第8ピリオド:Block Shot
いろいろと学校行事があって更新が遅くなりました。では逝きます(笑
5月27日、放課後にメンバー6人は4組に集合していて話をしていた。
チーム名を考えないと大会には参加できないからである。
「つーわけでなんか提案あるか?」
「私達のチームカラーって何色だっけ?」
「みんなの、バッシュが、ほとんど、赤。」
「じゃぁ、赤・レッドってつけようよっ。」
「それだけじゃチーム名にはなんねぇだろ。」
なかなか意見がでてこないから決まらない。
「そんじゃ、また明日朝にここ集合ってことにしよ〜ぜな。今日中になんか1つでもいーから考えてこいって事で。帰るぞ、放課後バスケの時間が減っちまうぞ。」
香が締めてこの話会は終わることにした。
いつもの、中学校でやるバスケ終了後、優は帰り道にある本屋へ立ち寄っている。
スポーツ雑誌コーナーへ行き月刊バスケ最新号を読んでいる。
「やっぱり全国大会ってすごいなぁ〜。」
写真にはMVPを獲得した選手が載っている。
記事には1対1からのドライブインできれてからのプレーがすごいとか書いてある。
「すごいドライブインだよ〜っ。止められないねっ。」
すると優は、
ドライブする人ってドライバーって言うかなぁ?、と考えた。
「赤色のレッドとドライバーをくっつけたらかっこいいな〜。明日椎ちゃんに提案してみよー!」
翌日、昼休み、体育館へ移動中に昨日考えたチーム名を伝えた。
「レッドとさ、ドライブする人って意味のドライバーを合わせたらいいと思ったのっ。」
「それで結局名前なんなんだよ?」
「レッドドライバーってどう?」
みんな、それでいいと思うよ、かっこいいじゃん、と言ってくれた。
今ここにチームレッドドライバーが誕生した。(少し大袈裟な言い方だが。)
この昼休みが終わった時にもう一度、県バスケ協会に電話してチーム登録を終えた。
なんと参加チーム数が25を超えたらしい。
あと、
「チームでナンバリング(ゼッケン)か、ユニフォームを持参してきて下さい。」
と協会の人が言っていた。
6月6日、土曜日。レッドドライバーの6人は明水市総合体育館の最寄り駅、明水駅に集合していた。
体育館への行き方調べ、どういう風な会場か見学するためである。
「暑ちぃなぁ。」
香がぼやく。
「確かに、6月で、この暑さは、異常。」
「ちょっと飲み物買ってくる。」
「俺も行くぞ。」
「早くね。」
4人がドリンク補充しに行ったため、優と恵が残った。
「体育館までどうやって行くんだろうねっ?」
「しばらく真っ直ぐ歩いたら着くってさ。」
恵が携帯で行き方を調べているようだ。
「そういえばなんで恵ちゃんはバスケ上手なのに部活に入らなかったの?もったいないよ〜ぅ。」
「いや、実はね…、」
恵がいた中学のバスケ部は県大会出場の常連校だった。
たまにベスト4に入るほど。
彼女は県の中で選抜された人で構成される県代表チームに選ばれたりするほど強い選手。
しかし顧問の方針がひどく勝つためならなんでもやれ、というものだった。
小学生の時に入っていたバスケチームでは楽しくやること、日常生活の中の一部がバスケだ、という考えだった。
恵はその違いに苦しんだ。
引退の時にもう部活でのバスケはやりたくない、楽しく自由にやりたい、と思った。
「香も同じような事情で部活入ってないんだ。」
優たちに出会えて良かった、一言付け加える。
「すごい訳があったんだね。」
優がもう一言言いかけた時に4人が戻ってきた。
本当に駅を出発してから真っ直ぐ行くこと15分。
"明水市運動公園"と書かれてある看板にたどり着いた。
どうやら体育館は公園内にあるらしい。
「おいっ、プールがあるぞ!」「テニスコートもあるし。」「かなり、広いな。」
さまざまな種目ができるようになっていることで有名となっている。
「ねぇ、体育館入り口の近くにバスケゴールがあるよ。」
