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教会滅亡後世界  作者: 木島別弥
贋作遺物篇
23/56

貧民街

 四人は、ギリニーに行く前に、すぐ近くにある貧民街に立ち寄った。ここにも聖遺物があるという話を聞いたからだ。

 四人とも、この依頼とは関係なく貧民街を訪れたことがあった。初めて来たわけではない。

 貧民街では子供たちが走りまわり、物売りが店を開いている。

「貧民街の聖遺物を探しているんだ。どこにあるか知らないか」

 ベイケが貧民街の物売りに聞き込みをすると、

「さあ、聞いたことがないねえ」

 と答えられた。

 四人は貧民街を歩きまわり、聖遺物がありそうなところを探した。

「もし、聖遺物が見つかったらさあ、何を根拠にそれを信じる」

「いやあ、さっぱりわからないな」

 四人は自分たちが聖遺物を発見することはないだろうと思った。

 四人は貧民街で二十人に聞き込みを行った。迷惑がられることが多かったが、聞き込みには仕方がないことだった。

「貧民街の聖遺物を探しているんだ。どこにあるか知らないかな」

 子供に聞くと、

「知ってる。祭壇に飾ってあるよ」

 という子供がいた。

 どこの祭壇だろう。その子供を見失ってはいけないと、話しかけながら子供を追いかけた。

「聖遺物はどこにあるんだ」

 子供に話しかけたが、

「こっちじゃないよ」

 と子供はいう。

「聖遺物のところへ連れて行ってくれ」

 というと、

「知らない人についていっちゃいけないんだ」

 と子供は答えた。

 貧民街に聖遺物はあり、知っている者がいるらしいことはわかった。

「お兄ちゃんたち悪い人?」

 子供がいう。

「お兄ちゃんたちは悪い人じゃないよ」

 とベイケが答える。

「そんなのわからない」

 と子供が走っていく。

「聖遺物を探しているんだ」

 ベイケが頼む。

 他の子供たちが興味を持って集まってきた。

「お姉ちゃん、勝手にこんなところへ来てはいけないよ」

 子供がいう。

「聖遺物を見たいだけなんだ。ある場所へ案内してくれ」

 ミシアがいう。

 子供たちが小声で何か相談しているが、四人には聞こえない。

 四人は、少しずつ歩きながら、貧民街を自分たちで見てまわるしかなかった。子供たちは教えてくれそうにない。

「今日、一日、歩きまわって、見つからなかったらあきらめよう」

 ベイケがそういった。

 貧民街の道を順番に歩いて、祭壇を探した。祭壇が屋内にあるのか、屋外にあるのかすらわからない。聖遺物を知っている子供が教えてくれたならすぐにたどりついたはずなのに。

 子供たちは四人が歩いて探す様子なのを見て、後ろからついてきた。

 四人は歩きまわり、聖遺物を探す。

 日が傾いてきた頃、通り道に祭壇があるのを見つけた。そこに盾が置いてある。

「あった」

 ミシアが喜んだ。

「見つかってよかった」

 ベイケがかがみこんだ。

「見つかったあ。実はぜんぜんちがうところばかり探しているなあと、お姉ちゃんたちのことを思っていたんだあ」

 後ろからついてきていた子供がいった。

「この通りに来た時は、もうすぐ見つかっちゃうなあと思っていたんだ。黙っていたけど」

 子供がいう。

 四人は貧民街の聖遺物を発見した。この盾は本物の聖遺物だろうか。

 これが本物の聖遺物なら、貧民街が繁栄するはずだ。貧民街が繁栄していないなら贋作だということになる。

「本物かな。偽物かな」

 ミシアがいう。

「そうだ。どうせ、偽物だあ」

 子供が叫ぶ。

 この聖遺物はいつどうやってここに置かれたのだろう。四人にはわからなかったが、これ以上、詳しく調査する気にはなれなかった。


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