第5ピリオド:Trun Over
この前に投稿した短編小説とこの作品の人気の違いはなんだろう?
たぶん作品ジャンルだろうなと感じてきた自分です。
5月11日、月曜日。
優達4人は4組でおしゃべりしている。
話の内容はゴールデンウィーク中にあったことについて。もちろんバスケ関係の話だ。
高校の大会を見に行ったり、隣県の屋外バスケットボールコートへ行ったりと。
ついでに椎が新しいバッシュ(バスケットシューズ)を買ったから早く昼休み、体育館で見せたいとのこと。
キーンカーン、というちょっと不調子のチャイムがなり、本当なら体育館へ走っていく4人だが運が悪いのか全員、日直担当だったためにチャイムが鳴ってから3分後にようやく教室を出発(!?)できた。
「こんな事って初めてだねっ。」「そうだな、誰かに使われてなければ、いいが。」
「週刊バスケ、今週号持ってきたよ。」「早く新・バッシュでプレーしてーよ。」
いつものような雑談をしつつも体育館に到着すると見慣れないバッシュケースが2つと赤色のボール入れが置いてあった。
4人がそれに気づいた時、中からドリブルの音が聞こえてきた。
いつも昼休みの時、体育館のステージ側をバトミントンする人が使い、玄関側が優達が使っているという状態になっている。
つまり優達が使わない限りドリブルの音は聞こえるはずが無い。
「先客が、いる。」「今までこんな事なかったね。」
「どんな人がやってるのか見てみよ〜っ。一緒にバスケしてくれるか聞いてくるっ。」
海は行こうとする優を止めようとするが、だいじょーぶっ、とか言いながらバックを置いて行ってしまった。
「だ〜れですか?」
ドリブルの音が止まり、その人が優へ顔を向けた。
「おっ、優じゃん。どした?」
「香ちゃんこそ、バスケしてたんだねっ。いつもここでバスケしてるから今日もって。」
宮代香。
椎ぐらい男っぽい性格、かつ180の長身のため恐れられている。
優のクラスメートであり出席番号が隣でよく話す関係にいる。
「じゃーなぁ、一緒にやるか?」
「みんなに伝えてくるねっ、っとその子だっれ?」
もう1人が優に挨拶をしようとした瞬間、他の3人がバッシュを履いて来た。
すると遥が香でないほうの人と話し始めた。
「めぐみんじゃん。バスケ一緒にやる?」
「うん。人数多い方がいいし。」
神橋恵。
ふだんはちょこっとテンション低め、しかし1度スイッチが入ると止まらなくなる性質をもつ。髪を少量だけ真上に止めてあり彼女のトレードマークらしい。
「何なに?どうしたんだ?」「2人が、知っている、人らしい。」
海と椎が会話に入ってくる。
「じゃあみんなでバスケしよっ!」
優の提案で6人、つまり3対3をやることになった。
「じゃーこれからよろしくっす。」
「よろしくね。」
それぞれが挨拶を交わしチーム決めとなった。
「優と恵がガード、椎と遥がフォワード、私と香がセンター。それで2人ずつ、ジャンケンで、勝ち組3人、負け組3人の、チームに、すればいいかと。」
「頭いーじゃねーか、リーダー。おい遥、さっさときめよーぜ。」
「めぐみんと一緒になりたい。」
「優、ジャンケンだよ。」
「う〜んっ。」
「香、よろしく。」
「あー、負けないぜぇ。」
「マッチアップは初めてだね。」
「新・バッシュ、ゲルクロスオーバーの実力を見してやるか。」
結果(!?)、優&椎&香のチーム、恵&遥&海のチームとなった。
さらにジャンケンにより先攻は恵チームとなった。
「よろしくねっ。恵ちゃん。」「うん。優。」
昼休み終了まで30分。
ボールを持った恵と優はセンターサークル(コート真ん中の円)内に入る。
これから、みんな初の3対3が始まる。
恵がドリブルを突き始める。かなり上手いドリブルをし、手に吸い付いている感がある。
「はるちゃんはもっと広がって。海はハイポスト(フリースローを打つライン近辺エリア)を確保して。」
恵の素早い指示が飛ぶ。
