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田舎の城からの生き残りハーレム増築戦略  作者: 風親
第2章 幼女と軍神編

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『もちろん、今晩、可愛がっていただこうと思いまして』

「その女は誰ですか?」


 イリーナのエミリエンヌに向けたその言葉は妙に廊下の周囲の空気を冷たくさせていた。


 エミリエンヌのことは、それほど厳重に秘密にしていたわけではない。


 今も、顔を隠したりはしていないので会ったことがある人であれば、分かってしまうだろう。


 ただ、公にするつもりもなかった。ニビーロへの反感が強いビャグンの民衆から隠したいという思いが一番だったが、あまり夫人たちにはおおっぴらにしたくないというタモンの思惑があった。


(まあ、でも、すでにエレナが来ている時点で筒抜けなんだろうな……)


 フカヒの街でエトラ家を抑えているはずのエレナがここビャグンで姿を見せた時点で諦めてはいた。


 情報は大事。お金を生み出すと言い。今や北ヒイロ中の情報を彼女は集めている。


 だから、どういう形になるかは分からないが、きっとタモンを問いただすために、ここに来ているのだろうと思っていた。


 しかし、意外にも幼いイリーナが一番怒っているようだった。


「ニビーロのエミリエンヌと申します」


 冷えた空気を打開するかのように、エミリエンヌは自分から一歩踏み出して、挨拶をした。


「実はイリーナ皇女殿下には、昔、一度、ご挨拶させていただいたことがございます」


 洗練された仕草で爽やかな微笑みを欠かさないようにして、エミリエンヌは小さなイリーナに腰をかがめながら丁寧に挨拶をする。


「私はまだ幼かったので覚えてはおりませんが、お話は聞いたことがございます。エミリエンヌ様、どうぞ、よろしくお願いいたします」


 その受け答えはいつも通りのイリーナという印象だった。皇女とは思えないくらいの奥ゆかしさと丁寧で優しいイリーナのままだと、タモンだけでなく少し焚き付けた形になったエレナとマジョリーもその姿にほっと一安心したような空気になっていた。


「あと……今は、皇女殿下ではなく、タモン陛下の夫人ですので」


 お間違いのないようにとイリーナはぴしゃりと言う。


(いや、やはり……どこか怖いですね)


 後ろにいるエレナやマジョリーの方が何故か冷や汗を流す雰囲気だった。


「それで……エミリエンヌ様はタモン陛下の配下に加わったということでよろしいのでしょうか?」


 イリーナは、普通に立つと頭二つ分以上は背が高いエミリエンヌに大して下から鋭い視線を向けていた。


 イリーナの端的なその質問に、エミリエンヌは答えに窮してしまう。


「配下……というわけではないのですが……」


「盟友として、今は一緒に協力するということになったのです」


 ニビーロに、自領に戻りたいというというところまでは問題ないのだが、その後はということになるとエミリエンヌ本人も決めかねていた。


 答えに困っていたエミリエンヌを助けるかのように、タモンが代わりに説明してくれる。


「盟友ですか。……分かりました。それ以上のご関係ではないということですね」


 タモンに対しては優しい目つきになるイリーナは、その言葉に安心したかのように微笑んでいた。


「ただ、エミリエンヌ殿は私の妻に迎え入れたいと思ってはいる」


 しかし、タモンはそう宣言する。


 エレナとマジョリーの正妻二人は、良い顔はしなかったが、『まあ、正直に話したのはいいです』とでも言いたそうに寛容的な愛想笑いで応じていた。


 しかし、イリーナは石になってしまったかのように完全に強張っていた。


「そ、それはお断りさせていただいたはずです……」


 夫人たちに余計なことを言って、わざわざ敵対したくはないとエミリエンヌは慌てていた。


「な、なんでですか?」


 イリーナは、その否定するやり取りとの中にもタモンとエミリエンヌが通じ合っていることを感じ取ってしまい悔しそうな顔を浮かべる。


「う、ううっ」 


 ついに、涙目になったイリーナをタモンもエレナ、マジョリーにエミリエンヌまでも加えて慰めていた。





 タモンが前回、ビャグンの街に来た時とはキト家の対応もかなり変わったものになっていた。


 珍しい『男』なるものをうまく取り込んで利用してやろうという意気込みだったキト家の領主は、今回は北ヒイロの王になったタモンに対して完全に臣下として礼をつくしていた。


 ヨム家との戦いの前に、余計な謀略に参加したのが今となっては完全に仇になった。


 エトラ家との水面下との勢力争いに敗色濃厚な中で、起死回生の策としてでたのはビャグンの実権を娘のマジョリーに譲るというものだった。


 地道に北ヒイロで勢力を増すモントの『男王』の威光を借りた形になった結果、頭が上がらない存在になった。


 同時期に、エトラ家は娘のエレナに実権を掌握されていて、これはエレナが主導でマジョリーとともに仕掛けた権力移譲だったのだが、マジョリーの両親はそのことに気がついている様子もない。


