表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コキ使われて追放された元Sランクパーティのお荷物魔術師の成り上がり〜「器用貧乏」の冒険者、最強になる〜  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ
第4章「何だかなぁ、脱出するぞ!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

234/240

◆第16話◆「なんだかなぁ、作戦を立てよう!(後編)」



「「「トラップ?」」」


 リズを除く全員が妙な声をあげる。


 暗殺者であるリズも何か知っている風であったが、彼女は基本的にこういった場で意見を口にしない。


「は、はぅぅ……!?」


 全員に注目されてエミリィはビクリと体を震わせた。

 しかし、情報の中身を知らずして黙られても困る。


「えっと、どういうこと?」

 努めて優しく話しかけるビィトに、エミリィは簡易図面の一カ所と、煙突内にいくつかある横穴を示した。


 そこは急な斜面がついており、とても登れそうには───……。


 え?

 あれってまさか……。


「あ、あそこに、落とし穴があるみたいなんだけど……」


 シュンとしたエミリィが、語尾を徐々に小さくしていく。


 だが、それどころではない。

「ちょ、ちょっとまって?! 落とし穴っていうけど、ここのトラップってとっくに機能してないんじゃ?」

「う、うん……。多分、動かないよ? でも……」


 エミリィが言うには、煙突まで続く落とし穴が何カ所かボス部屋付近の回廊にあるという。


 おそらく、「悪鬼の牙城」が大昔に何かしらの種族が拠点として使っていた頃の名残だろうというもの。


 今でこそオーガの巣窟になり、文明の痕跡もすたれて消えてはいるが、かつては書斎や調理場、そしてトラップを活用していた何かがいたのだ。


 それらがボス部屋───もしくは大昔の主が使っていた部屋を守ろうとして、トラップを仕掛けていてもおかしくはない。


 なるほど……。

 感覚が鋭く、探知能力のあるエミリィはとっくに気付いていたのだろう。


 あちこちの抜け穴の存在に。


 そして、雰囲気から察するにリズもきっと……。


 いや、言うまい……。

 彼女の生き方は彼女だけの物。


「うーむ……。そのガキのいうとおりなら、古いトラップをこじ開けるくらいなら、たいして手間がかからなさそうだな」


 機能していないとはいえ、落とし穴のトラップは本来敵を落とすための物。

 壁に比べて頑丈ということはあるまい。


 問題はその真下まで行くことだが───。


「エミリィは経路をつくれる?」

「? トラップの下までなら多分。開けるのは自信ないけど───」


 上等ッ!!


「すごいじゃないか、エミリィ!! 今すぐ準備してくれる?」

「ええ?! 本当にそれでいいの? お、お兄ちゃんたちの方がすごく考えているのに───」


 エミリィは自分の意見が採用されたことに驚いている。

 だが、エミリィのいう経路は最適なのだ。


 敵の気配は少なく。

 そして、ボスまでの距離も申し分ない。


「うむ……。そこがベストだな。ビィト、経路はお前のパーティ(・・・・・・・)に任せる」

「おう」


 ビィトはジェイクの意志を組み、エミリィとリズに経路の開拓を任せた。

 ロープもペグも十分にあるので、そう時間はかからないという。


 リズとエミリィが簡単な打ち合わせをしているのを尻目に、ビィト達は突入後の話合いを詰めていった。


 そうしているうちに、リズもエミリィもきびきびと動き、あり得ないほど急な壁をスイスイと登っていく。


 そして息の合った様子で、壁にロープを這わせると、あっという間にトラップの出口だという穴に潜り込んでいった。


「す、すごいな……」

「感心している場合か! 聞け、間抜けッ」


 ジェイクはビィトを睨み付けるように言う。


「な、なんだよ───」

「……俺なりに、前回の攻略を分析して、ここのボスを倒す方法を考えた」


 そう前置きしたあと、ジェイクは静かに告げる。





「ボスを仕留めるのは─────────お前だ」





「は?」


 唐突に告げられたビィトはポカンと口を開けるのみ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お読みいただき、ありがとうございます!


⇧ の『☆☆☆☆☆』評価欄 ⇧にて


『★×5個』で、応援いただけると嬉しいです!



新作だよ!
⬇️ 新作 ⬇️

異世界サルーン
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