101 祝祭
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フリジアには『聖女復活の日』という祭日がある。
それは遥か遠い昔、国を巨大竜の群れから命を賭して救ったとされる英雄「マリーシア」が蘇った日を祝う、ラングレーの祝日法により制定された国民の祝日である。
一年で最も国民が喜び、楽しみにしている日。
遥か昔から、あらゆる国民に休息が許された日。
現代においても、フリジアに住む者はみな労働を労い、プリメーラもゲットーも関係なく国の繁栄を願う一日である。
町中が浮かれているような、そんな日の午前10時前。
俺はプリムと一緒に、メラー通りの近くにある大きな広場へと向かっていた。
仲睦まじく手を繋ぐカップル。
はしゃぐ我が子を肩車して歩く父親。
往来を歩く人々も心なしか浮かれて見える。
林立する家々には国旗が掲げられ、煉瓦壁には極彩色の花が一定の間隔で差してある。
遠くの方では、空砲がパンパンッと鳴っていた。
「珍しいわね、あんたの方から誘って来るなんて」
「そう?」
「そうよ。あんたって、自分に用事がないと声をかけないんだから」
「いや、それって普通じゃん」
「いや、まあそれはそうなんだけど……ったく、相変わらず女心が分かってないわね」
プリムはぷりぷりと怒った。
「なんか知らないけどごめんって。でも、今日は絶対、面白いものが見れるよ」
「面白いもの?」
「そ。多分、一生に一回しか見れないもの」
言いながら、思わずくすくす笑ってしまう。
何それ、とプリムは眉を寄せた。
「ま、着けばわかるって」
俺は言いながら、少し歩く速度を速めた。
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目的地である広場はすでにカラフルなフラッグガーランドや束ねられた風船などが誂えられており、いかにもお祭り然として華やかに装飾されていた。
点在するいくつもの屋台の間を、お菓子やおもちゃを持った子供たちが走り回っている。
普段は乾いて意味のない場所が、今日はたくさんの人出で潤い、賑わっていた。
俺とプリムは人混みの中を進んだ。
広場の大きさは学校のグラウンドくらいだろうか。
歩くのも苦労するほどの人数だ。
姿は見えないが、どこか近くで音楽家がギターを弾いていた。
少し空いたスペースでは、背高帽子を被った道化師がジャグリングを披露している。
笑い声や拍手が定期的に沸き起こり、その合間を景気の良い指笛がお祭りの雰囲気を彩っていた。
俺たちはその一番奥にある屋台へと向かった。
そこには一際大きな人だかりができており、多くの人が列をなしていた。
屋台の幌には、『デイジーズ・ファン』というロゴが躍っている。
「おう、オメーら、全部買ってけや!」
その前で、ピエロのような派手なコスチュームを着たシーシーが、声を張り上げて、持っていた巨大な大砲を空に向けてぶっ放した。
すると人垣が「おお」と湧き、遅れて拍手が起こった。
やっぱり――すげー目立ってる。
「さあ、美味しいですよ、このレストラン『デイジーズ・ファン』特製の“デイジーズ・トバツチップス”。売り切れ必至。食べてってくださーい」
フリフリのロングスカートを履き、胸を強調させるチューブトップのような衣装を着て、看板を持ったポラが客寄せをしている。
「……なんで私が」
その横で、不愛想に棒立ちしているエリー。
手に試食の入った籐のバスケットを持って、不愉快そうにしている。
クールな彼女には珍しく、超ミニスカートを履いていた。
「な、何これ。ちょー面白いんだけど」
プリムが口をムズムズさせながら言った。
「あの白木綿海賊団が……客引きしてるわけ?」
「そうなんだ」
俺はくすりと笑った。
「船長命令だってさ。ロベルトさんの出店を手伝えって」
「ミスティエさんが、そんなことを」
「新しい料理を宣伝するなら、今日はうってつけだからね。抜け目ないんだ、あの人」
へえ、とプリムは微笑んだ。
それから腕を組み少し考えてから、なるほどねえ、と感心するように一人でうなずいた。
「……これ、ただの店の宣伝じゃないわね。さすがミスティエさん、なかなか粋なことするじゃない」
「どういうこと?」
俺は首を傾げた。
プリムは俺の方を見て、にやりと何やら含み笑いを見せた。
「これは、牽制なのよ」
「なんだよ、牽制ってのは」
「この辺りを根城にしてるチンピラや半グレ共に、『レストラン「デイジーズファン」には手を出すな』って警告を出してるわけ」
「警告?」
俺はよく分からない、と言うように首を傾げた。
するとプリムは「つまりね」と指を一本立てた。
