7/7

部活動から始まる再会

投稿は不定期です

桧山と偶然に会ってしまった日の翌日

俺は学校へ登校途中の通学路で、後ろから声を掛けられる

「アキト！」

振り返ると沙耶香が居た

「何か用…か？」

極めて冷静に話したつもりだったが思い出してしまう。

「昨日の話なんだけど…。浮気してたわけじゃないの！」

「抱き着いたり、腕を組んで歩いたりするのは浮気じゃないとでも言いたいのか？」

「それは……してたけど、あの人は幼馴染で……」

「キスもしてたんじゃないのか？プリクラで写真撮るときに言ってたよな。」

「！？　してない！ただ喋ってただけでしてないから！！」

俺は周りの視線が集まっていることに気づき歩き出す

「じゃあ腕組んで歩いてた時、ごまかしたのはなんでだよっ！」

「待って！！　アキト待って！」

俺はついてくる沙耶香を振り切るように走り出した。

学校に着いた俺は、乱れた呼吸を整えて教室に入る

教室に入ると皆の視線が集まる

「暁人きゅん、今朝は修羅場でしたね？」

「ああ、それでか。慎吾は野次馬か？」

「残念ながら聞いただけだ。みんな噂してたぞ別れ話かなぁってな」

こいつは、森川《もりかわ》慎吾《しんご》

中学時代からの唯一の友達。

サッカー部所属でモテる容姿はあるが

性格が軽い為に女子からは敬遠されがちな可哀そうな男である。

「ああ、別れたよ。理由は言わないけどな」

浮気されたなんて情けなくて言えないわな

『また浮気が原因か？』

ヒソヒソと慎吾が話しかけてくる

「当たりだ、あとで詳しく話すよ。」

そして昼休みになり、俺と慎吾は屋上へと足を運ぶ

「……というわけだ。」

「違うって言ってるのはなんでなんだ？キスは見てないにしても、抱き着いて腕を組んで歩いてるのは見てるんだろ？」

「ああ、なぜ俺に言い訳するのかが分からない。」

「本命は暁人で向こうがキープ君だったとか？」

「その線が妥当だな。でも、俺は浮気だけは許せないんだよ」

「まあ、過去に色々ありすぎたしな。今度、合コンでもセッティングするから来いよ！」

「気が向いたらな。しばらくは恋はしないよ」

「それにしても、春山はもったいないよなぁ～。あんな可愛い子あんまりいないぜ！」

「そうだな……。可愛くても浮気するんじゃプラマイゼロだろ。」

「まあそうだな。遊ぶだけなら最高ってやつか」

昼休みはそんな話で終えた

放課後、バンドも解散してしまったので軽音楽部に行くことにした

軽音楽部の部室は、第２音楽室で第１音楽室は吹奏楽部が使用している。

第２音楽室は、使われない楽器の物置と化している

「やっほー先輩！部活行くんですか？」

「久しぶりだな反町。バンドが解散したから軽音部に復帰することにした。」

反町《そりまち》　美玖《みく》

高校１年生　軽音楽部に所属　黒髪でショートの髪を両側で結んでいる

活発だが、どこか掴めない性格をしている。

「バンド解散したんですかっ！？　すごくよかったのにぃ～」

「ああ、俺も解散には反対だったが他の二人がな…。」

「残念です。でも軽音部でまた一緒にやりましょう♪」

「まあ、部員が俺と反町だけじゃ大した事はできないけどな」

「言ってませんでしたっけ？　ドラムの子が入部したんで、一応バンド演奏できますよ♪」

「おお！ってか聞いてないぞ。まあ、バンドできるのは控えめに言っても最高だな」

「じゃあ、行きましょう先輩♪」

俺たちは部室に向けて歩き出した

やがて部室の近くまで来るとドラムの音が微かに聞こえてくる

「なかなか良い音出してるな！」

「でしょでしょ？　なかなかの逸材なんですよ～」

俺たちは部室の前に着くと、扉をゆっくりと開けた

中に入りドラムを叩いていた女の子と目が合う

「先輩、紹介しますね。こちらがドラム担当の……」

なんでここにいるんだ！？　

ドラムだと？　

そんなの聞いたこともなかった。

俺をどこまで陥れるんだ神よ……。

「ドラム担当の、木村美月先輩で～す♪」

「三条くん……久しぶりだね。」

「なんで……ここにいるんだ？」

「軽音楽部に入りたかったから…。」

「あれあれ？先輩達お知り合いなんですか？」

「昔、ちょっとな。」

「美少女先輩を紹介して驚かせたかったのにぃ～」

反町の手前、引くわけにもいかずに演奏を急がせた

「とりあえず何か一曲だけでも演奏するか、この後に予定があるから早く帰りたいんだよ。」

「そうだったんですか？　じゃあ一曲だけ合わせて今日は終わりますか」

「じゃあ、この曲でいいか？」

俺は楽譜を渡す

「アタシは大丈夫だよ…。」

「先輩おっけ～です♪」

「じゃあ、行くぞ！！」

♪～

♪～♪～

「先輩！すごく良かったですよね？」

「まあ、いいんじゃないか？」

「うん、凄く良かったね。」

正直、ここまで上手くいくとは思わなかった

嬉しい気持ちと、気まずい気持ちが半分づつで

モヤモヤした気分だった。

「じゃあ、先に帰るわ！」

「あ、先輩！？」

俺は反町の呼びかけにも振り返る事なく走り去った。

─────────────────────────────────

【三条《さんじょう》　暁人《あきと》】

高校2年生　バンドではヴォーカル兼ギター

身長175㎝　容姿は至って普通

【春山《はるやま》　沙耶香《さやか》】

黒髪ショートで守ってあげたくなる、妹系美少女

身長148㎝　スリーサイズは76・52・79

【桧山《ひやま》　七瀬《ななせ》】

黒髪ロングの清楚系美少女

身長160㎝　スリーサイズは86・59・86

【木村《きむら》　美月《みづき》】

金髪でセミロングのギャル系美少女

身長157㎝　スリーサイズは89・58・85

【山下《やました》　由紀《ゆき》】

黒髪のショートボブの活発系美少女

身長150㎝　スリーサイズは75・52・76

【三条《さんじょう》夏奈《かな》】

高校1年生　暁人の実妹　髪は黒髪でセミロング

母に似て性格は大人しめなクールタイプ

身長165㎝　スリーサイズは80・59・83

【森川《もりかわ》慎吾《しんご》】

高校２年生　暁人の友人　サッカー部所属

軽音部にも在籍しているが人数合わせの為、楽器は何もできない。

【反町《そりまち》　美玖《みく》】

高校１年生　軽音楽部に所属　担当はベース

黒髪でショートの髪を両側で結んでいる

活発だが、どこか掴めない性格をしている。

身長157㎝　スリーサイズは83・60・85

お読みいただきありがとうございました

よかったらコメントと評価をお願い致します。