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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
異端裁判篇
38/56

異端討伐隊との戦い

 抵抗軍の基地に、芝草人形の異端討伐隊が攻めてきた。抵抗軍は門を開けて討って出て、異端討伐隊と戦うことにした。ベイケたち四人もこの戦いに参加した。

 異端討伐隊の芝草人形は、武具を身に着けているため、芝草兵士と呼ばれた。芝草の袋の体に鎧や盾や兜を身に着けている。持っている武器は槍であることが多い。

 ベイケが毒魔術で芝草兵士を倒す。ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で芝草兵士を倒す。ノアミーが雷撃で芝草兵士を倒す。ウォブルが重力操作で芝草兵士を倒す。

 芝草兵士は何万体といる。これをすべて倒さなければならない。

 抵抗軍の魔術師が火炎魔術を放ち、芝草兵士を燃やす。

 ベイケが広範囲の毒魔術を契約魔術で使い、芝草兵士を攻撃する。ミシアは乱れ斬りで芝草兵士を斬る。ノアミーは広範囲の雷撃をする。ウォブルも広範囲の重力操作で芝草兵士をつぶす。さらに、四人はそれぞれ目の前の芝草兵士を瞬殺する。だが、それだけでは戦いが終わりそうにない。どれだけの長期戦になるのかわからない。途中で睡眠や食事をはさんだ戦いになるだろう。そして、途中で水分を取らなければいけない。

 四人は芝草兵士の槍が届く前に魔術で攻撃をしかけて、無傷のまま、倒していく。十体、二十体と芝草兵士を倒した辺りで、芝草兵士の陣形が崩れた。こちらの部隊を押しすすることができるかもしれない。

 抵抗軍の司令官が突撃を命じる。抵抗軍が一斉に突撃を始める。芝草兵士の軍が崩れた。

「このまま芝草の都へ攻め込むぞ」

 まわりの抵抗軍の魔術師が叫んでいる。

 ベイケは芝草兵士の槍の攻撃を先取って毒魔術で攻撃する。芝草兵士の体が毒で傷つき、そのまま、生命活動を停止する。

 近くで、ミシア、ノアミー、ウォブルが無事に戦っていることを確認する。

 火炎魔術を使う芝草兵士が攻撃してきた。これが芝草兵士の中に居るという魔術師のようだ。正統な魔術師であるらしい。正統な魔術師だといっても、使ってくる魔術はごく普通の火炎魔術で、ベイケはそれを観察していた。ベイケは芝草兵士に興味がある。ベイケは毒魔術で火炎魔術を打ち消し、さらに毒魔術で芝草兵士の魔術師を攻撃する。芝草兵士の魔術師が毒魔術をくらって倒れる。

 正統な魔術師といっても弱かったな、とベイケは思う。

「ミシア、芝草兵士の正統な魔術師に勝てる?」

 とベイケが聞く。

「わからないな。戦いはやってみないとわからない」

 ミシアが答える。

「おれ、勝ったぞ」

「うん。見ていた」

 戦いの最中の会話だ。

 ミシアも勝てるだろうな、とベイケは思ったが、口には出さなかった。ミシアの油断につながるかもしれないし、ミシアに重圧をかけることになるかもしれないからだ。

 いったい、異端と正統とは何なのだろうと、ベイケには不思議だった。たぶん、たいして意味はないなとベイケは思った。

 何万体もいる芝草兵士の軍を倒して、芝草の都に攻め込むのだ。そして、芝草人形の異端審査機関そのものを壊滅させる。芝草人形の一方的な異端裁判に抵抗するにはそれしかない。そこまで戦い抜かなければならない状況になっているのだ。

 抵抗軍の味方がいる。不可能なことではない。


 ベイケは近くにいる芝草兵士から順番に毒魔術で倒していく。両軍ともに散開して、入り乱れて戦っている。両軍ともに陣形はとっくに崩れている。どちらの軍も陣形というものを重視してはいないようだ。

 強い者は、ひとりで十体以上の敵をごく普通に倒す。一対一の戦いが長引くことはあまりない。一対一の戦いはすぐに決着がつき、次の相手との戦いが始まる。負けたものたちは戦場に打ち捨てられる。

