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Side 春山沙耶香

春山沙耶香視点です

今日は、海外に住んでいる


親戚のお兄ちゃんの【たか君】が


数日だけだが日本に帰って来ているらしく


今日は一緒に出かけようという事になって


テンションが上がっていた。


アキトも『なんか機嫌いいね』なんて言ってたし


顔に出てたかな?


たか君とは小さい頃からお世話になっていて


凄く優しくて大好きなお兄ちゃんだった。


将来は結婚する!なんて言ってた時期もあったけど


私も、たか君もお互い彼氏と彼女がいて


昔の約束なんて薄れていくものなんだなと思った。


急いで家に帰ろうと思っていたら


偶然にも、たか君と帰り道で遭遇した。


「たか君!?」


「お!もしかして沙耶香か?大きくなったなぁ〜」


私は偶然でも会えた嬉しさから


テンションはますます高くなっていた


「たか君はどうしてここにいるの?」


「母さん達の話が盛り上がってたから、母さん達の代わりに散歩がてら買い物に来たんだよ。」


と手に持つ袋を見せながら答える


「そっか。じゃあさ、ちょっとだけ遊びに行かない?」


「まあ、ちょっとだけならいいけど。」


「あっちにゲームセンターがあったの覚えてる?」


「ああ、懐かしいなぁ!昔、沙耶香と何度か来たよな?」


「覚えてたんだ。本当に懐かしいね〜」


「で、そのゲームセンターに行くのか?」


「プリクラがあるから一緒に撮ろうよ!」


「いいけどさ、プリクラって初めてだから教えてくれよ?」


私達はゲームセンターのプリクラ機に入りお金を入れる。


「たか君。どのフレームがいい?」


「あんまりわかんないから沙耶香が決めてくれよ。」


「じゃあ、これにしよっと。」


『写真を撮影するよ。用意ができたらスタートボタンを押してね。』


「沙耶香見切れてるぞ、もうちょっとこっち来い」


この時、イタズラ心が芽生えた私は、たか君に抱きついた。


「じゃあ、えいっ!!」


凄く驚いた顔のたか君のが画面に写っていた。


そして次の撮影が始まる


「カップルはキスして撮るんだよ。」


「そ、そうなのか?「」


「うん♪ 今度、彼女と一緒に日本に来て撮ってあげてね」


「あ、ああ。日本の高校生は大胆なんだなぁ〜」


騙されてるとも知らずに感心する、たか君に


私のイタズラ心が騒ぎ出す。


「じゃあ、プリクラも撮り終えたし帰ろっか!」


「そうだな。帰る頃には、ちょうどいい時間になってそうだ。」


2人で歩き出したところで


私は、たか君と腕を組んだ


「おい!何してんだ?」


「彼女と会えなくて寂しそうだったから、腕に温もりを与えてあげているのですよ。」


「沙耶香はホント変わってないよな。昔から変に俺を揶揄うんだからタチが悪い。」


呆れるように言う、たか君がおかしくて2人で笑い合った


そして家の近くの公園の前に差し掛かった時


自販機の前でこちらを見ている人に気付く


え? アキト!?


私は、たか君の腕をサッと離して誤魔化すように話しかけた


「あ、アキト。こんなところでどうしたの?」


「……………。」


何も答えないアキトに気まずさを感じてしまう。


「今日はバンドの練習なかったの?」


「見れば………わかるだろ。それより、俺のことなんか放っておいて彼氏と話したほうがいいんじゃないか?」


腕を組んでたのはやりすぎだったなと後悔した。


「ち、違うよ彼はそんなんじゃなくて!」


「見たんだよ……。彼に抱きついて楽しそうにプリクラ撮ってただろ。」


「!?」


嘘!それも見られてたなんて………。


どうしよう誤解なのに!


「ごめん、話が見えないんだけど……」


たか君がアキトに喋りかけるけど


アキトは無言でたか君を一度だけ見たあと


「もう……終わりだな。」


え? 終わり?


気づいたらアキトは走り出していた。


「ま、待ってアキト!!」


何度も声をかけるけど止まらない


アキトの姿が小さくなり


やがて見えなくなった。


「アキト……待ってよ…………そんなのないよ……。」


「沙耶香…。今のは彼氏………だったのか?」


私は無言で頷く


「誤解させてしまったのかも知れないな。」


そうだ、私があんな事しなければ


アキトに誤解されることもなかった。


なんで。


どうして。


苦しいよ。


辛いよ。


アキトと一緒にいたいよ。


アキトと別れたくないよ。


「彼氏に連絡取れるか?俺が、ちゃんと説明するから早く誤解を解かないと!」


「え、あ、うん。そ、そうだね。」


私は急いでスマホを取り出しアキトに電話をかけるが


【お客様の都合により電源が入っていないか電波の届かない………】


電話はつながらなかった。


「家は知ってるのか? 今から行こう!!」


「ごめん、たか君は先に帰ってて。」


「なんで!?俺がちゃんと説明すれば……。」


「余計にややこしくなっちゃうよ。浮気相手と思われてるのに、説明なんて聞いてくれないよ。」


「でも……」


「大丈夫!私のせいだから私がちゃんと誤解を解いてくるから。」


「………わかった。もし俺にできることがあったら、なんでも言ってくれ。」


たか君の言葉に頷いた私は


アキトの家に向かって走り出した。

読んでいただきありがとうございました。


一応、長いですがプロローグ全視点は終わりました。


次話につきましては反応により投稿するか考えさせていただきます。


よければコメントと評価をお願い致します

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