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アン・ファミーユ(家族とともに)第2部  作者: 湖灯


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【追跡者④(Tracker)】

 今度は私の番。

 ルーシーに負けてはいられない。

 だけど軽量級の私のキックやパンチでは、少しのダメージは与えられるものの、ルーシーの様に1発で相手を仕留めるほどの威力は無い。

 確実に相手を倒せるようになるためには、最低でもあと20㎏体重を増やして60㎏台にならなければならないが、そうすると私のこの美しい体のラインが崩れてしまう。

 幸いなことに、普段はクラウディという最強の女戦士が私を守ってくれるが、今回は彼女をカーリングラードに置いて来ているので幸いとは言えない。

 ルーシーに負担をかける訳にはいかないから、私も頑張らないと。

 私は相手の攻撃をかわす際に、逆間接を取ることにした。

 それで相手の骨が折れたり関節が外れたりすることは、余程抵抗しない限りあり得ない。

 ただ投げられやすくなり、次第に関節が痛み出すのが関の山。

 だが効果はある。

 何度か投げられるうちに、相手は肘を痛めた様子を見せ、キック主体の攻撃に変わった。

 キックには、キック。

 あいにく今日履いているのはマノロ・ブラニクのハンギシ。

 ハイヒールとしては柔らかい素材な上に、つま先には大きな飾りが付いているから戦いには向かない。

 やはりクリスチャン・ルブダンにしておけば良かった。

 とは言え、上手く当たればそれほど力は要らない。

 狙うのは相手のすねまたはひざ

 そこをピンポイントでヒールのトップリフトで打つ。

 ヒールは細いから、当てる部分に対して垂直に当てなければ、衝撃で取れてしまうから絶対に失敗は出来ない。

 たかが1300ユーロ(約178,500円)の靴だけど、ヒールが取れてしまうと裸足で戦わなければならなくなるので困る。

 相手の繰り出す蹴りを避けながら、適切なタイミングを待つ。

 そして訪れたチャンスを逃さないように、相手の膝をトップリフトで打つ。

 力は相手が蹴って来るモノを利用させてもらっているから、左程強く蹴る必要はない。

 大切なのは正確な部位に、正確な角度で当てること。

 当たる角度がホンの少し違うだけで、相手へのダメージは急激に軽くなるばかりか、こっちにはシューズの破損のリスクが高くなる。

「ギャーーーーーッ‼」

 “手ごたえあり!”

 相手は膝を抱えたまま、大きな叫び声を上げてその場に倒れた。

 あとはアウトソールで、思いっきり転んだ相手の頭を蹴って黙らせる。


 “残りは4人”

 だけど、ここにきて相手も不用意な攻撃をしてこなくなり、コンビネーションを使って攻撃を仕掛けてくるようになった。

 つまり2人がお互いの隙をカバーし合うように、交互に別の角度から攻撃を仕掛けてくる作戦。

 私より背の高いルーシーはアフリカ人特有の長い脚を利用した蹴り技を得意とするが、蹴り技は破壊力が大きい分エネルギーの消費量も多くなるから既にもう肩で息をしている。

 それに比べて私の得意とする合気道は相手の力を利用して戦うので左程戦ううえで体力を必要とはしないが、それでも攻め込む角度を変えて交互に責められることは相手の力の向く方向にイチイチ体を入れ替えなければならないので結構体力を消耗してしまう。

 更に止めを刺すチャンスは極端に少なくなる。

 隣で激しく肩で息をしていたルーシーが、この不利な形勢を一気に覆そうとラッシュした。

 “駄目! ルーシー‼”

 言葉を掛けようとしたところを相手に攻めこまれて声に出せなかった。

 ルーシーは後ろ回し蹴りで左側の男をけん制して、軸足を変える間もなく正面の男に回し蹴りを繰り出し、防御されると回転を止めずに直ぐに裏拳から左の男に回し蹴りを放つと見せかけてそのまま正面の男の側頭部に見事にその回し蹴りをヒットさせた。

 そして止めのバックキックが正面の男の顎にヒットする。

 蹴りをまともに受けた男は倒れたが、ルーシーの攻勢もここまで。

 バックキックを放ち回転運動が止まったところで、その顔面に左に居た男が繰り出すフックを喰らいルーシーの腰が崩れる。

 しかし意識を失いきる寸前まで、彼女は勇敢に戦った。

 崩れ落ちる中、いま自分にパンチを放った男にその体を預けていったのだ。

 既にルーシーが気絶したことを知っている男が、預けられた体を無造作に抱える。

 背の高い男が、女性を抱えるために身を屈めた瞬間を見逃さずに、私はバク転した体制のまま高く飛び屈んで前のめりにガラ空きになった延髄に膝を打ちおろすと、男は“ウッ”と小さな呻き声を上げてルーシーを抱えたまま倒れた。

 ルーシーの無謀とも思える攻撃は、実は無謀ではなく計画的なものだったに違いない。

 彼女は様々な展開を考えたうえで、自分の残された体力では1人倒すのがやっとだと確信した。

 何もしなければ遣られるのを待つだけ。

 攻撃を仕掛けても、あと一人を倒すのが精いっぱい。

 そうなると、私は一気に3人を相手に戦わなければならない……いや、公園に居て私たちの戦いを見て楽しんでいるあの男を入れると4人。

 当然勝ち目はない。

 だからルーシーは、気絶する寸前の力を利用して、自身の体を預けることで相手をノーガード状態に誘い込んだ。

 当然、そこを私が見逃さないと見込んで。

 “ありがとうルーシー”

 気絶したアナタを置いて行くのは心もとないけれど、戦うのは無理でも残りが2人なら何とか逃げることは出来る。

 アイツが来て敵が3人になる前なら、ここからの脱出は可能だ。

皆さんスランプってありますか?

私は今、すっごいスランプ!

しかも8月後半くらいからだから、期間も長い(-_-;)

どんなスランプかと言うと、特にお話が思い浮かばない訳ではなく、お話しは頭の中で既にできているのに、それを言葉ととしてタイプすることが出来ない状態。

例えば

「あの橋を右に曲がったら白亜の豪邸があって、その右隣の家が僕の家さ」

 と、言う文言が頭の中にあるにもかかわらず

「あの橋を右に曲がった……

 で、止まってしまい、ボーっとしてしまう。

そして、お話しとは全く関係のないニュースなどを見てしまう。


簡単に言うと

日曜日の夜に宿題をやっていない事に気付きながらドラマを見ている状態。


あー……こんなこと今までなかったのになぁ~(;^_^A

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― 新着の感想 ―
[一言]  熱い展開にドキドキハラハラしています。  悪役エロカールの動きも気になります。    スランプは私はしょっちゅうです。笑  酷い時になると、お気に入りユーザー様の作品読むこともできなくなっ…
感想一覧
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