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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
贋作遺物篇
28/56

盗賊鬼の隠れ家

 四人は盗賊鬼の隠れ家を襲撃した。盗まれた聖遺物を取り返すためである。

 盗賊鬼の隠れ家は、地上は一階建ての建築物だが、地下が三階まである。この構造だけでも不気味な恐ろしさを感じる。

 門番をしている盗賊鬼が、

「てめえら、何している」

 といってきたので、ベイケは無言で毒魔術で攻撃する。

 もう一人の門番も、ミシアが杖の斬撃(物理魔術)で斬り倒す。

 襲撃に会話はいらない。

 そして、入口を通って中に入ると、五人の盗賊鬼が部屋でくつろいでいた。武器の剣を壁にかけていた。

 一階組みといわれる盗賊鬼たちで、見張りをする役目を負わされている。

 ベイケは契約魔術で全体攻撃の毒魔術を盗賊鬼に放った。この一撃で敵を全滅させることができればかなり楽な戦いができるのだが。そういうベイケの期待もむなしく、倒れた盗賊鬼は一体しかいなかった。盗賊鬼たちが剣を持ち反撃しようとする。

「乱れ斬り」

 ミシアは杖の斬撃魔術で乱れ斬りの技を使い、残りの四体を倒した。狭い部屋で豪快な技を使う。

「おれが一体で、ミシアが四体か」

 ベイケは焦りを口にした。

「おい、きみがそんなことで悔しがるとわね。そんなことを気にしていてはいけないぞ」

 とミシアがいう。

「おかしいなあ」

 ベイケは困惑する。ベイケは世界級の魔術師を目指している。そのためには、物質を把握できる範囲をこれからどんどん広げていかなければならない。部屋ひとつ全体攻撃で制圧できないのでは、これはちょっと世界級の魔術師になるのは難しいといわざるをえない。

 ベイケは物質をだいぶ把握できるようになってきている。個人魔術で毒魔術を使うたびに、自分が存在の根拠となる物質を変化させて毒物に変えているのはわかっている。ベイケの魔術では干渉することのできない法則は存在する。まだ、ベイケは自由自在に物質を支配することはできていない。

 さらに、ベイケは時空を毒魔術で侵食できるようにならなければならない。時空にとっての毒を探している。

 時空にとっての毒。

 存在にとっての毒。

 それらが見つかれば、魔術による物質変化に大きなちがうができてくる。それが可能なら大きな成果であるので、魔術師ダイツアはベイケの召喚を認めたのだ。

「ベイケが魔術の範囲を広げていくなら、おれも魔術の範囲を広げて戦うぞ」

 とウォブルがいった。

 四人の魔術の影響範囲は少しずつ広くなっている。

 この四人の魔術師のみ組は極めて優秀だ。ベイケが世界級の魔術師になれなくても、他の三人の誰かが世界級の魔術師になるかもしれない。


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