「よくいらっしゃいました。我が婿殿」


 そんな現状なので、ビャグン領主はかなり低姿勢でタモンを出迎えた。


「ささ、どうぞ。こちらで会食の準備ができております」


 余計なことを探られたくないし、言われたくないのか、さっさと酒でも飲ませていい気分になってもらおうという姿勢が見える。


(でも、エトラ家のような思い切りがないよね)


 タモンは、隣に並ぶ夫人の横顔を見ながらそんなことを思っていた。エレナの親は、これは勝てないと思った瞬間に、まさに揉み手をしながらタモンにすり寄ってきていた。


「では、これからもビャグンをよろしくお願いします」


 タモンの言葉に、マジョリーの両親はほっとした表情を浮かべていた。ただ、それと同時になんで『男王』なんかに任じてもらわないといけないのかというプライドも透けてみえてしまうのだった。





「それで、これは……?」


 タモンがマジョリー宅の寝室に入ると、タモンの前に三人の夫人が立って待っていた。


 三人ともほぼ同じようなランジェリー姿だった。可愛らしい飾りがついて薄くて滑らかそう布地は、明るくはない部屋の中でもその奥の肌が透けて見えてしまうほどだった。


 右からエレナ、イリーナ、マジョリーと並んでいる。


 幼いイリーナが、隠している箇所が一番少なくて脚をあらわにしているのがけしからんとタモンは思うものの思わずしばらく見とれていた。


 エレナはでるところがでて、はみ出しそうな肌を見せつけていた。真ん中にいるイリーナは、やはり子どもの体だとは思うけれどそれはそれで滑らかな肌も含めて彫刻のような美しさだった。そしてマジョリーはすべてにおいてバランスの良い体を誇り、完璧な美しさを見せつけていた。


(こんな美しい光景を僕一人で堪能していいのだろうか……)


 あまりにも美しい眺めにタモンは、一瞬、頭のおかしいことを考えてしまった。


 『他の人になんて絶対見せたくないに決まっているだろう』と思い直しながら、三人に近づいた。


「もちろん、今晩、可愛がっていただこうと思いまして」


 エレナは上機嫌にそう言った。今、タモンが並んだ三人を見て、見とれてしまったことが分かったので満足そうだった。


「でも……」


 タモンは真ん中のイリーナにちらりと見た。少し背は伸びたけれどまだ幼い体つきのイリーナを確認するとしばらく考えてしまう。


「南に交渉に行くのでしたら、イリーナの機嫌をとっておきませんと……」


 エレナは躊躇するタモンに近寄ると耳元に口を寄せて囁いた。


「うん。まあ、それはそうなんだけれど……」


 エレナの鋭い指摘に納得する。ただ、それでもなお戸惑いの表情を見せるタモンにイリーナは突撃するかのように近づいて訴えかけてきた。


「旦那さま。昼間は取り乱してすいませんでした」


 深々と頭を下げつつ、イリーナは密着するかのように更に一歩近づいてきた。


「イリーナちゃんは、三年待ってと言われているのに、新しい愛人はすぐに可愛がってもらえて羨ましかったみたい」


「う、羨ましいわけでは……ありますけれど」


 イリーナの肩に手を載せて、マジョリーが気持ちを代弁してくれていた。


 なぜ、マジョリーがそんなにイリーナのことを気にかけているのだろうかと疑問だったけれど、『新しい愛人は』のところに妙に棘があったのでタモンも納得していまった。


 『楽しんでなんかいない』と誤魔化したい気持ちだったけれど、そう言えば周囲にも聞こえるようにエミリエンヌは一晩中、可愛がったのだと思いだしてタモンは全てを諦めた。


「旦那様が私の体を気にかけてくださっているのは分かっています。……分かっております」


 力強く。でも少し寂しそうにイリーナはそう言った。タモンも言いたいことをぐっと飲み込んだくらいのことは分かる。


「ふーむ。じゃあ、最後まではしないけれど、今晩は可愛がってあげるね」


 タモンはイリーナの頬にそっと手を当てて、囁いた。


 タモンからすれば、かなりこれは気持ち悪い行為なのではと不安になった。まだ自分が若いから何とか耐えられる絵面だけれど、もう少し歳をとったら本当に変態にしかみえないと自戒する。


(いや、やっぱり今の自分でもかなり駄目な行為なのでは……)


 タモンの中にある常識が駄目だと警告していた。少し成長したとはいえ、イリーナはまだタモンの感覚でいうと小学生だった。


「あっ、はい。嬉しいです」


 イリーナはぱあっと花が咲いたような笑顔を浮かべていた。今さら、やっぱりそれはやめようとはとても言えなかった。


 若干の照れはあるけれど、イリーナの中にはタモンに対する嫌悪感は全くなさそうなのは救いだった。


(いいのかな、夫婦だし。少しくらいはいいのかな……)


