第2ピリオド:First Control
結構遅くなってしまった、ハァー。こんなんじゃダメだ、という訳で眠い目を擦りながら逝きます。
再び優がボールを運ぼうとするが、椎が詰め寄ってきてドリブルを突かせないディフェンスをしてくる。
「海ー、もらいに来てっ!」
海がボールをもらいに行こうとした。
「行かせるもんか。」
遥が海に対してボディーチェック(自分のマークマンの進行方向への妨害。タイミングが遅いとファールになる。)をして、もらわせないようにしようとしたが、遥より海のスピードが勝った。
遥はパワーはスゴいけど、ずっしりしてるもんね。
「優、ヘイ。」
海へとボールが回る。
「海、ボール運んで!」
優はディフェンスをかいくぐるとフロントコートへ走り出した。
椎が追いつく前にパスが出される。
「打たせるか!」
椎が優の3ポイントシュートをチェックしにいく。
ジャンプした。1メートルは跳んでいるような高いジャンプ。優のいまにも放たれるシュートをブロックした。
優はしまった、とでも言いたそうな顔をしている。ボールはコートの外にでた。
「すごいなー。」「まっだまだだな。」
優のスローインから再開される。
海が遥の前のポジションをとり、パスを受ける。得意のターンシュートを打とうとするが、ターンしたことによりできた前スペースを詰められてしまい、思った通りのシュートができず外してしまった。
「リバウンド、とらせない。」
「どーかな?」
遥がスクリーンアウトをがっちりし、海にリバウンドを渡さない。
ほんとに遥はスクリーンアウト(リバウンドをとるために相手よりもゴールの近くのポジションをとり相手にその場所をとられないように押さえつけておくこと)が上手いんだよな。
遥から椎へパス、そのまま椎がゴールへドリブルしていく。
「簡単に点はとらせないよぅっ。」
優がなんとかドリブルコースへ入った。が、椎はクロスオーバーしてかわす。
そのままゴール下へ。
「チェーック!!」
優がボールをたたき落としに行く。その瞬間椎はジャンプシュートを打った。
優の手が椎の腕にあたる。シュッ。ファールされながらのシュートが決まった。バスケットカウント1スロー。
「よっしゃ。フリースロー一本入れて突き放しますかっと。」「落ち着け〜。」
「ごめん、海。」「ドンマイ、ドンマイ。」
一チーム2人しかいないので、最後のフリースローが入ったら相手のスローインから、外したらフリースロー打ったチームからのスローインから再開と決めてある。
ふぅ〜。ガツンッ。
フリースローが入ってこれで3―5、ワンゴール差となった。
「うぃー。はいったぜい。」昼休み終了まで残り9分。
残りの9分間は激しい攻防戦となった。
連続3ポイントシュートとか、スティール(相手のボールを奪うこと。)からの速攻、
ミスマッチプレー、特にゴール下のリバウンドは白熱した。
海が跳び、遥はジャンプするのを防ぎ、遥が取りそうな瞬間に手を伸ばしてかっさらったり。
結果12―14。
「あ〜あ、汗びっしょりだねっ。」「最近熱いもんね。」「スプレー貸して。」「これ、」
また制服に着替え、ゴールをしまう。
体育館からでると涼しい風が体に当たる。
「んーっ、気持ちいいね。」「授業、もうそろそろ始まるかも。」「急ぐぞ、ダーッシュ!!」「また後で連絡するよ。」
4人はそれぞれの教室に戻っていく。
3組、遥は午後の授業のほとんど寝てしまう。
午後につまらないような授業が固まってあるらしい。
4組、優はちゃんと起きている。
大半は近いクラスメートとの雑談になってしまう。
5組、海&椎は席が隣同士。
そのためかほとんど椎が話の起点として、それに海がつっこむのが日常となっている。
「よしっと、学校終わったからみんなと帰ろー。」
4人はいつも昇降口で待ち合わせし、帰っているのだが、クラスによって終わる時間がかなり差がある。
「よしっ、販売機でスポドリ買ってこ。」
いつもこうして待っている間に飲み物を買ったりして時間を潰す。
ちなみにここの自販機、500mlで80円の安さを売りにしている。
「待たせた?」「いやぁ。」「今日どーするよ?中学校いくか?」「今日は、水曜だから、中学校のコート、空いてると思う。」「それじゃー、4時10分に月野中だねーっ。」「じゃ、帰りますか。」
4人は自転車に乗って、喋りながら、一旦解散した。
次の更新は中旬頃になりそうです。