Side 木村美月
木村美月視点です
高校一年の時
初めて彼を見た印象は普通だった
ギャルの私を見ても普通に対応するし
普通すぎて興味が湧いた。
そんな時、友達2人とゲームをして罰ゲームをする事になった。
「誰かに告白するに決定で〜す♪」
「高槻先輩とかどう?カッコいいしOK貰えたら儲けもんじゃん!」
その時何故か三条くんが頭に浮かんだ。
今思えば、いつも見ていたような気がする
彼が誰かと話したり、どこかに行こうとする度に目で追っていた
なんで?アタシってもしかして三条の事………。
顔が赤くなっていた。
「美月赤くなってんじゃん!高槻先輩に告ってこーい!!」
「あたしも告ろっかなぁ〜」
「アタシは高槻先輩には告らないよ。さ、三条にしよっかなぁ〜って」
「ええ〜!なんで三条なん?」
「高槻先輩なんてハードル高すぎじゃん」
「それわかる〜」
「断られても傷つくしねぇ。」
三条くんの事、好きだってバレなくてよかった。
そして………。
「アタシと付き合って欲しいんだけどダメかな?」
アタシは三条くんに告白した。
「君の事をあんまり知らないから」
「じゃあ友達からにして、アタシの事を知っていけばいいじゃん…ね?」
「まあ、それならいいよ。」
断られそうだったけど、なんとかOK貰えて嬉しかった。
アタシは毎日のように三条くんと遊んだり、くだらない話で盛り上がった。
三条くんといると凄く楽しくて凄くドキドキした!
アタシは三条くんが大好きだと自覚した。
その日も、いつものように女子3人で帰宅中に
コンビニで雑談をしていた。
「高槻先輩彼女できたらしいよ?」
「ええ!まじ?狙ってたのに悔しいじゃん。」
(明日のデートは何着ていこうかなぁ?)
「ちょっと美月!聞いてる?」
「え?ごめんごめん、考え事してたから」
「ちゃんと聞いててよ〜!高槻先輩がね………」
三条くんとのデートが楽しみで
そんな話はどうでもいいと思っていたら……
「そういえばさ、美月ってまだ三条と付き合ってんの?」
急な方向転換に動揺してしまう。
「もう別れてもいいよー!それとも本気で好きになっちゃった?キャハハ!」
言い訳を考えて言葉に出してしまう。
「え?まだそんなに経ってないでしょ?罰ゲームで一週間って決めたじゃん!わ、別れていいならとっくに別れてるし」
その時、ふと視線の隅に人影を感じ見てみると
三条くん!?
ウチが三条くんを見てる事に2人が気づき
「あれ?三条じゃん。もしかして聞いてた?」
「まあ、ちょうどいいじゃん」
良くない!!
「ち、ちが……。三条く…。」
アタシが話す前に三条くんは走っていってしまった。
「あれ?走っていっちゃったねぇ」
「夢見れたんだから三条にしては、お得なんじゃね?」
早く追いかけなきゃ!
「ごめん、アタシ用事思い出したから帰るね。」
ウチは2人に告げると三条くんを追いかけた。
どれだけの時間、探したかは覚えてないけど
周りが見えなくなるほど
三条くんに会いたくて、嘘だったと言いたかった。
結局、ウチは三条くんを見つけられなくて、家に帰った。
LINNEもブロックされていて連絡も取れなくなっていた。
「あんなこと言われたら………。アタシって最低だ。」
彼だけで良かった
彼の為なら、どんなことでもできた
友達なんていらない
他のものは何もいらない
だから、三条くんを返して神様!
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