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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
贋作遺物篇
30/56

贋作事情

 賢明なる老婆に盗まれた聖遺物を返しに行った。

 どれが老婆の聖遺物なのかわからないので、五個すべての聖遺物を渡した。この中に本物があるのだろうか。あの盗賊鬼はなぜ聖遺物を集中的に盗んでいたのか。

 老婆は仕方ないといって、五個の聖遺物をすべて受け取った。老婆のものでない聖遺物の所有者が現れたら渡すことにしようとしていた。

「これだけ贋作が出まわっているなら、どこかに贋作商人がいる」

 ベイケはいう。

「そうだろうね。聖遺物は神聖不可侵だという先入観に付け込んでいるのだろうね。そんなもので贋作取引を取り締まれるはずがないのに」

 賢明なる老婆が答える。贋作に関わってしまったことを本気で悔しがっているようだ。

「そして、これだけ精巧な贋作を作ることができる贋作職人がいる。出まわっている贋作の数が多すぎる」

「ああ、わかるよ。どこで贋作を作っているのか、調べさせておいた。贋作作りをしている連中を倒してほしい。みんなは贋作を笑いの種にしているが、ちょっと笑いの種にしては支払った金額が多すぎる。私はただでもらい受けたが、聖遺物を贈り物された嬉しさは、大きなものだった。贋作は聖遺物の取引をしている者たちの心を傷つけている」

 老婆が答える。

「誰が贋作を製造しているのかわかったのですね」

「そうだ。北にある贋作工場だ」

 老婆がいう。

 贋作工場。凄まじい場所だ。

「よし。狙いは贋作工場の壊滅だ」

 ベイケがいう。

 ミシアは、

「でも、本物の聖遺物はどこにあるんだろうな」

 と頭を傾げていた。

「贋作工場にはないだろうね」

「だよなあ」

「本物の聖遺物があると何が起こるんだ」

「わたしは知らないぞ」

 ミシアが答える。

 四人は贋作工場の襲撃をすることを役人に許可をもらい、ひとりの役人に同行してもらうことにした。役人は魔術の存在を知らないような人だったが、聖遺物の摘発をしてくれるように市民から要望が来ていることは知っていた。

 そして、四人は贋作工場へ向かった。


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