【見えない夜空(invisible night sky)】
盲点だった。
たしかに、狙撃のみで300人、それ以外を入れるともっと多い人々を殺害したグリムリーパーの正体がナトーだとしたら、栗林会長の発想も頷ける。
事実、グリムリーパーは私の彼氏を殺す直前に、何故か4歳くらいの子供を生贄として米軍に差し出していた。
これは狙撃隊の隊長だったローランドの平常心を揺さぶるには効果的だったろう。
何しろ我々先進国と呼ばれる国の軍人は訓練による射撃技術は鍛えられているものの、その多くは面と向かって人を殺したことなどなく、まして子供など殺したことなど誰もないはずなのだから。
それでもナトーはやはり保護してあげるべきではないのかと問うと、意外な言葉を返されて驚いた。
「ナトーを引き取ることは簡単だが、もしそんなことをしてしまえば、サラ、おまえを失うことになり兼ねない。それは私が一番恐れている事なんだ」
この時だけ栗林は私の方を振り返って話してくれた。
「何故、私を失うことに?」
まだ完全にナトーがグリムリーパーだと決まったわけではないが、もしも栗林が考える通りの人間に成り下がっていたとしたら、そんな犯罪者に大切な恋人や友人たちを次々と殺されてしまった私がナトーの傍に居られるだろうか?
もし我慢してナトーの傍に居たとして、そのストレスにいつまで耐えられるかを栗林は心配してくれていた。
そして最後に、こう言った。
「だから私はアノ男を試したし、会って話をした。私たち“家族”の運命は、あのメェナードと言う男に掛かっている」と。
真夜中のフライト。
雲の上だというのに、星空の見えない真暗な夜空が何処までも果てしなく続いていた。
アン・ファミーユ(家族と共に)第二部 完
この物語は私の代表作『フルメタル』の裏側、ナトーの姉であるサラ目線で描いた物語です。
長い間、本当に読んで下さった方々には感謝いたします。
これにて第2部は終了します。
しばらくお休みしてからの3部開催となります。
4月か5月ごろには書き始めれたらイイナ(;^_^A
それまで、忘れないで下さいm(_ _"m)