「これからこの辺りが開発の進んで行ったら、ここいら一帯は確実に土地の値段が上がる。そうすれば、ロベルトさんの店を狙う不動産ゴロやブローカーが現れるのは間違いないわ。あの人のよさそうなおじさんは、海千山千の悪党にきっとコロっと騙されちゃう。そうならないために、近隣住民たちに教えているのよ。この店は――白木綿海賊団の縄張りだって、ね」
はえー、と俺は間抜けな声を出した。
ミスティエは――そこまで考えていたのか。
「……あの人、優しいとこあるんだよな」
思わず、そうこぼした。
だがその言葉は、雑踏に紛れてすぐに消えた。
「なんにしても華やかねえ。ほんと、白木綿は美人揃いで参っちゃうわ」
プリムはため息を吐くように言った。
「たしかにね。こうして客観的にみると、3人ともすげー眩しいや」
俺とプリムはしばらく、少し離れた場所から彼女たちを見ていた。
あんなに強くて怖い彼女たちが、今日はキラキラしていて、まるでアイドルか何かのようだった。
男の客は愚か、女性まで足を止めて見惚れている。
俺はさらに奥にある屋台に目をやった。
丸い幌のついたその中では、ロベルトとルナが“トバツチップス”をせっせと拵えていた。
慣れた手際で、テキパキと商品を作り上げていく。
「ごめん。プリム、ちょっとここで待ってて」
彼女の返事を待たず、俺は屋台へと向かって走り出した。
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「あ、ポチさん」
裏から屋台に顔を出すと、ルナがすぐに気づいて目をぱちくりと瞬かせた。
「ごめんね、こんなところから」
「いえいえ。こんにちは、何か御用ですか」
言いながら、滴る汗を首からかけたタオルで拭う。
屋台の中はすごい熱気だ。
大変そうだけど、心から楽しそうな顔。
「どう? 売り行きの方は」
「おかげさまで大好評です」
そう言って満面の笑みを浮かべる。
俺も釣られるように笑って、うし、と親指を立てた。
「そりゃそうだよな。これ、めっちゃ美味いもん」
「はい。あんなに用意したのに、材料、もう足らなくなっちゃうかも」
嬉しそうに不満を漏らす。
かつて月と呼ばれた少女が、今は太陽のように笑っていた。
やっぱルナちゃんは、笑顔の方がよく似合う。
「ルナ! 何を話してる、そっち揚げすぎだ」
慌てた様子で、奥にいるロベルトが言った。
「あ、ごめん!」
「そっちの皿じゃない。こっちこっち。こっちの網だ」
「はいはーい」
ルナは相変わらず、少し手元がぎこちない。
ドジも多いみたいだ。
だけど――ロベルトとの息はぴったりである。
「じゃ、ちょっとこれ、一つもらってくよ」
忙しない二人の隙をついて、俺はひょいと陳列されたトバツチップスの入った包装紙を一つ手に取った。
「あ」と口を丸くしたルナを無視して、そのまま屋台を出る。
そうして、すぐにプリムの元へ急いだ。
実をいうと今日プリムを呼んだのは、新聞記者である彼女にこれを食べてもらうためだった。
地元の記事に、ちょこっとでいいからこの「トバツチップス」を載せてもらうのだ。
出来れば、「デイジーズファン」の店のロゴの写った写真付きで。
屋台を出ると、あっと言う間に人混みに飲まれた。
ものすごい人の数だ。
今来た道のはずなのに、もうよく分からない。
えーと……プリムはどこにいたっけ。
「よう、小僧。そいつを一つ、俺に売ってくれよ」
そうして人混みを縫うように歩いていると。
突然、すぐ横から声をかけられた。
俺は思わず足を止め、目を向けた。
目深にお洒落なハットを被ったバルバトフが、こちらを見て立っていた。
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俺たちは喧騒から少し離れた場所に移動した。
広場の外れにある小高く緩やかな丘に座れそうな空地を見つけ、二人で腰かけた。
どうやらバルバトフは一人でやってきたようだった。
ビルの前にいたような、いかつい護衛はつけていない。
だが、高そうなスーツを着て、豪華なマフラーをつけたいでたちは明らかに異質で、周囲からはすっかり浮いてしまっていた。
「なるほど。こいつはうめぇ」
バルバトフは無表情でバリバリとチップスを食べながら言った。
「で、でしょ?」
俺は彼の機嫌を伺うように上目遣いで言った。
「やめられねえし、止まらねえ。これは売れる」
そう言って、あっという間に一人分をたいらげた。
俺は張り付いたような笑い顔で「ありがとうございます」と頭を下げた。
それきり、すぐに会話は止まった。
正直、俺の方からは何を話せばいいのかは分からなかった。
しかしこの男――一体、今さら何をしに来たんだろうか。
「あの女からは手を引くよ」