 この戦いで多く打ち捨てられているのは芝草兵士の方だ。

 ベイケも、ミシアも、ウォブルも、ひとりで十体以上の敵をごく普通に倒していく。ノアミーは回復役になることを考えてのことか、戦いに慎重だ。

 火炎魔術を使う芝草兵士をミシアが斬った。そのまま芝草兵士が倒れる。やはり、ミシアも芝草兵士の正統な魔術師より強い。

 ミシアの杖の斬撃(物理魔術)は芝草兵士に効果的なようだ。芝草がばっさばっさと斬れる。


 何十体倒しただろうか。四人は疲れをとるために後退して休憩する。

「長い戦いになるな」

 ウォブルがいう。

「ああ」

 ベイケが答える。四人はここまでは無傷だ。しかし、一度、致命傷をくらえば命はない。戦いはそれくらいに危険だ。

 千体、あるいは、一万体の芝草兵士を倒すことになるかもしれない。このまま、本当に芝草の都に攻め込んで、芝草の都を攻め落とすとするならばだ。それだけの体力が四人にあるだろうか。そこまでの長期戦は未体験の領域だ。

「芝草兵士を全滅させて、異端裁判を終わらせるしかない」

 ウォブルがいう。

「ああ」

 ベイケが答える。

「戦争だよね、これ」

 ミシアがいう。

「ああ、いつの間にか、戦争に巻き込まれてしまったな」

 ベイケが答える。

 しかし、芝草兵士という存在は見ているだけで笑い出しそうになる。四人はそれぞれ芝草兵士の動きの面白さを考えていたが、口には出さないでいた。

 抵抗軍の魔術師たちは心強い味方だ。かなりの手練れがいるのを四人は見ていた。四人より強い魔術師が抵抗軍にはたくさんいるようだ。ベイケもミシアも、魔術師として抜きん出ることを目指している二人は、抵抗軍の魔術師を見て、いい刺激になっている。もっと深く精密に魔術を実行するべきだとミシアは考えた。

 そして、抵抗軍の魔術師たちの間で、毒魔術と斬撃魔術の珍しさが話題になっていた。毒魔術なら少しは今までの抵抗軍にもいたものの、斬撃魔術の使い手がいただろうかと話題になっていた。

 若い魔術師の中に面白い魔術師がいるようだ。抵抗軍の魔術師はそんなことを話題にした。四人は、芝草兵士との戦いに生きのびることができるので、抵抗軍の魔術師に高く評価されていたのだ。

「そろそろいくか。もう一戦だ」

 ベイケが腰をあげた。

「疲れは充分にとれたのか」

「ああ」

 ウォブルの声にベイケが答えた。

 休憩しているところを軍の背後から芝草兵士に攻め込まれなくてよかったなとベイケは思った。

 そして、ベイケはまた広範囲の毒魔術で芝草兵士を攻撃した。ミシアは杖の斬撃(物理魔術)で芝草兵士を倒し、ノアミーは雷撃で芝草兵士を倒し、ウォブルは重力操作で芝草兵士を倒した。

 芝草兵士が槍を構えて突撃してくる。ベイケはその攻撃を先取って毒魔術で攻撃する。芝草兵士が倒れる。

「休憩している芝草兵士を狙うか」

 ベイケが提案したが、

「いや、芝草兵士たちは休憩している様子がないぞ。あいつら、疲れることを知らないんじゃないか」

 とウォブルが答えた。

 槍を持った芝草兵士が三体で突撃してくる。ウォブルが重力操作で宙に浮かし、芝草兵士の動きを止めた。そして、ベイケの毒魔術と、ミシアの杖の斬撃(物理魔術)と、ノアミーの雷撃で倒した。

 まだ、四人は無傷だ。ノアミーは一回も回復魔術を使ってない。

 ベイケもまだ毒栄養を使ってない。

 ベイケは、毒が時間を浸食して、時間が壊れ、時間が短くなり、それをベイケが掌握することで、時間の短縮をベイケの意思が決定できるようになりつつあった。相手の行動の時間の短縮をベイケが決定できるようになり、自分の行動の短縮をベイケが決定できるようになってきた。ベイケは相手の時間より、自分の時間をより大きく短縮することで、攻撃先取りを毒魔術で実行できるように上達しつつあった。

 自分の時間を毒で壊すことに、ベイケは慎重な調整が必要だった。

 いつか、毒魔術による時空浸食を会得したい。ベイケは思った。


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