第最終ピリオド:Team Red Driver
約1年かけてメイン部分は完結できました、みなさんのアクセスも、やる気の原動力の一つでした。いままで、そしてこれからもこの小説を見てやって下さい。
ではどうぞ!
残り1秒、3点差で優が放った最後の3ポイントシュートは、
リングへと向かいそして音を立てることなく、
リングに入らず勢いに乗ったままコートへ落ちていった。
「あっ、・・・ああぁー!!!」
優のどこか力が抜けたような声と同時に、試合終了のブザーがなる。
会場は静まりかえった。
誰もがこのエキサイティングゲームの興奮から一瞬で冷めたようだった。
静かになった中、コートの中から声が洩れる。
「うっ、うっ」
入らなかったのが悔しかったのか疲れが極限まできていたのかは分からないが、
コートに膝を立て、手を着き下を向いている優がいた。
その周りに海、香、遥、恵が寄っていく。
「優、・・・」
「ここまでやれたから、もう十分だったよ。」
「泣くんじゃねぇぞ。」
みんなが寄ってきたことに反応して上げた顔には汗と、涙が入れ混じっていた。
「は、入らなかったあぁー!」
そう言い海に抱きつく。
「がんばった、いい子だ。優は。」
頭を優しく撫でる。
「さっ、整列すんぞ。」
そしてコートの中心へ歩く。すでに並んでいるグレイトバードと対峙する。
「105対108、黄色の勝ち。礼!」
「「「「あ(りがとうございま)した!!!」」」
礼が終わると共に静かだった会場から拍手が聞こえる。最初は少しだったがいつの間にか全体を包むぐらい大きくなっていた。
香と、瑠衣が寄り添う。
「リバン強いじゃんかねぇ~。」
「あんがと。そっちもな。」2人が握手する。
海と彩香は少しにらみ合った。
「4番の人、ひどかった。あなたは、無理してたね。」
「香穂からの命令だったんです・・・。すいませんでした。」
ぺこっ、という音が似合うぐらいの仕草で彩香はお辞儀した。
「また、いつか。」
「うん。来年にね。」
それだけ言葉を交わしそれぞれのベンチに戻っていった。
「椎ちゃ~あぁん!」
走りながら優が飛びついたため椎の体が少しぐらついた。
「おうっ!最後惜しかったじゃねーか。」
言われて優がまた泣きそうになる。
「うっ、・・・」
「悪りぃってば~。決勝までこのメンバーでバスケできたから良いんだよ、俺にとっちゃ。
なっ?みんなそうだろ?」
視線を他のメンバーに振る。
「「「うん!」」」
「あぁ!」
「みんなもこー言ってんだから泣きやめよなぁ~。」
声に反応して上げた優の顔は、もういつもの笑顔に戻っていた。
「楽しかったあぁ!」
コートを去り、表彰式も終わってからレッドドライバー6人は体育館に隣接しているバスケットコートがある公園にいた。
「夏休みのビッグイベント終わっちったし、疲れたし、宿題とか全然やってねーし。」
「今度はみんなでプールでも行こうよ。」
「もう、疲れた。寝る。」
そのまま瞼を閉じそうになった海を、優が揺さぶって起こす。
「外用のボールあるしぃ、3対3しよー☆」
提案した優に向けて驚愕の表情をみんなが向けてる。
「いや、ちょっとね疲れちゃってるからみんなね。あと少ししたらバス乗って帰るっておもってるんだけど。」
「えーぇ、もっとやりたかったよっ!」
ジャンプしながら言う優に対して、
「また、来年も。行こう。」
「そうだな。部活のバスケだったらこんな楽しーなんて思わなかったもんなー。」
「昼休みバスケもおもしろいし。」
そう互いにみんなで喋り、いや駄弁り始めて、結局バスに乗ったのが1時間後だった。
9月1日、昼休みのチャイムが鳴ると同時にその6人は体育館へ集まっていく。
「待ってってば。」
「速えーぞ優!」
一番先に着いた優は、バッシュの紐を結びながら顔だけみんなの方に向ける。
「だって、久しぶりに体育館で思いっきりバスケするのが楽しみなんだもん!」
子どもっぽい答え方を聞いた海が、
「少しは、大人に、なったほうが。」
と言うのを聞いているのかいないのかボールを袋からいつの間にか取り出して、ドリブルを突きながら
ゴールへ一直線にドライブしていった。
「スリーポイントショット!!」
3Pのストップ&ジャンプシュートを放つ。
ただ高く、速く、きれいな放物線を描いて。
レッドドライブ・完
なんか完結するとなると少し寂しい気がするのは自分だけでしょうか。
物語が一つと終わっていくと、あぁ自分結構年くったな、と感じられずにはいられないのはなぜ・・・?
では。この次で最後です。
・・・自分ながら上手く締めれた(汗