遥が指を指す。
入り口のコンクリートフロアの端に1個設置されていて、今も小学生か、楽しそうにプレーしている。
体育館内は1階がコート、2階が観客席となっている。(殆どの体育館はこのタイプ)
6人は2階へ上がり、上からコートを見下ろす。
「うわっ、広いねっ!」「なかなか、良い所。」
「ここでやるのかあ。」「冷房入っているよ!」
冷房付きの体育館はあまりない、故に珍しい。ちなみに寒くなると暖房も入るとか。
「コートの色が分かりずれぇんだよな。」「荷物って大会ん時、どこにおくんだろーな。」
それぞれに感想や言い分があるようだ。しかし設備は本当に充実してる。問題点といえば、
「駅からかなり遠いから歩かないといけないんだよね。」
距離の問題。
椎が、
「まーアップ程度にはなるじゃん。走っていきゃぁ体育館ついてから走んなくても良いわけだしよ。」
と発言したために他の5人は、それは違うんじゃ、と言いたげだったが歩かないといけないので、この際どうでもいいということで落着した。
ちなみに公園前に留まるバスがあるけど料金が高いから、という理由で乗らないことにしているのは補足。
6月19日、金曜日。
6人は放課後、4組の教室で雑誌をみんなで見ている。
その雑誌、正確に言えばパンフレットなのだが、ここらへんの地域で一番大規模を誇っているスポーツグッズ店が無料配布している
『バスケットボールチームのユニフォームのオーダー承ります。』
というものであった。
ついこの前大会への参加表明のために県協会へ電話した時にユニフォームかゼッケンが必要だと言われてから、椎が今日その事を思い出したのである。
そしてこれから、
「ユニフォームとか決めっから放課後集合な!!」
と言うわけである。
パンフには様々なデザインや色のユニフォームが載っている。
「チーム名がレッド入ってるから赤色だよねっ?」
「当たり前じゃねぇ?」
「あとはデザインだけかな。」
恵が一点を指す。
そのデザインは一面赤色、チーム名と番号の所は黒色となっている。
首周りと脇周りに黒いラインが引かれている。
「こんなのどうかな?リバーシブル(裏返ししてもユニフォームとして使える機能)になっているし、かっこいいと思うよ。」
「黒だと番号とか目立たないじゃん。白とか。」
「じゃー白タイプにすっか〜。みんないいよなぁ?」
かくしてユニフォーム決めは早くも終わった。
「サイズとかどうする?」
いや、遥の一言で終わらなかった。
「身長で、決めたら、どう?」
「そうしようかな。」
パンフには、サイズは10センチごととなっているらしい。
優が130センチサイズ、椎と恵は160センチ、香と海、遥は180センチサイズとなった。かなりデカいチームだな〜。
「番号とか、どうすれば?」
「皆、好きな番号をどんどん言っていけばいいよ。」
この後の話し合いで番号が決まった。
まずは誰がキャプテン(つまり#4)を着るかどうかだが、すぐさまリーダー性がある海となった。
椎が#7、恵は#6、香が#8で遥が#5、
優が1人だけ2桁数字を好んだ、#15。
今度こそ本当に終わった。
「明日でも店に行って注文してくるわ。」
「ありがと〜っ。」
月が変わって夏日が続く7月3日、金曜日。
午前中の授業が終わり体育館へ集まっていたメンバー6人は、椎から手渡されたチームのユニフォームのできにそれぞれ感想を洩らしていた。
「すげぇ真っ赤で目立つなこれ!!」
「レッドドライバーの文字が英語になっててカッコイイな。」
「白面(裏返した面)の文字が赤とかすごい。」
「ちょっと大きいかなぁ〜。」
「優、小っちゃくて、かわいい。」
とか。
胸あたりには『RED DRIVER』の文字が!!想像しただけでかっけぇ〜。
「無くさないようにしとけよ。」
大会まで1ヶ月を切った。みんな何を思い、どう戦っていくのか?
金曜日の予定です。