第11ピリオド:Free Throw
大変更新が遅くなってすいません(苦
いろいろと新年入ってから慌ただしく、勉強も部活も真面目に両立していかないといけない日々に苦闘してました。
まー、でもそろそろ更新しないとマズイと思うので(なんで?
更新行きまーす!
相手はとうとう14番を含めた3人でボール運びをする始末になった。
14番は元々、ゴール近くで仕事をして来たから、運ぶコツがあまり分からなかった。
そのためか、14番はポジションをとる動きからのもらい方しかしてこない。
香がパスカットをねらうディフェンスへと変えていく。
相手のポジション取りは香よりうまい。が、
「前獲ったぁ!!」
スピードで対応し1回目のスティールをする。
そのままオフェンスモードに切り替わった椎がいるコーナーへパス、
「ゴールサイドもらった!」
コートラインギリギリを抜いていく。
「たぁー!」
そのままバックシュート、の前に椎に対して5番がディフェンスカバーしに来たのを見逃さずに、
右手だけで優へとパスをだす。
「チェック行くぞ。」
優の所へ14番がブロックしに行く。
優の身長125。相手は178。
どう見てもブロックされると皆思った。
俺も思った。
14番の手の高さにボールがくるまでの、驚異的なジャンプをした後右手だけのワンハンドシュートを放った。
14番は右手だけでブロックしに来た。
普通の女子ならボスハンドショット、両手で打つためにブロックは右手だけでも当たる。
無意識にそうしてしまったのだろう。
しかし優には効かずに、
ゴツッ。
という音と共に笛が鳴った。
審判がファールサインをしている時もボールは空中にあり、
驚異的なジャンプをしてもやはりいつもどうりの優だったらしい。
もちろんという風に3点をカウントした。
なんなんだ、あのジャンプ力に加え3ポイントシュートの正確さは。
14番、本田 流は、フリースローの準備中にそう思った。
このチームは高さが売りだ。ゴール近くのオフェンスを困らせ外からのシュートリバウンドを奪い、速攻へのパスを出しガードの人がファーストオフェンス。次に高さで勝負し決める。
このチームのスタイル。
しかし向こうのチームにはすごいとしか言いようがないシューター。1対1が上手い人。
パワーよりか細かい技術をもっているセンターや壁としかいいようのないパワーフォワードまでいる。
高さだけじゃ勝てない。
そう感じて、
「タイムアウト、お願いします。」
テーブルオフィシャルに頼んだ。
「う〜んっ。」
手首を回しながらフリースローボールを受け取り、リズムを整えるためのドリブルをしないでいきなり打った。
「リバウンドいくぞっ!!」
「自分たちが、獲る。」
海と遥がリバウンドに入りに来た9番と13番を食い止めた。
1点が入る。
ブザーが鳴り相手、リングアウェーズのタイムアウト。
「はぁ、はぁ。」息切れがまだ激しい優に、
「優すげーじゃねぇか。」「始まったばかりだし、ゆっくり休んで。」
香と遥が声を掛ける。
「まだ勝った訳じゃないよぅっ。」
「ま、そうかもね。」
海がそう言いながら相手ベンチをなんとなく見て、
「相手、なんか、やってくる。かも。」
「なんで?」
「縮こまって、話してる、から。」
遥は自分がまで1点も取っていないことにちょっと悔しがっている。
「シュート決めたいな。」
タイムアウト終了ブザーがなり、コートに出て行く。
香のマークマン14番に代わって4番が、優のマークマン5番が7番になった。
それからの5分間は、相手の作戦が功をなしたのか、それともベストメンバーになったのかは分からないが、
優が1本も3ポイントシュートが入らず、身長+スピードで海や遥のスクリーンアウトをかいくぐっていった。
「相手が交代してからヤバイなぁ。」
椎が思うも良い策が浮かばないまま時間が流れていく。
「リバウンド!」