 まだ何も知らない子を騙しているのではないかと思ってしまうのは、さすがにイリーナを馬鹿にしているという気がしてしまう。権力争いの真っ只中で生きてきた皇女さまは自分が考えるよりもずっと精神は大人だと分かっている。


 タモンに向けている好意自体は無邪気な愛情なのかもしれないけれど、それを受け止めて答えてあげたいと思って、頬に当てていた手を肩に回して引き寄せた。


「うん。じゃあ……」


 もう片方の手でイリーナの髪を撫でるタモンだったけれど、顔を上げればエレナの顔があって、少し目線をずらすとそこにはマジョリーがいて視線が絡み合った。


「えっと……。それで? 二人は何でいるの?」


 正妻に対して、ちょっと邪険な扱いだろうかと思いながらも、とにかくイリーナの機嫌をとらないといけないので早くこのまま二人きりになりたいと思った。


「イリーナちゃんだけでは、満足できないかと思いまして……それにイリーナちゃんも私たちが可愛がられているのを見てみたいと言っておりましたので~」


 エレナが楽しそうな表情でそう言うと、イリーナは顔を真っ赤にして『そんなことをばらさないで』とでも言いたそうにエレナとタモンの間で何度も首を振っていた。


「え? そんな話なの?」


 マジョリーはあくまでもイリーナをフォローしてあげるだけのつもりだったので、エレナからいきなりそんな話を聞かされて恥ずかしそうにしながら困惑していた。


「まあ、お嫌でしたら、帰って一人で寝ていただいて構いませんよ」


 高飛車な貴婦人でも演じているようなエレナの言葉に、マジョリーは怒っていた。


「ここは、私の部屋! この屋敷は私が生まれ育った屋敷なんですけれど!」


 本気で怒っているわけではないのは、エレナにもイリーナにも伝わったので少し和やかな雰囲気になっていた。


「私だけが、のけものなんて寂しいですから、もちろん……可愛がっていただきたいです」


 マジョリーはイリーナの前でそんなことを言うのは恥ずかしいと思いながらも、もじもじとしながらタモンにアピールしていた。


 イリーナは『マジョリーお姉さまもプライベートなところではこんな風に甘えるんですね』と新たな発見をしたように目を輝かせて、マジョリーの姿を見ていた。




「で、ではよろしくお願いします」


 タモンはそのままイリーナを抱えてベッドへと移動した。


(これくらいは、いつもと変わらないと思うのに……)


 今日は妙に緊張しているイリーナを膝の上に載せると、そっと唇を重ねた。そのまま、下唇を舌先で触れたり唇で挟んであげたりすると、こそばゆい表情を浮かべながらも、唇を差し出すように応じてタモンの背中に回した手に力がこめていた。


「あ、あのお姉さま」


 気がつけば、エレナがイリーナの後ろから耳たぶを甘噛みしながらあまり膨らんではいない胸に手を回して突起を指先で撫でていた。


「あっ。マジョリーお姉さままで……」


 マジョリーも反対側から付き合わないと駄目かなという表情でそっとイリーナの首の後ろに口づけると太ももに手を伸ばしてさすって言った。


(人がせっかく露骨にいやらしくならないようにしながら、満足させようとしているのに……)


 タモンは二人の夫人に不満気ながらも、自分の脚の上で可愛らしく悶えているイリーナの姿を見るとエレナの気持ちも分かる気がした。


(やはりこの世界だと、誰でも可愛い女の子は抱きたくなるのだろうか……)


 マジョリーまでも、徐々に大胆にイリーナの腰を抱きしめながらさらに奥へと指を伸ばしていくのを見ていると、今更ながらにそう思った。




「はあ。はあ」


 完全に果ててベッドに倒れてしまったイリーナを満足そうに見下ろすタモンと二人の夫人だった。


「満足してもらえたんじゃないでしょうか」


「では、次は私たちの番ですね。イリーナちゃんにも見ていただかないと」


 マジョリーとエレナは一仕事を終えたかのように、ご褒美をねだって左右からタモンに密着していた。


「うん。じゃあ、二人ともそこにうつ伏せになって並んで、お尻をこっち向けて」


 タモンは冷たく命令した。


「イリーナちゃんに比べるとなんか雑な扱いではないですか? 旦那さま!」


「私たちも久しぶりですのに!」


 二人とも文句を言いながらも、言われた通りに従順に従っていた。明らかに期待に満ちた目で顔は振り返っていた。


 イリーナは、毛布で顔を隠しながらもタモンは二人の夫人のお尻に手を伸ばして引き寄せるのを、興奮した眼差しで見つめているのだった。

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