不意に、遠くを見ながらバルバトフが言った。
「あの女?」
「赤い月だ」
バルバトフは懐からたばこを取り出し、火をつけた。
「安心しろよ。もう二度と、あの娘の前に姿は出さん」
「そ、そうですか」
「ったく、お前らのせいで、計画が台無しだぜ。本当は、あのロベルトという男ごと俺の店に取り込んでやろうと思ってたんだけどよ」
「ロベルトさんごと?」
「ああそうだ。レストランが寂れたところであの店を地上げしてな。店もオヤジも、ルーナも、まるごと乗っ取ってやろうと思ってたのさ」
「そ、そんな計画を――」
「だが、もうやめた。思い直した」
バルバトフはふう、と紫煙を吐いた。
「何しろ相手が悪い。あのミスティエって女は想像以上のタマだった。喧嘩するには分が悪すぎるぜ」
「そ、それが良いと思います」
俺が恐る恐る言うと、バルバトフはくつくつと笑った。
「くっく、まったく、情けねえ話だ。バーギトの大親分が、こんな小僧にまで舐められちまって」
「あ、ああ、すいません、そういう意味じゃなくって」
「いいんだよ。俺ぁ、舐められて当然だ。仕事に私情を挟んじまって、そいつを見抜かれてとんだ恥をかいちまった。いつの間にか、あんなに蔑んでいた父親と同じ行動をしちまってたわけだ」
バルバトフは自嘲気味に笑うと、目を伏せた。
俺は未だ彼の真意を測りかねている。
この人は、そんなことを言うためにわざわざここに来たんだろうか。
「お前、タナカって言うんだってな」
と、バルバトフが言った。
「は、はい」
「最近、白木綿に拾われた雑用係の下っ端」
「そうです」
「そうか」
バルバトフは頷くと、俺をじっと見つめた。
何を考えているのか、ずいぶん長い間見ていた。
そしてやがて、ふっと笑った。
「な、なにか」
「やっぱり、どう見てもただの雑魚にしか見えねえな」
「は?」
バルバトフは立ち上がった。
釣られるように俺も立ち、お尻についた草を手で払った。
「だが、お前には“何か”あるんだろう。そんな気がする」
「どういう――意味でしょう」
「俺はよ、白木綿のことはよく知ってるんだ。いや、この街でアイツらのことを知らねえ奴はいねえんだけどよ。ともかく知ってるんだ。あいつらの怖さをな」
バルバトフは包み紙をくしゃりと握りつぶした。
「だが――実際に見たミスティエは噂と違っていた。たしかに頭はキレるし腕っぷしも一流だ。しかし、俺の知ってるやつは、もっと冷酷なはずだった。情にほだされて、あんな金の匂いのしねえ父娘のためにこんなことをする奴じゃなかった。慈善事業なんて大嫌いなはずだった。気になって知り合いのヤー公に聞いてみたんだ。そしたらよ、案の定、近頃のミスティエは少し変わったってよ。……でよ、じゃあどうして変わっちまったのか、考えてみたんだ。そんで」
そこで言葉を切り、俺を見る。
「そんで、お前のことを思い出したわけだ」
「俺のことを?」
「そう。もしかすると、ミスティエを変えたのはテメーなんじゃねえかってよ」
バルバトフは肩をすくめた。
「俺が――船長を変えた?」
俺はごくりと喉を鳴らした。
バルバトフは急に真剣な目になった。
「聞いてるぜ。ラングレー社による奴隷難民受け入れ計画の発案者はお前なんだろ。それから、この間ギネーア・ホールで起こったトートルア国第一位皇子暗殺未遂事件、あれを解決したのもお前だ。そして――これらの案件があったのは、ミスティエが変わった時期と被る」
「だから、俺が船長を変えたと?」
「そうだ」
吸うか、とバルバトフは俺に一本、タバコを勧めてきた。
結構ですというジェスチャーをして、俺は首を横に振った。
「……買い被りですよ、バルバトフさん。ありえません。俺なんかが船長に影響を与えるだなんて」
「そうか?」
「そうです」
俺は躊躇いなく大きく頷いた。
すると、バルバトフはお道化るように肩をすくめた。
「ま、そうかもな。今のお前を見ても、ただのクソ真面目なガキだ。それに、あのミスティエがそう簡単に変わるとも思えねえ。もしかしたらまた何か、俺たちが思いもつかねえことを考えてやがるのかもな」
「そうだと思います。船長の考えていることは、俺には全く読めません」
「くっく。女心は海より深く、決して男には知れ得ぬ、か。女海賊の手下なんて、お前もよくやってるぜ」
バルバトフは苦笑しながら言うと、タバコをポケットに戻した。
それから、もう一方の手に持っていたチップスの包み紙を捨てようと振りかぶった。
「あ、ちょっと待ってください」
と、俺は言った。
「あん?」
「その包装紙、捨てないでください」
「なんだ。この俺に、幼稚園児みてえな説教垂れるのか」
バルバトフは首を傾げた。
そうじゃないです、と俺は言った。
「そうじゃなくて、その包み紙、もう一度、広げてもらえますか」
