Side 山下由紀
山下由紀視点です。
私は山下由紀
同じクラスの三条暁人君が大好きで
いつもチラチラと見てしまう。
今日は暁人君がいなかった。
と思っていたら、3日間居なくて
4日目には、何事もなかったかのように登校していた。
「三条君おはよう♪ 3日休んでたけど風邪だったの?」
「いや、ちょっとな………。」
顔色が良くないけど、ホントに悪い病気じゃないかと心配したけど
冗談まじりに問いかけてしまった。
「顔色悪いねぇ。もしかして彼女にフラれたとか?」
「!?」
え? 別れたの? やった! 嬉しい♪
「え? うそ……ホントに?」
「ああ、フラれたよ。彼氏がいたんだ……。」
暁人君と二股なんてクズね!!
「そ、そうなんだ。ゴメンね」
「いいよ。俺も人に話せてちょっと気分が楽になったよ」
暁人君がそういってくれるだけで私も気分が良くなった。
そのあと色々と聞いた私は腹を立てていた。
暁人君が休んでる間に来てた女だ。
暁人君に何かするつもりなら許せないと思い
昼休みに桧山さんを屋上に呼び出す。
「あなたが桧山さん?」
わかっているけどあえて聞く
「うん、山下さんでしたっけ?それで私に何の用ですか?」
「単刀直入に言うわ。もう三条君には近づかないで!」
二股するような女は暁人君に近づかないで!
「なんで!あなたにそんなこと言われる筋合いなんてない!!」
私には《《まだ》》言う権利はないけど、この女だけには言われたくなかった。
「浮気してたのによくそんな事が言えるわねっ!」
「そんなことしてません!いったいどう言うことですか?」
してません!とかよく言えたものね。
「あら、往生際が悪いわね。三条君はすごく辛そうに、あなたが仲良く待ち合わせして手を繋いで、男と帰るところを見たって言ってたわ!」
「誤解よ。彼とは何にもない!」
やっぱりやってるじゃない、嘘つき
「手を繋いで帰るぐらいには何かありそうだけど?」
「ただの幼馴染よ。手を触るぐらいは昔から普通にしてたし……」
幼馴染と手を繋いで下校なんてこの歳でする訳ないでしょ。
「はあ、もういいわ。だったらそれを三条君に言ってみたら?普通に彼氏以外の男の手ぐらい触りますってね。」
私はそれだけ言ったあと、屋上を出て教室へ戻る。
私は毎日暁人君と話をしてアピールしていた。
そんなある日、学校に登校したら机の中に手紙が入っている事に気がついた。
手紙を開くと
【放課後、教室で待っていてください話があります。】
差出人は書いていなかったけど、なんとなく暁人君じゃないかと思っていた。
放課後、私は教室に残っていたが
そこへ演劇部の後輩の吉田君がやってきた。
「山下さん。今日はぶかつこれそうですか?部長が配役決めたいらしいのできて欲しいって言ってました。」
「ちょっと今から用事があるけど終わったら行くって言っといてくれる?」
「はい!あ、あとコレ次回の劇の台本です」
私は受け取ろうとして躓いてしまう
「キャッ!?」
こけたタイミングでコンタクトがズレたみたい。
目から涙が出る。
こけた私を起こしてくれる吉田君
起こされる時に勢い余って吉田君に寄りかかってしまう
「山下さん………」
こけた事で少し恥ずかしかった私は笑顔で誤魔化し
「ありがとう」
と告げた時、廊下で走る音が聞こえた。
「じゃあ、後で来るって部長に伝えときますね」
「うん、お願いね」
そのあと、時間いっぱい待っていたけど誰も来なかった。
次の日……。
「三条君おはよう♪」
「ああ、おはよう。」
暁人君がなんだか少し暗い雰囲気だった
「昨日は何してたの?」
ラブレターのこともあって気になって聞いてみたけど
「バンドの練習。ちょっとトイレ行ってくる」
少しそっけない態度だなとは思っていたが
私が話しかけるたびに彼はどこかへ行くようになった。
数日、数週間と続き彼との距離が縮まることはなかった。
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