指示している間に優がドリブルカットしに行くが、なかなかとらせてもらえない。すごいなぁ、と優は感心した。
遥がパワーで椎の動きを封じ込めパスカットされないようし、ボールをもらう。
と、同時に香の前に海がポジションをとる。
「ハル、入れて。」
遥がパスをした瞬間に香が、いつの間にか海の横にならんで左手でカットしていく。
そのまま左手でドリブルし運んでいく。
「速攻だ、走れぇ。」
椎と優が声と同時に前へ走る。
海は何があったのか把握できていないらしい。
優が走っているコースの延長線上、レイアップのしやすい位置へ香からのパスが来て、それをエアーキャッチ(空中でパスを受ける)して点を決める。
2-0。
「ナイスパスだよっ、ありがとぅ。」「おらおら、次のディフェンス集中だ!!」
「はるちゃんはなるべく椎を引きつけといてね。前に走らせないように。」「分かった。」
恵と遥は2人でボールを運んでいく。
センターラインを超えた所で恵にボールを預けた。
「海、香をローポスト(ゴール下エリア)で封じ込めて。」「うむ、」
そのまま遥は椎を背にしてポジション取りを始めた。
前を取られてどんどん押し込まれていく椎。そこに恵からのパスが来る。
「くっ、たぁすげぇパワーだな。新・バッシュがすり減りそうだな。」
遥は椎の左側を抜けてターンシュートしようとする。
「されっかよっ。」
椎持ち前のジャンプ力ではじき返そうとジャンプしたが、
「甘いね。」シュートフェイクにかかる。
椎が着地した瞬間にショットする。が、遥はシュート率が悪いのが欠点。
リングに弾かれて右にこぼれ落ちる。
「「リバン!!」」
恵と優の声が重なり合う。
海は香より5センチ高い。
それに手も長いのでリバウンドがとれるはずである。というか今まで殆ど獲ってきた。
さらに今回はスクリーンアウトをし封じ込めている。取られる要因はない。
ちなみに5センチの差はバスケにおいてかなり影響してくる。
海の手にもうボールがふれる瞬間、海はなぜかアウト(スクリーンアウトの略名)の体勢をくずしてボールを弾いてしまった。
海が体勢を整えようとするや否や、目の前に香が飛び込んでリバウンドを取っていた。
「海、アウトが崩れるんじゃ弱ぇーなぁ。今度教えてやるよ。アウトの外し方とかよ。」
取ったボールを、椎へパスする。
「ああ。今のは、後で。」
香が自分たちのゴールへ走っていく。その後を海が追いかける形となる。
「香は上手いからね。いろんな事知っているよ。」
「恵ちゃんも上手いよぅ。香ちゃんもすごいねっ。」
優がドリブルを突きながら話す。話している隙に抜こうとするが、いつも正面のコースを通ってなかなか抜かしてくれない。
またまた、すごいディフェンス上手いなぁ、と思った。
優が攻めあぐねていると、椎が恵に気づかれないように恵の横に密着した。
「ナイス、スクリーンだよっ!」
スクリーンプレーはどうしてもマークマンを外さないといけなくなった時に使うが、成功確率が本当に低いんだよな。
成功すればプレーの幅が広がるけれどね。
※スクリーンって何?という人のために後書きで説明を加えておきます。正直自分、説明下手(汗。
椎が、優のドライブに付いていこうとする恵を邪魔する壁役となる。
椎の存在に気付かなかった恵は椎にぶつかり、マークマンがいなくなった優はそのままゴールへ行こうとした。
「スイッチ(自分のDFマークマンを交換すること)、オッケー。」
椎についていた遥が、優を止めようとした。
左右へとドリブルで振り、ついてこれなくなった時、大きく右へドリブル。
そのままボールを上へ持ち上げると同時にシュートフォームを作り上げ、そのままゴールへ放つ。
ゴールに対して真っ正面の3ポイントシュート。
優が一番得意なポジションのシュートはパサッという音と共にバスケットを揺らした。
5-0。
最近、リトルバスターズにはまっているせいかなかなか時間が無い・・・。
これからもよろしくお願いします。