「なんだよ、そいつは」
「お願いします」
俺が頭を下げると、バルバトフは怪訝そうに眉を顰めた。
少し不満そうにしながらも、俺の言うとおりに丸めた紙を広げた。
皺くちゃの包み紙には、レストラン『デイジーズ・ファン』の新しいロゴが描かれていた。
少し歪で線が撓んでいるが、蝶の意匠があしらわれた超イケてるデザインだ。
「ルナちゃんが考えたイラストロゴです」
と、俺は言った。
「カッコいいでしょう。あの子、最近また絵を描くことを始めたんです」
「絵を?」
「知りませんでしたか。ルナちゃんの夢なんです。画家になることが」
バルバトフは目を少し大きく見開き、それから俯いた。
表情は帽子のつばに隠れて見えない。
だがやがて、小さく「……そうか」と呟いた。
「はい。ですから、それは持っておいてください。きっと、将来価値が出ますから」
俺はにこりと笑い、親指を立てて見せた。
「なるほど」
バルバトフはしばらく包み紙を見つめていた。
そうして、丁寧に皺を伸ばしたあと、スーツの内ポケットにしまい込んだ。
「じゃあな」
バルバトフは踵を返し、背中を向けた。
「それじゃあ……ルーナにすまなかったと伝えておいてくれ」
それだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまう。
その背中は、雑踏に紛れてすぐに見えなくなってしまった。
そこで、俺はようやくバルバトフが俺に会いに来た理由を理解した。
俺はふっと息を吐き、空を見上げた。
紺碧の空はどこまでも晴れ渡り、雲一つない晴天だった。
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「おい」
広場に戻ろうと歩いていると、いきなりすぐ背後から声がして、俺は口から心臓が出そうになった。
振り向くと、シーシーが立っていた。
「シ、シーシーさん、どうしたんですか。びっくりした」
「びっくりしたじゃねーよ。お前、こんなとこで何やってんだ」
「いや、何って――何もしてないですけど」
「どうして一番下っ端のテメーが、何もしてねーんだよ」
「え?」
「調子に乗ってんじゃねえぞ、ポチ」
シーシーは俺に飛び掛かり、ヘッドロックをかけた。
「一番雑魚のテメーが一番働かなきゃおかしーだろうが!」
「で、でも俺、皆さんと違って客寄せなんて出来ませんよ。男の俺がやっても、人なんて来ませんし」
「そんなことありませんよ」
目を上げると、ポラが立っていた。
その手には――フリフリのメイド服が持たれていた。
「男の人にだって、集客する術はあります」
「そ――それはどういう意味でしょうか」
「安心してください。化粧はエリーさんにしてもらいます」
「け、化粧?」
「世の中には、“男の娘萌え”というジャンルがありましてね」
「な、なんですか、そのマニアックなジャンル」
「前々から思ってたんです。ポチ君って――意外と女の子の格好させたら可愛いんじゃないかって」
ポラの目がキラリと光った。
嫌な予感がして、俺はシーシーの腕からするりと頭を抜いた。
「い、嫌だ」
俺は踵を返して走り出した。
「待ちなさい!」
ポラとシーシーがすぐに追いかけてくる。
「にゃはは! なんだ、ポラ。ポチに女装させるのか」
「そういうことです。シーシーちゃんも、協力してください」
「いいな! それな! おもしれーな!」
背後でそんな声が聞こえる。
「こら待てポチー!」
「待ってくださいポチ君! 可愛い女の子にしてあげますから! 空前絶後の美少女にしたててあげますから!」
死ぬほど楽しそうだ。
あの人――そんな趣味があったのか。
「か、勘弁してくださいよ!」
叫びながら、俺は人混みの中を逃げ回った。
またどこかでパンパンパンッ! と空砲が鳴った。
愛想の良いオヤジがギターの音に合わせてダンスを踊っている。
ピエロの丸鼻をつけた子供たちが、嬌声を上げながらその周りを走り回っている。
何が面白いのか、ピアスをつけた少女たちが腹を抱えて笑っている。
近くの屋台から甘い匂いが鼻先をくすぐり、少し進むと今度は香ばしいスパイスの香りがした。
今日は、フリジア市民が最も楽しみにしている祭日だ。
来年の今頃。
この時期になると、俺もきっとこの日を楽しみにしているに違いない。
ここまで読んでいただいた全ての方にお礼を申し上げます。
とりあえず、ここで一区切りとさせていただきます。
読んでいただいた方、応援していただいた方、本当にありがとうございました。
またいつか、続きが書けたらなと思ってます。
最後に、よろしければ評価をお願いします。m(__)m
次へのモチベになります!
それではまた!
山田 マイク