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アン・ファミーユ(家族とともに)第2部  作者: 湖灯


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【カール・アダムスキー③(Karl Adamski)】

 とにかくメェナードさんが無事でいることが分かり、そのうえ私の事も心配してくれていると分かって最高に幸せな気分。

 酔いも手伝って、カールに肩を寄せてデレデレしてしまう。

「で、ミッションは今回限りなの?」

「いや、年契約だ」

「年契約? 一年中私につき纏うつもり!?」

 正直、このようなエロオヤジに1年中つき纏われることには抵抗を感じて、デレデレと寄せていた肩を離す。

「ああ、だがつき纏うつもりはねえ。俺が出動するときは本当に危険が迫っている時だけだ」

「つき纏わなくて、どうやって私を守るつもり?」

「こういうのも、闇ルートってモノがあってな。今回も、それで守ったって訳だ」

 闇ルート……なるほど、彼等には彼等なりのネットワークがあるってことね。

 しかし、そんなネットワークを駆使しながら1年間も私をサポートするって、どれだけお金をはたいたのかしら?

 こういうことは詮索するよりも直接聞いた方が早い。

「ねえ、メェナードさんから幾ら貰ったの?」

 カクテルグラスに入ったパイナップルイエローのアンジェロ(※アンジェロはイタリア語で天使という意味で、ウォッカベースにオレンジとパインジュースを加えたフルーティーな味わいの、甘口ショートカクテル)を揺らしながら、カールの方に手を掛けて彼の耳元で甘く囁くように聞く。

 まあ聞くと言うより、おねだりの方が近いかも。

 その証拠に“貧乳”とバカにされたけど、チャンとその胸をカールの背中でスリスリさせているのだ。

 さすがに、この攻撃には“巨乳好き”を自負するカールもデレデレ。

 結局オスは女に甘えられるのが大好きなのだ。

 まして、こんな美人に甘えられた経験なんて普通ではありえないから、なおさら。

「5万ドル? それとも10万ドル?」

 スリスリしながらカールの背中から前に回って、膝を跨いでその上に腰を下ろすと、もうカールおじさんは上機嫌。

「ねえ、幾らなの? そして私には幾ら出すつもり?」

 甘く囁くとどめに彼の頭を抱っこして、その顔を突き出した胸の谷間に埋めた。

 貧乳って言われたけれど、少しだけ小さいだけでサイズは79のCはあるんだから。

 上機嫌のカールは答える。

「25万ドル(約3400万円)」だと。

 いくらPOCは給料が良いと言っても、その金額は屹度メェナードさんの全資産に他ならない。

 私のような管理職であれば25万ドルは年収の半分くらいだが、ようやく主任クラスに上がったばかりのメェナードさんの給料だとその金額は年収の2倍以上になるはず。

 つまり私を守るために全財産を投げうったって事!?

 メェナードさんの優しさに、胸がカアーっと燃えるように熱くなる。

 “やはりメェナードさんは、どれだけ離れていても私の事を思ってくれているのが、たまらなく嬉しい。

 目の前にある塊を深く抱き寄せてスリスリして幸せな思いに浸っていると、同じように私のお尻をスリスリしているカールのイヤらしい手の感触に気付きハッと我に返る。

「何のつもり……」

 目の前に抱き寄せていた塊を胸元から剥がし、キツク睨む。

「いや、オマエ痩せているわりに、ヒップは最高だな」

 “調子に乗るな!このエロオヤジ‼”

 目の前の塊を持っているグラスごとブン殴ろうと思ったとき、いま褒めてもらったそのお尻に何かが突き上げて来るような異様な感触が……。

「キャー!アンタいったい何のつもり‼?¿?」

「すまねえ、男のサガだ」

 慌ててカールの股の上から飛ぶように離れると、お尻をカウンターに打ち付けてその拍子に持っていたカクテルグラスから黄色い液体がスカートに零れる。

 更に逃れたはずの体が、カウンターに当たった反動で元の位置にそっくりそのまま戻ってしまう。

「大丈夫か?」

 不覚にもカールに受け止められる格好に……。

「だ、大丈夫よ‼」

「濡れているぜ」

 カールの手がスカートからはみ出した太ももに当たる。

「濡れてなんか、いないわよ‼」


 結局グラスごとではないけれど、エロカールおじさんをブン殴って店を後にした。

 もちろん、お金なんて払わない。

 私の大切なメェナードさんから全財産をボッタくった、あの男が払えばいい。

 お店から出てしばらく早歩きしていたが、ふと足を止めて夜空を見上げる。

 イスラエルやカーリングラードに比べると、見える星の数が少なくて味気ない夜空。

 その中にあって、木星だけは存在感を示していた。

 太陽系最大の惑星である木星の直径は地球の12倍弱、太陽の1/10。

 質量は地球の318倍もあって、太陽系の木星以外の惑星を合わせた質量の2倍以上もあり、太陽と同じ水素とヘリウムを主成分とするガス惑星。

 質量がホンの少し足りなかった為に恒星になりそこなった星。

 直径があと今の1.4倍大きければ中心部で水素原子の核融合を起こし赤色矮星となり、夜空に赤く満月の様に輝いていただろう。

 だが、それは叶わなかった。


 メェナードさんは今、どうしているのだろう。

 “会いたいなぁ……”




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― 新着の感想 ―
[一言]  Bカップで貧乳なんですか。(・о・)  世の女性が怒りそうですね。  エロカール、女の敵になるタイプです。笑  サラちゃん、いくらメェナードさんの事を知るためとは言えサービスのし過ぎですう…
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