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黒髪ロリの義姉ができた話。  作者: 天りす
新しい義姉ができました編
12/24

頼れるお姉ちゃんの弟看病

看病回という兄弟もののテンプレですね。


 「げほっ、げほ」


 やらかした。ゴールデンウィーク残るとこ2日…の朝、5月になり過ごしやすい気温になったにも関わらず目が覚めると俺はかなりの寒気に襲われた。


 どうやら遊びすぎたようだ。はからなくても身体が熱を持っているのがわかる。

 身体を起こす気力もでないので、俺はもうひと眠りすることにした。


♢♢♢


 「りょーくん、もうお昼だよ?いつまで寝てるの?」


 俺は彩雪姉ちゃんがノックし、「入るね…」と部屋に入ってくる音で再び目が覚めた。


 「りょーくんだいじょうぶ?顔色悪いよ?」


 「彩雪姉ちゃんおはよう…なんか風邪ひいたみたいなんだ。伝染(うつ)ったらいけないから、お姉ちゃんはリビングにいた方がいいよ。」


 「もう、りょーくんは何言ってるの。こういう時こそお姉ちゃんの出番だよ。」


 彩雪姉ちゃんはそういうと「お熱はからなきゃ」と言って1階に降りて行った。

 寒かった俺は布団にくるまると彩雪姉ちゃんが戻るのを待った。


 しばらくすると彩雪姉ちゃんは体温計を持って戻ってきた。


 「はい、りょーくん。これでお熱はかってね」


 お姉ちゃんから渡された体温計を受け取ると、俺は体温計を差し込むためにパジャマの胸元のボタンをすこし開けた。

 それを見ていた彩雪姉ちゃんはなぜか急に顔を真っ赤にして、「う、うしろむいてるっ!」と言っていた。


『ピピピッ』


 体温計から音がなったので引き抜いて、画面を見てみる。


 [38.4℃]


 彩雪姉ちゃんはそれを見ると、目に見えるように慌てた。

 「どうしよう…病院に連れて行かなきゃ!でも車もない…119?でも風邪で呼んでいいのかな…でもでも風邪じゃない可能性もあるし…」

 といった感じだ。


 「彩雪姉ちゃん、大丈夫。ゆっくりしてたら治るから。」


 「ほ、本当に?りょーくんお腹すいてない?」


 「言われてみればすいたかも。」


 「お姉ちゃん、雑炊作ってくるから待っててね。」


 そう言って彩雪姉ちゃんはまた1階へと降りて行った。お粥ではなく雑炊を作ってくれるところが俺の好みをわかっている…さすがはハイスペックお姉ちゃん。

 しばらくたった後、彩雪姉ちゃんは両手にミトンを付けて小さな一人用の土鍋に雑炊を作って持ってきた。干ししいたけと魚介類の出汁の香りと、散りばめられたニラと小さくむしってある鮭、そして小さく切られた紅白のかまぼこ、それだけで美味しいことがわかる。


 「ニラ雑炊すきだったでしょ?りょーくんが雑炊と一緒に食べたくなるかなって思って梅干しも持ってきたよ。」


 彩雪姉ちゃんのスーパーハイスペックお姉ちゃんぶりには驚いた。


 彩雪姉ちゃんが作ってきたニラ雑炊はかなり美味しく、お腹はすいたけどそんなに食欲はないような気がしていたにも関わらず、俺は完食してしまった。


 「いいこいいこ、良く食べたね」


 お姉ちゃんはそういうと食器を片付けるために下へ降りて行った。

 雑炊を食べ、身体が芯から温まった俺は3度目の眠りにつくのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今日は大変なことが起きた。りょーくんが熱を出してしまったのだ。大好きな弟のために頑張るのがお姉ちゃん。だから私はりょーくんのために頑張りたい。


 りょーくんはすごい熱なのに、私が作った雑炊を全部食べてしまった。無理して食べたんじゃ?と思ったけどずっと同じペースで食べて、とても喜んでくれてたみたい。私はりょーくんが大変な状態なのに嬉しくなった。


 食器を洗い終えてりょーくんの所に戻ると、すでにりょーくんは寝ていた。

 しばらく見つめているとなんだか熱にうなされているようだった。


 私はすぐに1階におりて洗面所に行くと、タオルを水で濡らしてしぼり、2階に戻って「早く良くなってね」と願いを込めりょーくんの頭の上にのせた。


 しばらくするとタオルがひんやりしなくなるので、私は何回か洗面所と部屋を行ったりきたりした。


 私は、弟ができて本当に嬉しかった。りょーくんが弟になる前は、お母さんは今のように忙しくほとんど家にいなかった。お母さんは「ごめんね」といつも心配そうに、申し訳なさそうに、言っていたから、私は「友達と話しているから大丈夫だよ」と心配させないように嘘をついた。

 でも、やっぱり1人は寂しかった。


 お母さんから新しい家族ができると聞き、それが弟だと知った時は不安もあった。私は人と話すのが苦手で特に男の人は怖かった。

 でも、初めて会った日、りょーくんはあまり話さない私に仲良くしようと優しく何度も話しかけてくれた。

 それを感じて私はお姉ちゃんとして頑張ろうと思った。


 しばらく経つとりょーくんには可愛い女の子の友達が何人かいることがわかった。私はお姉ちゃんなのに楽しそうに他の女の子と話すりょーくんを見るとモヤモヤしてしまう。りょーくんが最初に紹介してくれた名前忘れたけど、あの男友達の時は何も思わなかったのに。


 私はこの気持ちが何なのかわからないがとても不安だ。



 りょーくんのタオルを取り替えって戻ってくると、りょーくんの顔色はだいぶ良くなっているみたいだ。


 私はタオルをりょーくんのおでこの上に置くと、頭を撫でた。やっぱりりょーくんはかわいい。


 りょーくんの顔を見ながら頭を撫でていた私は自分でも何を考えているかわからないが頬にそっとキスをした。


 「んんっ」


 りょーくんがいきなりうめき声をだし、私は顔があつくなり静かにベッドを離れた。


 「すぅ…」


 眠っているとわかった私はベッドの横に座りりょーくんの手を握って見つめていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「ふわぁぁあ」


 目が覚めると大きなあくびがでた。窓の外はもう暗い。熱も引いて、すっかり楽になった。俺の右手は彩雪姉ちゃんが握っていた。握ったまま眠っていた。


 しばらく眠っているお姉ちゃんを見つめていると「お姉ちゃん頑張るからね」と寝言を言った。


 俺は彩雪姉ちゃんの頭を撫でて、「ありがとう。」と言った。

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次回はついにゴールデンウィークを終えて学校がまた始まります。香織との距離感によるクラスメイトの嫉妬(個人的にハーレム主人公もので作者が好きな部分)を書こうと考えてます。

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