優が外で声を出す。
が、また奪われてしまった。
優は急いで戻ろうとするがすでに先へ相手、7番が走っていた。
「くっ。」
レイアップを決められボールがコートに跳ねた頃に優が戻っている。
相手の身長や能力が高まった他に原因がもうひとつ。
20分乗り切れる持久力がない、
またはペース配分がなっていないのが理由だった。
残り2分45秒。48−54。
優達のオフェンスだった。
体全身に疲労が溜まっていく。動きもスピードも遅くなっていく。
恵がベンチから立ち上がり、
「交代お願いします。」
シャツを脱いだ。
無理に椎が中へ突っ込んでいく。
レイアップへいこうとするが、途中9番に手を激しく叩かれた。
「痛てぇ!」
足元が少しフラフラとしている。
なんとかフリースローラインへ立ち、1本目を放つ。
リングの縁で回り、入った。
2本目を入れた時、ブザーがなる。
「椎、交代ね。」
恵がコートへと投下された。
「みんな、とにかく落ち着こ!」
恵のマークマン、16番にボールが渡っても慌てずに指示、いや声を仲間に伝えていく。
16番がドリブルをしながらパスをする相手を探している、
ボールから意識が離れた一瞬でスティールする。
このカットする音がいい。
スパッという手に収まるような感覚。
「優、速攻1本!!」
言いながら前へ高くパスをする。
「おっけい、恵ちゃん。」
さっきよりか少しスピードが速くなった。相手と同じぐらいのスピードで走っていく。
3ポイントラインでボールが渡る。
「落ち着いてっ!」
恵の声が耳に入った瞬間、ブロックしにくる5番が近づいてくる感覚を覚えた優が、
フェイクしブロックをかわしまぐれにも5番に押されてしまいながらも打ったショットが、
バスケットに入らなかった。
笛がなりファールのコールが示される。
「あ〜っ!」
外れたシュートを見ながら優が甲高い声を上げる。
いままで外したことはほとんど無かった。中学でもフリーの時は百発百中並に入りここが正念場というタイミングで決勝点を決めることも少なくなかった。
今のが悔しかったのだろう。
「惜しかった、優。」「落ち込まないでよ。」
仲間の声と共にフリースローラインに立った。
3ポイントラインで起こったシュートファールにより3本のフリースローが与えられた。
残り2分23秒。4点差。
優は近くより遠い距離からのシュートの方が得意だ。
1、2本目を入れる。
次の3本目のシュートがなんと外れてしまう。
「ふぅ〜。」
体力がやはりついていかないせいかシュート制度がかなり落ちてきた。
「リバン!!」
外から香が声を出し、その声に奮起されたのか、
「ふりゃあ!」
の声と同時に遥がリバウンドを奪う。そして、
この試合初めての得点を、ゴール下からのショットで入れる。
バックボードからきれいにリングへと反射した。
「やったあー!」「ナイシュー、ハル。」「いーじゃねぇか。」
ハイタッチが何度か繰り返された。
やっぱり一番嬉しそうなのは遥自身だろう。
そして遥の初得点と同時に、相手と同点まで追いついた。
相手チーム、リング・アウェーズは非常に焦っていた。
去年の成績は準優勝、平均身長が女子にしてはかなり高く去年優勝チームとほぼ互角の178センチ。
今ベンチにいる14番、本田流はポイントガードの仕事もできる。ゲームメイキングが上手いがこの試合は、175越えが3人いるということでゴールに近いポジションをやっていた。
だからこそこの状態に危機感を覚えた。
1人が交代して、たった数秒の内にこうも流が変わってしまった、と。
まずい。タイムアウトをとって作戦を練り直そう。しかし、
『前後半でタイムアウトは各1回まで』
というルールがあるため取ることができない。
どうすればいいんだろう?
チーム全員がそう思っていた。
次回の更新は6月上旬になります。こんどは約束守りますよ、絶対。




