の時間を挿入するのだ。そうすれば、ベイケの毒魔術によって、相手の体の動きは遅くなる。

 これだ。

 ベイケは、相手の時間に毒の時間を挿入する魔術の練習をする。芝草兵士と戦いながらである。芝草兵士を相手に毒の時間の挿入の魔術の訓練だ。

 難しい。なかなかうまくいかない。油断すると、芝草兵士の槍をくらってしまいそうだ。芝草兵士を毒魔術で攻撃する。毒時間を挿入する毒魔術だ。それによって、攻撃を先取り、毒魔術で勝つのだ。

 ベイケはさらに考える。挿入する毒時間をどうせ作るなら、それを自分の幸せのために機能するような時間にするべきだ。こうして、ベイケは毒時間の創作を始める。相手の動きを遅くさせつつ、ベイケを楽しませる毒時間の挿入をである。


 四人は芝草兵士と戦いつづけていた。ベイケが毒魔術で芝草兵士を倒す。ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で芝草兵士を倒す。ノアミーが雷撃で芝草兵士を倒す。ウォブルが重力操作で芝草兵士を倒す。

 ベイケが毒時間の挿入で芝草兵士の動きを遅くする。ベイケが時間を壊し始める。このまま、時間の創造者になれたなら。ベイケはそんな願望を思いつく。

 芝草兵士が火炎魔術を放ってくる。ベイケはそれに毒時間を挿入して攻撃を先取り、毒魔術で芝草兵士を倒す。

 ベイケはまだ無傷だ。

 芝草兵士を倒した数がそろそろ百体になろうとしていた。芝草兵士は、一体一体はたいして強くないのだが、それが逆に人類の油断を誘うためである気がして、気をゆるめることができない。

 芝草兵士は、人類の魔術師よりも弱いが、人類の戦士よりも弱いのではないか。ベイケはそんな手応えを感じていた。

 だが、それなら、なぜ、人類より弱い芝草人形が人類の魔術師を異端裁判で支配することができていたのか理由がわからなくなる。

 芝草人形はいったいどんな生き物なのだろうか。芝草人形という種族に大きな謎と疑問を感じる。戦っても戦っても尽きることのない芝草兵士たち。

 芝草の都はいったいどんなところなのだろうか。

 四人は、芝草の都へ向かう進軍先の宿屋を見つけて、一泊した。


 朝起きると、すぐに抵抗軍を見つけて同行した。芝草兵士との戦いはつづいている。

 ベイケが棍棒を持った芝草兵士を毒魔術で倒す。

 ミシアの杖の斬撃(物理魔術)が少しずつ深く精密になり、相手の攻撃の隙を突くのがうまくなっていく。やわらかい芝草兵士を斬ることによって、斬撃にからまない斬り方がわかってくる。

 ノアミーは回復魔術の必要があるのかを確認しながら、雷撃を放つ。まだ四人は無傷だ。

 ウォブルは、重力操作で自分の身体を動かし、芝草兵士の攻撃をかわして、重力でつぶしていく。

 抵抗軍の魔術師たちは、重力操作を使う若者がいると知り、いったいどのように魔力で重力に介入するのか知りたがっている。

 抵抗軍は、芝草兵士たちに対して、確実に勝利の進軍をしている。抵抗軍は芝草兵士を次々と倒して、芝草の都に向かっている。芝草人形の異端裁判をこの戦争で終わらせるのだ。人類の魔術師を人類でないものが裁く奇妙な異端裁判。その脅威を打ち破るのだ。

 抵抗軍は強い。芝草兵士を長い期間撃退しつづけてきた実力は確かなものだ。

 抵抗軍の中で、ベイケたち四人はどのくらいの強さなのか。ベイケたち四人は、抵抗軍の異端の魔術師たちの間でも、かなり強いと見るべきだといえた。

 棍棒を持った芝草兵士を倒す。

 槍を突いてくる芝草兵士を倒す。

 素手でつかみかかってくる芝草兵士を倒す。

 芝草兵士を次々と倒す。

 四人が倒した芝草兵士の数は、それぞれ、あっという間に二百を超えようとしていた。倒しても倒しても減る気配のない芝草兵士。

 戦いの始め、芝草兵士は数万人いた。そこへさらに芝草兵士に増援が追加されている。芝草兵士たちも、抵抗軍が芝草の都へ向かっていると気付いて、反撃を強めている。

 芝草の都を攻め落とすのは並大抵のことではない。しかし、それを成し遂げなければならない。

 抵抗軍の進軍はつづく。今回こそ、芝草の都を攻め落とし、異端審査機関を壊滅させるのだ。抵抗軍の被害は少ない。今回の戦いには大きな勝ち目がある。芝草の都をいっきに攻め落とすのだ。


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