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アン・ファミーユ(家族とともに)第2部  作者: 湖灯


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【クラウディとの出会い①(Meet Claudy Omaha)】

 東欧支部への赴任が決まる前から、研修所の所長からはボディーガードを探しておくように言われていた。

 研修所に通いながら大学に通う我々POCの幹部候補生は、この施設を旅経つと同時にそれぞれの赴任先で幹部候補生としてビジネスの最前線で戦わなければならない。

 とは言っても実際に戦闘とか格闘をするわけではなく純粋にビジネスに携わるだけなのだが、武器を扱う商売上かなり危ない人間とも出会う可能性もあるので私の様な管理職にはボディーガードが付けることが決められている。

 ボディーガードは会社としては世話をしないから、自分で探さなければならない。

 そしてそのボディーガードを選ぶことも、将来幹部になるための指標の一つとなる。

 役に立ちそうもない者を選んだり自分でコントロールできないような荒くれ者を選んだりすると、マイナスの評価を受けて後々の出世に響いてくる。

 もちろん会社の秘密を外部に漏らすようなスパイを連れてくれば、出世そのものが終わってしまう。

 要は人を見る目と、人をコントロールする術が身に付いているか試されているというわけ。

 本当は、この役目をメェナードさんに頼むと決めていた私は、そのメェナードさんの急なザリバン潜入の話に戸惑った。

 ボディーガードとはいえ私の大好きな“足長おじさん”と、これからズーっと一緒に居られると思うとどんなに幸せだっただろう。

 しかしメェナードも男としてのプライドもあるし、このザリバンへの潜入はメェナードさん自身が企画して上層部に認められたもの。

 私が、とやかく言う問題ではない。

 それに内部からザリバンとPOCの強硬派を近づけて、一気にこの2つを叩き潰すと言うメェナードさんの作戦はとても魅力的で素晴らしいものだと思った。

 もちろん我が社(POC)の強硬派を同時に潰すことは、私しか知らない2人だけの秘密。

 イスラエル国内でもボディーガードくらいは探すことは出来る。

 けれども私はイラクまで行き、その候補者を探していた。

 未練。

 こんなことなら、あの時メェナードさんに泣きついてでもザリバンへの侵入を止めるべきだった。そして、私の傍に居て欲しいとお願いするべきだった。


 もしかしたら、あれっきり連絡を絶ってしまったメェナードさんに会えるかもしれないと、淡い期待を抱きながらレスリングや柔道・空手の大会を見て回る。

 ボディーガードを選ぶ条件は、なにも強いばかりが良いとは思っていない。

 今は弱くてもいいけれど、不屈の精神力を持っていることが重要。

 これさえあれば、何があっても迷うことなく行動することが出来る。

 そして私と共通する何かを持っていることも重要。

 でも、そういった人はナカナカ見つからなかった。


 ふと路地の向こうにメェナードさんが居た気がして慌てて走って行くと、そこでは1人の大柄な女性がザリバンの戦闘員らしき男たちに囲まれていた。

 人数差は1対8だが、少し前からこの戦いは始めっていたらしく、狭い路地には既に4人のザリバン兵が倒れていた。

 “強い”

 しかもタフ。

 8人のザリバン兵が呼吸のたびに肩を上下させているというのに、女の方は肩を上下させることもなく静かに深い息を続けている。

 腹式呼吸だ。

 一般的に腹式呼吸は持久力系のスポーツに向いていて、1度に大量の酸素を体内に取り込むことが出来る胸式呼吸は瞬発力を必要とするスポーツに向いていると言われている。

 だがプロレスラーやボクサー、サッカー選手等のように、瞬発力を必要としながら長い時間を闘わなければいけないスポーツの場合は特殊な腹式呼吸を使う必要がある。

 彼女は既に、それを会得している。

 でも、それだけで残りの3分の2を倒せるとは思えない……。

「ヤロー‼」

 ザリバン兵2人が目で合図をし合って同時に掛かってきた。

 彼女はその大きな体を地面に顔が付くほど低く構え、その顔面を目掛けて1人がサッカーボールを蹴るように足を思いっきり振り上げた。

 彼女の体は蹴られた反動で大きく仰け反るように後ろに飛ばされる。

 だがこれは男の蹴りが効いたわけではなく、彼女が意図的に取った“受け身”だ。

 次の瞬間に女を蹴った男が悲鳴を上げて俯せに倒れ込む。

 仰け反った拍子に、男の金的にくるぶしを打ち込んでいたのだ。

 仰け反って無防備になった女を目掛けてパンチを繰り出していた男が一瞬その悲鳴に気を取られた時、女の頭突きが男の鼻柱に食い込む。

 大量の鼻血を出しながら項垂れる男に追い打ちをかけるように、女の膝が男の顔面を蹴り上げる。

 地面に倒れている男と、まだ立っている男の数は、これで6人ずつと等しくなった。


 形勢が不利と見た残りの連中が、一斉にナイフを取り出す。

 銃を携帯していれば屹度銃を取り出したに違いないが、銃を所持しているとアメリカ兵の検問に引っかかった時に即刻逮捕されてしまうから所持していないのだろう。

 ナイフを持った男が6人がかりで、素手で戦う1人の女を襲うとはなんとも情けないが、これは女にとって危険が増したことは確か。

 あの女の反射神経から察すると、この男たちの繰り出すパンチやキックを避けることは容易いだろう。

 しかしナイフを持った手は、そのナイフの長さ分だけリーチが長くなるから少し勝手が違って来ることは確か。

 幸いなことにこの女は男たちにも勝る体格の持ち主だが、ナイフを持つことによってリーチが長くなった男たちはそのハンデを克服した。

現在、宮古島付近にいる台風11号ですが、最大瞬間風速は60m/sと言う事で、物凄い暴風域を伴っています。

風速は秒速で表されますので、これを馴染み深い時速に換算するには1時間分の秒数、つまり3600を掛けて、あとは単位がメートルなのでキロメートルに置き換えるために、出た答えを1000で割れば時速になります。

瞬間最大風速60m/sは

60×3600÷1000=216

となりますので、時速に直すとなんと216キロもの速度となります。

「でも、風でしょう?壁やガラス窓が防いでくれる」

なんて、呑気なことを考えていたら大間違い!

例えばこの風によって屋根の瓦が吹き飛ばされれば、瓦は時速216キロの風に乗って飛来する凶器に変わります。

風だけでも屋根も吹き飛ばされるかも分かりませんし、荷室の大きなBOX型の車などは横風を受ければ横転するかも分かりません。

瞬間最大風速というのは、ここで起こると言う条件はなく、いつ吹くか分かりませんので不要不急の外出は避けるようにしましょう。

何かと自然災害の多い日本。

明日は、貴方の家が災害のニュースに映っているかも分かりませんので、地域の避難指示に従って早めに非難しましょう。

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― 新着の感想 ―
[一言]  久々のサラちゃん登場❗❗  クラウディとこんな早くから出逢っていたんですね。  クラウディをどう勧誘するのか、サラちゃんの腕の見せ所でしょうか。  この先の事を考えると胸がきゅんてなります…
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